「刺身を食べると、なんだか体が冷える気がする」「お寿司の後、お腹が張ってだるくなる」そんな経験はありませんか。新鮮で栄養豊富な刺身ですが、薬膳の視点から見ると、体を冷やす性質を持つ食材として知られています。

けれども、食べ方や組み合わせを工夫すれば、冷えを防ぎながら美味しく刺身を楽しむことができます。この記事では、薬膳で見る生魚の性質から、体質別・季節別の食べ方、外食でも実践できる冷え対策まで、日常に活かせる知恵を丁寧にお届けします。


刺身は本当に体を冷やすの?薬膳で見る”生魚の性質”とは

薬膳でいう「五性」とは?刺身が”涼性・寒性”とされる理由

薬膳では、すべての食材に「五性(ごせい)」という性質があるとされています。五性とは、食材が体に与える温度的な影響を5段階に分けたもので、「熱・温・平・涼・寒」の5つです。体を温める「熱性・温性」、どちらにも偏らない「平性」、体を冷やす「涼性・寒性」に分類されます。

刺身に使われる多くの魚介類は、「涼性」または「寒性」に属します。これは、食材そのものが冷たいという意味ではなく、食べたときに体の内側から熱を取り去り、体温を下げる働きを持つという意味です。たとえば、マグロやタイ、ヒラメといった白身魚の多くは涼性、タコやカニ、牡蠣などは寒性とされています。

冷え性の人や、もともと体が冷えやすい体質の人がこれらの魚を生で食べると、体の冷えがさらに進み、不調につながることがあります。

海の魚が体を冷やすといわれる背景(環境と陰陽の関係)

薬膳の考え方では、食材が育った環境が、その性質に大きく影響します。冷たい海で泳ぐ魚は、体内に陰の性質(冷やす・潤す性質)を多く含むとされています。特に深海魚や、冷たい海域に生息する魚ほど、体を冷やす作用が強いと考えられています。

また、生で食べるという調理法自体も、陰の性質を強めます。火を通すことは陽のエネルギーを加える行為であり、体を温める方向に働きます。逆に、生のまま食べることは陰の性質をそのまま体に取り込むことになり、冷えやすい人にとっては負担になりやすいのです。

ただし、すべての魚が体を冷やすわけではありません。鮭やエビ、ブリといった一部の魚介類は、温性または平性に分類され、比較的冷えにくい食材です。魚の種類を知り、選ぶことが大切です。

刺身が冷えを引き起こすのは”冷たさ”だけではない?薬膳的メカニズム

刺身で体が冷えるのは、冷蔵庫から出したばかりの冷たさだけが原因ではありません。薬膳では、食材が持つ「性質」が体の内側に働きかけることで、冷えが生じると考えます。

たとえば、涼性・寒性の魚を食べると、体内の「陽気(ようき)」、つまり温めるエネルギーが消耗されます。陽気が不足すると、血行が悪くなり、手足の冷えや顔色の悪さ、疲れやすさといった症状が現れます。また、冷たい食材は消化にも負担をかけ、胃腸の働きを弱めることがあります。

さらに、生魚には水分が多く含まれており、体内に余分な水分(湿)を溜め込みやすくする作用もあります。湿が溜まると、むくみや体の重だるさ、食後の眠気といった症状が出やすくなります。

つまり、刺身による冷えは、温度的な冷たさと、食材の性質による体内のエネルギーバランスの乱れ、両方が関わっているのです。


冷え性の人は注意!刺身が体に与える薬膳的影響

冷え性・胃腸虚弱タイプは特に影響を受けやすい理由

冷え性の人は、もともと体の陽気が不足している状態です。陽気が足りないと、体を温める力が弱く、寒さに敏感になります。このような体質の人が、涼性・寒性の刺身を食べると、さらに陽気が奪われ、冷えが悪化しやすくなります。

また、胃腸が弱い人も注意が必要です。薬膳では、消化吸収を担う「脾(ひ)」は、温かさを好み、冷えを嫌うとされています。冷たく生の食材は、脾の働きを弱め、消化不良や下痢、食欲不振を引き起こしやすくなります。刺身を食べた後にお腹が張ったり、だるくなったりするのは、脾が冷えてうまく働けなくなっているサインかもしれません。

特に、普段から手足が冷たい、お腹を触るとひんやりしている、温かい飲み物を好む、といった症状がある人は、刺身を食べる量や頻度に気をつけた方が良いでしょう。

食後のだるさ・お腹の張り・むくみが出るのはなぜ?

刺身を食べた後に、だるさやお腹の張り、むくみを感じるのは、体内の「気・血・水」のバランスが乱れているサインです。

まず、冷たい食材は「気」の巡りを滞らせます。気は体のエネルギーであり、全身を巡って体温を保ち、内臓を動かす原動力です。気の巡りが悪くなると、疲れやだるさ、お腹の張りといった症状が現れます。

次に、涼性・寒性の食材は「血」の流れを悪くします。血は体の隅々に栄養を届ける役割を持ちますが、冷えると粘度が増し、流れにくくなります。血の巡りが悪くなると、顔色が悪い、手足が冷える、肩こりや生理痛がひどくなるといった症状が出やすくなります。

さらに、生魚に含まれる水分や塩分は、体内の「水」の代謝を乱します。水分が体に溜まると、むくみや体の重だるさ、朝起きたときの顔のむくみなどが起こります。

こうした症状が出やすい人は、刺身の食べ方を見直すことで、体への負担を減らすことができます。

薬膳で見る「気・血・水」の乱れと刺身の関係

薬膳では、体の健康は「気・血・水」の3つがバランス良く巡っていることで保たれると考えます。刺身は、この3つすべてに影響を与える可能性があります。

「気」が不足している人(気虚)は、刺身を食べることで、さらに気が消耗され、疲れやすくなります。「血」が不足している人(血虚)は、冷えによって血の巡りが悪くなり、貧血気味になったり、肌の乾燥がひどくなったりします。「水」が溜まりやすい人(痰湿)は、刺身の水分と塩分によって、さらにむくみや重だるさが増します。

自分がどのタイプに当てはまるかを知ることで、刺身を食べるときの工夫が見えてきます。たとえば、気虚タイプの人は、刺身に温かい味噌汁を添える、血虚タイプの人は、生姜やにんにくをプラスする、痰湿タイプの人は、大根おろしや大葉など、利水作用のある薬味を多めに添えるといった具合です。


生魚の”冷やす性質”をやわらげる!薬膳的な組み合わせ方

生姜・わさび・大葉・柚子皮の温補作用を活かすコツ

刺身を食べるとき、薬味は単なる風味づけではなく、体を守る大切な役割を果たします。生姜、わさび、大葉、柚子皮といった薬味には、体を温め、冷えを防ぐ「温補(おんほ)」の働きがあります。

生姜は、体を温める代表的な食材です。血行を促し、胃腸の働きを助け、冷えからくる吐き気や食欲不振を改善します。刺身に添えられるガリ(甘酢生姜)は、口直しだけでなく、生魚の冷えを中和する薬膳的な意味があるのです。

わさびも温性の食材で、殺菌作用と体を温める作用を併せ持ちます。わさびの辛味は「理気(りき)」といって、気の巡りを良くする働きがあり、お腹の張りや消化不良を防ぎます。

大葉(青じそ)は、温性で香りが強く、気の巡りを整える「行気(こうき)」の働きがあります。また、魚の生臭さを消し、食欲を増進させます。刺身に大葉を添えることで、冷えを防ぎつつ、胃腸の負担も軽くなります。

柚子皮も温性で、理気作用があります。柚子の香りはリラックス効果もあり、ストレスからくる気の滞りを解消します。刺身に柚子皮を少し添えるだけで、風味が増し、体を温める効果も期待できます。

刺身に合う温め副菜(味噌汁・茶碗蒸し・温野菜)

刺身を食べるときは、温かい副菜を一緒に摂ることで、体への負担を大きく減らせます。薬膳では、「冷熱のバランス」を大切にします。冷たい食材を食べるなら、温かい料理で中和するという考え方です。

味噌汁は、最も手軽で効果的な温め副菜です。味噌は発酵食品で、胃腸を温め、消化を助ける働きがあります。具材に生姜や長ねぎ、わかめ、豆腐などを入れれば、さらに温補効果が高まります。刺身定食に味噌汁がセットになっているのは、理にかなった組み合わせなのです。

茶碗蒸しも、温かく消化に優しい一品です。卵は平性で、気と血を補う働きがあります。だし汁の温かさと卵の栄養が、刺身で冷えた体を内側から温めてくれます。

温野菜も良い選択です。ほうれん草や小松菜、かぼちゃ、人参などを蒸したり、軽く炒めたりして添えましょう。野菜は食物繊維が豊富で、消化をサポートし、体内の余分な水分や老廃物を排出する手助けをします。

“冷やす”を中和する黄金バランス:冷+温+理気

薬膳では、食事全体のバランスを整えることが大切です。刺身を食べるときの黄金バランスは、「冷+温+理気」の3つを組み合わせることです。

「冷」は刺身そのもの。「温」は生姜や味噌汁、温野菜など、体を温める食材や料理。「理気」は、わさびや大葉、柚子皮など、気の巡りを良くする薬味です。

この3つを意識して組み合わせることで、刺身の冷えを防ぎつつ、消化を助け、体全体のバランスを保つことができます。たとえば、マグロの刺身に、生姜をたっぷり添え、わさびも効かせ、温かい味噌汁と一緒に食べる。これだけで、冷えのリスクは大きく下がります。

外食でも、メニュー選びや薬味の追加でこのバランスを意識すれば、体に優しい食べ方ができます。


季節と体質で変わる!薬膳的「刺身の食べ方」バランス術

夏はOK?冬はNG?季節別の食べ方のポイント

薬膳では、季節に合わせた食べ方を大切にします。刺身も、季節によって食べ方を変えることで、体への影響をコントロールできます。

夏は暑さで体に熱がこもりやすく、涼性・寒性の食材が体に合いやすい季節です。暑い日に冷たい刺身を食べることは、体の余分な熱を取り去り、クールダウンさせる効果があります。ただし、冷房の効いた室内で長時間過ごす人や、冷たい飲み物を摂りすぎる人は、夏でも体が冷えていることがあるので注意が必要です。

冬は寒さで体が冷えやすく、温める食材が求められる季節です。この時期に刺身を食べるなら、量を控えめにし、生姜や長ねぎなどの温補食材をたっぷり添えましょう。また、鮭やブリ、エビといった温性の魚介を選ぶことで、冷えのリスクを減らせます。

春と秋は、気温の変動が大きく、体調を崩しやすい季節です。体調に合わせて、刺身の量や薬味の種類を調整しましょう。体が重だるいときは刺身を控え、食欲があるときは適度に楽しむといった柔軟な対応が、薬膳的な知恵です。

体質別おすすめ組み合わせ(冷え性・胃弱・ストレス体質)

体質に合わせた食べ方を知ることで、刺身をより安心して楽しめます。

冷え性タイプの人は、刺身の量を控えめにし、温性の魚(鮭・ブリ・エビ)を選びましょう。生姜をたっぷり添え、温かい味噌汁や生姜湯を一緒に摂ることで、冷えを防げます。刺身を食べた後に、体を温める入浴や軽い運動をするのもおすすめです。

胃腸が弱いタイプの人は、白身魚のような消化しやすい魚を選び、大根おろしや大葉など、消化を助ける薬味を添えましょう。一度に大量に食べず、少量ずつゆっくり噛んで食べることが大切です。温かいお茶や白湯を一緒に飲むことで、胃腸への負担を軽減できます。

ストレス体質タイプの人は、気の巡りが滞りやすいため、理気作用のある薬味が効果的です。わさび、大葉、柚子皮、三つ葉などをたっぷり使い、香りの良い食材を取り入れましょう。また、青魚(アジ・サバ・イワシ)は、気を補う作用があり、ストレス体質の人に向いています。

魚種ごとに違う!白身・赤身・青魚の性質を見極める

刺身に使われる魚は、種類によって薬膳的な性質が異なります。魚の性質を知ることで、自分に合った選び方ができます。

**白身魚(タイ・ヒラメ・フグなど)**は、涼性のものが多く、体を冷やしやすい魚です。消化は比較的良いですが、冷え性の人は食べすぎに注意しましょう。生姜や味噌汁と一緒に食べることで、冷えを防げます。

**赤身魚(マグロ・カツオなど)**も涼性ですが、血を補う作用があります。貧血気味の人や、疲れやすい人には向いています。ただし、冷え性の人は、生姜やにんにくと一緒に食べると良いでしょう。

**青魚(アジ・サバ・イワシなど)**は、平性または温性に近く、比較的冷えにくい魚です。気を補い、血の巡りを良くする働きがあります。また、DHAやEPAといった不飽和脂肪酸が豊富で、血液をサラサラにする効果も期待できます。

鮭・エビ・ブリは、温性に分類され、体を温める魚介類です。冷え性の人や、冬に刺身を食べたいときには、これらを選ぶと安心です。

魚の性質を見極めて選ぶことで、体に合った刺身の楽しみ方が広がります。


外食・宅配寿司でもできる冷え対策|薬膳の知恵を実践

味噌汁や温かいお茶をセットにして”温中”をサポート

外食や宅配寿司でも、ちょっとした工夫で冷え対策ができます。最も簡単な方法は、温かい味噌汁やお茶をセットで注文することです。

味噌汁は、体を温める「温中(おんちゅう)」の働きがあり、胃腸を冷えから守ります。回転寿司やお寿司屋さんでは、あら汁や味噌汁が用意されていることが多いので、積極的に頼みましょう。具材に生姜や長ねぎが入っていれば、さらに温補効果が高まります。

温かいお茶も効果的です。特に、ほうじ茶や玄米茶、生姜湯は、体を温める作用があります。冷たい緑茶は体を冷やすので、刺身を食べるときは温かいお茶を選びましょう。

宅配寿司の場合は、自宅で味噌汁を作ったり、温かいスープを添えたりすることで、同じ効果が得られます。

薬味を追加するだけで変わる!冷えにくい刺身の食べ方

外食でも、薬味を追加することで、体への負担を減らせます。お寿司屋さんでは、ガリ(甘酢生姜)や大葉、わさびが用意されていますが、これらを意識的に多めに摂りましょう。

回転寿司では、自分で薬味を追加できることもあります。生姜の千切りや、刻んだ大葉、ネギなどがあれば、積極的に使いましょう。薬味をたっぷり添えるだけで、刺身の冷えを中和でき、消化も助けられます。

また、宅配寿司を食べるときは、自宅にある生姜や大葉、柚子皮などを添えるだけで、薬膳的な食べ方に変わります。ちょっとした手間が、体を守る大きな力になります。

食べる順番と時間帯で”体にやさしい”食習慣をつくる

食べる順番を意識することも、冷え対策になります。刺身を食べる前に、温かい味噌汁やスープを飲んで、胃腸を温めておきましょう。胃腸が温まった状態で刺身を食べることで、冷えの影響を受けにくくなります。

また、刺身を食べた後に、再び温かいお茶を飲むことで、体全体を温め直すことができます。食事の最初と最後に温かいものを摂る習慣をつけることで、体に優しい食べ方が身につきます。

時間帯も重要です。夜遅くに刺身を食べると、消化に負担がかかり、冷えやすくなります。できれば、昼食や早めの夕食時に刺身を楽しみ、夜は温かい料理を選ぶと良いでしょう。

外食や宅配寿司でも、少しの工夫で薬膳的な食べ方ができます。知識を持って選ぶことが、体を守る第一歩です。


魚介類の”五性・五味”早見表|薬膳的に見る”冷やす魚・温める魚”

主要な魚介類の五性・五味まとめ(刺身に使われる魚中心)

薬膳では、食材を「五性」と「五味」で分類します。五性は体への温度的な影響、五味は味の性質とその働きを示します。刺身に使われる代表的な魚介類の五性・五味をまとめます。

涼性・寒性の魚介類(体を冷やす)

  • タイ(涼性・甘味):消化吸収を助けるが、冷え性の人は注意
  • ヒラメ(涼性・甘味):胃腸を整えるが、冷やす作用が強い
  • マグロ(涼性・甘味):血を補うが、体を冷やす
  • タコ(寒性・甘味・鹹味):血を補うが、冷やす力が強い
  • カニ(寒性・鹹味):体の熱を冷まし、利水作用があるが、冷え性には不向き
  • 牡蠣(寒性・甘味・鹹味):滋陰作用があるが、冷やすため胃腸が弱い人は注意

平性の魚介類(どちらにも偏らない)

  • イカ(平性・鹹味):気を補い、血を巡らせる
  • アジ(平性・甘味):気を補い、胃腸を元気にする
  • サバ(平性・甘味):気と血を補い、体力をつける

温性の魚介類(体を温める)

  • 鮭(温性・甘味):気と血を補い、体を温める
  • エビ(温性・甘味):陽気を補い、冷えを改善
  • ブリ(温性・甘味):体を温め、気と血を補う
  • アナゴ(温性・甘味):気を補い、体力を回復

この早見表を参考に、自分の体質や季節に合った魚を選びましょう。

冷えやすい魚/温める魚を見分けるコツ

冷えやすい魚と温める魚を見分けるコツは、魚が育った環境と、体内の脂の量にあります。

冷たい海や深海に生息する魚は、涼性・寒性の傾向があります。たとえば、白身魚の多くは涼性です。また、脂の少ないあっさりした魚も、体を冷やしやすいです。

逆に、温かい海域や川に生息する魚、脂がのった魚は、温性または平性の傾向があります。鮭やブリ、サバといった脂の多い魚は、体を温める力が強いです。

また、赤い色の魚や、血合いの多い魚は、血を補う作用がありますが、冷やす性質も持つことが多いです。貧血には良いですが、冷え性の人は生姜などと一緒に食べると良いでしょう。

魚の性質を知ることで、自分に合った選び方ができ、体を守りながら美味しく刺身を楽しめます。

「海の幸×山の幸」で整える薬膳的バランスの考え方

薬膳では、「海の幸」と「山の幸」を組み合わせることで、体のバランスを整えるという考え方があります。海の幸は、体を潤し、冷やす作用が強いですが、山の幸(野菜・きのこ・山菜など)は、体を温め、気を巡らせる作用があります。

刺身を食べるときも、海の幸だけでなく、山の幸を一緒に摂ることで、体への負担を減らせます。たとえば、刺身に大根おろしや大葉、三つ葉を添える、温野菜やきのこの炒め物を一緒に食べる、といった工夫です。

また、海の幸と山の幸を組み合わせることで、栄養バランスも良くなります。海の幸は良質なタンパク質やオメガ3脂肪酸が豊富で、山の幸は食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富です。両方をバランス良く摂ることで、体全体が整います。

薬膳的な食事は、単品ではなく、組み合わせで成り立ちます。刺身を食べるときも、この考え方を活かして、体に優しい食卓を作りましょう。


まとめ

刺身は、新鮮で美味しく、栄養豊富な食材ですが、薬膳の視点から見ると、体を冷やす性質を持つため、食べ方に注意が必要です。特に冷え性や胃腸が弱い人は、刺身の種類や量、食べ方を工夫することで、体への負担を減らすことができます。

生姜やわさび、大葉といった薬味をたっぷり使い、温かい味噌汁やお茶をセットにすることで、刺身の冷えを中和できます。季節や体質に合わせて、魚の種類を選ぶことも大切です。外食や宅配寿司でも、ちょっとした工夫で薬膳的な食べ方が実践できます。

刺身を楽しみながら、体を冷やさない食べ方を身につけることで、美味しさと健康の両立が叶います。今日から、刺身を食べるときに薬膳の知恵を取り入れて、体に優しい食習慣を育ててみてください。

刺身の魅力を損なうことなく、体を守る食べ方を知ることで、季節を問わず安心して魚介の美味しさを味わえます。薬膳は難しいものではなく、日々の小さな選択の積み重ねです。薬味を一つ追加する、温かい汁物を添える、魚の種類を意識する。それだけで、体は確実に変わっていきます。