暑い日が続いて体がだるい」「疲れが抜けない」「頭がぼーっとして集中できない」そんな悩みを抱えていませんか。薬膳では、ハイビスカスは「酸味と涼性で夏の疲れを癒し、体の火照りを冷ましながら潤いを補う理想的なハーブ」として重宝されてきました。
この記事では、ハイビスカスの酸味成分と疲労回復のメカニズム、薬膳での性質と効能、シーン別の活用法、初心者でも続けやすい飲み方とブレンド、体質別の注意点、相性の良いハーブまで、ハイビスカスを使いこなすための知識を完全網羅してお届けします。
ハイビスカスはなぜ”疲労回復”に良いの?酸味の正体と働きをやさしく解説
酸味の主成分はクエン酸・リンゴ酸・ハイビスカス酸
ハイビスカスティーとは
ハイビスカスティーは、ハイビスカスの花(正確には萼:がく)を乾燥させたものから作られます。鮮やかなルビーレッドの色と、さわやかな酸味が特徴です。
使用される種類
- ローゼル(Hibiscus sabdariffa)が一般的です
- 観賞用のハイビスカスとは別の種類です
酸味の主成分
1. クエン酸(Citric acid)
- ハイビスカスの酸味の中心です
- レモンや梅干しにも含まれます
- 疲労回復効果が高いことで知られています
- エネルギー代謝を活性化します
2. リンゴ酸(Malic acid)
- リンゴや梅に含まれる有機酸です
- クエン酸と協力してエネルギー代謝を助けます
- まろやかな酸味を生み出します
3. ハイビスカス酸(Hibiscus acid)
- ハイビスカス特有の有機酸です
- 抗酸化作用があります
- 代謝を促進します
その他の有機酸
- 酒石酸
- コハク酸
- これらも疲労回復に貢献します
酸味成分の含有量
- ハイビスカスの乾燥花には、約15〜30%の有機酸が含まれます
- レモンよりも酸味が強く感じられることがあります
クエン酸が疲労物質の代謝を助けるしくみ
疲労の原因
従来、疲労の原因は「乳酸の蓄積」と言われていましたが、現在では異なる見解が主流です。
現在の理解
- 疲労の主な原因は、エネルギー不足と活性酸素の蓄積です
- 細胞がエネルギーを効率的に作れなくなると、疲労を感じます
クエン酸サイクル(TCA回路)とは
私たちの細胞は、「クエン酸サイクル」という代謝経路でエネルギー(ATP)を作り出しています。
クエン酸サイクルの働き
- 食べ物から摂取した糖質、脂質、タンパク質が分解されます
- 分解された物質がクエン酸サイクルに入ります
- クエン酸サイクルが回転し、エネルギー(ATP)が生成されます
- 同時に、老廃物が処理されます
クエン酸を摂取すると
- クエン酸サイクルが活性化されます
- エネルギー生産が効率的になります
- 疲労物質が素早く代謝されます
- 疲労回復が早まります
科学的根拠
- クエン酸を摂取すると、運動後の疲労感が軽減されることが研究で示されています
- 筋肉痛の回復が早まります
- 精神的な疲労にも効果があります
ハイビスカスのクエン酸の特徴
- 天然のクエン酸が豊富です
- 他の有機酸との相乗効果があります
- 体に優しく吸収されます
アントシアニンなどの抗酸化成分が”だるさ”にも働く理由
ハイビスカスの色素成分
ハイビスカスの美しいルビーレッドの色は、アントシアニンという色素によるものです。
アントシアニンとは
- ポリフェノールの一種です
- 赤、紫、青色の色素です
- ブルーベリー、赤ワイン、紫芋にも含まれます
- 強力な抗酸化作用があります
抗酸化作用とは
- 活性酸素を除去する働きです
- 活性酸素は、細胞を傷つけ、老化や疲労の原因になります
アントシアニンが”だるさ”に効く理由
1. 活性酸素を除去する
- 疲労時には、体内で活性酸素が増えます
- アントシアニンが活性酸素を除去します
- 細胞のダメージが軽減され、疲労感が和らぎます
2. 血流を改善する
- アントシアニンは、血管を拡張し、血流を良くします
- 酸素と栄養が全身に行き渡ります
- 疲労物質が排出されやすくなります
3. 目の疲れを軽減する
- アントシアニンは、目の網膜の働きを助けます
- 眼精疲労が軽減されます
- パソコン作業が多い人に効果的です
4. 抗炎症作用
- 慢性的な炎症が疲労の原因になることがあります
- アントシアニンが炎症を抑えます
- 体の回復力が高まります
その他の抗酸化成分
- ビタミンC:ハイビスカスにも含まれます(ローズヒップと組み合わせるとさらに豊富)
- ポリフェノール:複数の種類が含まれます
薬膳で見るハイビスカス:酸味×涼性が”夏の疲れ”に効く理由
酸味の薬膳作用「収斂」「生津」とは?
薬膳におけるハイビスカスの位置づけ
ハイビスカスは西洋のハーブですが、薬膳の理論にも当てはめることができます。
五性:涼性
- 体を穏やかに冷やす性質です
- 熱を持った体を冷まします
- 夏の暑さによる不調に適しています
五味:酸味・甘味
- 酸味が主体で、わずかに甘味があります
帰経:心・肝・腎
- 心:精神を落ち着かせます
- 肝:気の巡りを良くします
- 腎:潤いを補います
酸味の薬膳作用
1. 収斂(しゅうれん)作用
「収斂」とは、引き締める、漏れを止めるという意味です。
具体的な効果
- 汗の出すぎを止める:暑さで汗をかきすぎると、体の潤いが失われます。酸味が適度に汗を抑えます
- 下痢を止める:緩んだ腸を引き締めます
- 尿漏れを防ぐ:膀胱の機能を高めます
ハイビスカスの場合
- 夏の暑さで汗をかきすぎた後に飲むと、体の潤いが保たれます
- ただし、風邪の初期など、発汗が必要な時は避けます
2. 生津(せいしん)作用
「生津」とは、体液(唾液、胃液など)を生み出し、潤いを補うという意味です。
具体的な効果
- 喉の渇きを癒す
- 口の中を潤す
- 胃液の分泌を促す
- 肌を内側から潤す
ハイビスカスの場合
- 酸味が唾液の分泌を促します
- 体の乾燥を防ぎます
- 暑さで体液が失われた時に最適です
なぜ酸味が生津作用を持つのか
- 酸っぱいものを見たり食べたりすると、唾液が出ます
- これは、体が自然に潤いを生み出している証拠です
- 薬膳では、この作用を「生津」と呼びます
涼性の清熱作用で体の火照り・ほてりをクールダウン
涼性とは
- 体を穏やかに冷やす性質です
- 寒性よりも穏やかで、バランスが良いです
清熱作用とは
- 体の余分な熱を冷ます働きです
- 特に、暑さや炎症による熱に効果的です
ハイビスカスの清熱作用が効く症状
1. 体の火照り、ほてり
- 暑さで体に熱がこもった時
- 更年期のホットフラッシュ
- 発熱後の微熱
2. 喉の渇き
- 暑さで喉が渇く
- 口の中が乾燥する
3. イライラ、興奮
- 体に熱がこもると、精神的にもイライラします
- ハイビスカスが熱を冷まし、心を落ち着かせます
4. 顔の赤み
- のぼせて顔が赤くなる
- 肌の炎症(ニキビなど)
5. 寝汗
- 体に熱がこもって寝汗をかく
なぜ夏の疲れに効くのか
- 夏は暑さで体に熱がこもりやすい
- 熱がこもると、疲労感、だるさ、食欲不振が起こります
- ハイビスカスの涼性が熱を冷まし、体を楽にします
冬場の注意
- 冬に飲むと、体を冷やしすぎることがあります
- 温め食材(生姜、シナモン)と組み合わせるか、ホットで飲みます
夏バテ・食欲不振への薬膳的メリット
夏バテの薬膳的メカニズム
1. 暑さで気が消耗する
- 暑さは「火」の邪気です
- 体のエネルギー(気)を消耗させます
- 疲れやすい、だるいという症状が出ます
2. 汗で潤いが失われる(気陰両虚)
- 汗をかくと、気と陰(体液)が同時に失われます
- 喉が渇く、肌が乾燥する、疲れやすいという症状が出ます
3. 胃腸の働きが弱る
- 暑さで食欲が落ちます
- 冷たいものを摂りすぎて、胃腸を冷やします
- 消化不良、下痢が起こります
ハイビスカスの夏バテへのメリット
1. 涼性で熱を冷ます
- 体の余分な熱を取り除きます
- 暑さによるだるさが軽減されます
2. 酸味で潤いを補う(生津)
- 汗で失われた体液を補います
- 喉の渇きが癒されます
3. 酸味で食欲を刺激する
- 酸味が唾液と胃液の分泌を促します
- 食欲が出ます
- 消化を助けます
4. エネルギー代謝を活性化
- クエン酸がエネルギー生産を助けます
- 疲労回復が早まります
食欲不振への効果
- 酸味が食欲を刺激します
- さっぱりとした味わいで、食事が進みます
- 食前や食中に飲むと効果的です
こんな疲れに向いている!シーン別・ハイビスカスの活用法
仕事の合間の”頭の疲れ”に合う理由
頭の疲れ(脳疲労)とは
長時間のデスクワーク、パソコン作業、会議などで、脳が疲れた状態です。
症状
- 頭がぼーっとする
- 集中力が続かない
- 眼精疲労
- 頭が重い
- イライラする
ハイビスカスが頭の疲れに効く理由
1. クエン酸がエネルギー代謝を活性化
- 脳はエネルギー消費が大きい臓器です
- クエン酸が効率的にエネルギーを作ります
- 頭がすっきりします
2. アントシアニンが脳血流を改善
- 脳への血流が良くなります
- 酸素と栄養が届きやすくなります
- 思考がクリアになります
3. アントシアニンが眼精疲労を軽減
- 目の疲れが取れます
- パソコン作業が楽になります
4. 酸味でリフレッシュ
- 酸っぱい味が脳を刺激します
- 気分転換になります
- 眠気が覚めます
5. カフェインゼロ
- コーヒーと違い、カフェインがありません
- 夕方に飲んでも、夜眠れます
- カフェイン過敏症の人でも安心です
おすすめの飲み方
- 午後2〜3時頃、集中力が落ちてきたタイミングで飲む
- アイスで飲むと、よりリフレッシュします
- はちみつを加えると、脳のエネルギー源(糖)も補給できます
運動後・外出後のクエン酸チャージとして
運動後の体の状態
1. エネルギーが消耗
- 筋肉がグリコーゲン(エネルギー源)を使い切ります
2. 疲労物質が蓄積
- 代謝の過程で老廃物が溜まります
3. 汗で水分・ミネラルが失われる
- 脱水状態になります
4. 活性酸素が発生
- 運動により活性酸素が増えます
- 筋肉のダメージの原因になります
ハイビスカスが運動後に効く理由
1. クエン酸がエネルギー回復を促進
- クエン酸サイクルが活性化されます
- グリコーゲンの再合成が早まります
- 疲労回復が早くなります
2. 水分補給
- ハイビスカスティーで水分を補給できます
- 酸味が飲みやすさを増します
3. 抗酸化作用
- アントシアニンが活性酸素を除去します
- 筋肉のダメージが軽減されます
- 筋肉痛が和らぎます
4. ミネラル補給
- ハイビスカスには、カリウム、カルシウム、マグネシウムが含まれます
- 汗で失われたミネラルを補給できます
外出後の暑さ疲れにも
- 炎天下での外出後、体が火照っています
- ハイビスカスの涼性が、体の熱を冷まします
- クエン酸が疲労回復を助けます
おすすめの飲み方
- 運動後30分以内に飲む(ゴールデンタイム)
- 冷やして飲むと、体が冷えて気持ち良い
- はちみつや黒糖を加えると、糖質補給にもなります
スポーツドリンクとの比較
- 市販のスポーツドリンクは、糖分が多すぎることがあります
- ハイビスカスティーは、自然な酸味で飲みやすいです
- 添加物がなく、体に優しいです
暑い日のだるさ・むくみに飲むときのコツ
暑い日のだるさの原因
1. 体に熱がこもる
- 暑さで体温調節が追いつきません
- 体に熱がこもり、だるくなります
2. 汗で潤いが失われる
- 体液が不足します
- 血液がドロドロになります
- 血流が悪くなり、疲れやすくなります
3. 食欲が落ちる
- 栄養が不足します
- エネルギーが作られません
ハイビスカスがだるさに効く理由
- 涼性で体の熱を冷まします
- 酸味で潤いを補います
- クエン酸がエネルギー代謝を助けます
むくみの原因
1. 暑さで血管が拡張
- 血管から水分が漏れ出します
- 特に足がむくみます
2. 水分の摂りすぎ
- 暑いと、水分を摂りすぎることがあります
- 余分な水分がむくみの原因になります
3. 運動不足
- 暑いと動きたくなくなります
- 筋肉のポンプ作用が弱まり、むくみます
ハイビスカスがむくみに効く理由
- カリウムが豊富で、利尿作用があります
- 余分な水分を排出します
- 酸味の収斂作用が、水分の漏れを防ぎます
飲むときのコツ
1. 冷やしすぎない
- キンキンに冷やすと、胃腸を冷やします
- 常温または少し冷たい程度がベストです
2. 一気に飲まない
- ゆっくり、少しずつ飲みます
- 体への負担が少なくなります
3. 食事と一緒に
- 食前や食中に飲むと、食欲が出ます
- 消化を助けます
4. 水分補給のタイミング
- 喉が渇く前に飲みます
- こまめに水分補給します
5. はちみつを加える
- 酸味が和らぎます
- 甘味が疲労回復を助けます
初心者でも続けやすい!ハイビスカスティーの飲み方・ブレンド・1日の目安量
酸味を和らげる飲み方(はちみつ・黒糖・ローズヒップ)
ハイビスカスの酸味が苦手な人へ
ハイビスカスは酸味が強いため、苦手な人もいます。以下の方法で、酸味を和らげて飲みやすくできます。
1. はちみつを加える
効果
- 甘味が酸味を和らげます
- はちみつ自体に疲労回復効果があります
- 喉を潤します
薬膳的相性
- はちみつは平性・甘味で、潤いを補います
- ハイビスカスの涼性とバランスが良いです
使い方
- ハイビスカスティー1杯に、はちみつ小さじ1〜2を加えます
- ホットの場合は、少し冷ましてから加えます(高温ではちみつの栄養が壊れます)
2. 黒糖を加える
効果
- 黒糖の深い甘味が、酸味をまろやかにします
- 黒糖はミネラルが豊富です
- 体を温める効果があります
薬膳的相性
- 黒糖は温性・甘味で、気血を補います
- ハイビスカスの涼性とバランスを取ります
- 冷え性の人におすすめです
使い方
- ハイビスカスティー1杯に、黒糖小さじ1〜2を加えます
3. ローズヒップとブレンド
効果
- ローズヒップの甘酸っぱさが、ハイビスカスの酸味を和らげます
- ビタミンCが豊富で、美肌効果があります
- 疲労回復効果が高まります
薬膳的相性
- ローズヒップも涼性・酸味です
- 相乗効果で、美容と疲労回復に最適です
使い方
- ハイビスカス:ローズヒップ=1:1でブレンドします
- 市販のブレンドティーも多く売られています
4. アップルジュースで割る
効果
- フルーティーで飲みやすくなります
- 子どもでも飲めます
使い方
- ハイビスカスティーを濃いめに淹れます
- アップルジュースで1:1に割ります
- 氷を入れて、冷たく楽しみます
5. 炭酸水で割る
効果
- さわやかでリフレッシュします
- 夏にぴったりです
使い方
- ハイビスカスティーを濃いめに淹れて冷やします
- 炭酸水で1:1に割ります
- レモンやミントを添えます
目的別の飲むタイミング(朝/午後/運動後)
朝(6〜10時)
効果
- 目覚めをすっきりさせます
- 一日のエネルギー代謝を活性化します
- 朝の水分補給になります
飲み方
- 空腹時でも大丈夫ですが、胃が弱い人は朝食後に
- ホットまたは常温で飲むと、体が目覚めます
- はちみつを加えると、朝のエネルギー補給になります
注意点
- 冷え性の人は、生姜を少し加えると良いです
午後(14〜16時)
効果
- 午後の眠気を覚まします
- 集中力を回復します
- 頭の疲れを癒します
飲み方
- アイスで飲むと、リフレッシュします
- デスクワークの合間に最適です
- カフェインゼロなので、夕方でも安心です
運動後(30分以内)
効果
- 疲労回復が早まります
- 筋肉痛を軽減します
- 水分・ミネラル補給になります
飲み方
- 冷やして飲むと、体がクールダウンします
- はちみつや黒糖を加えると、エネルギー補給になります
食前・食中
効果
- 食欲を刺激します
- 消化を助けます
飲み方
- 食前10分、または食事と一緒に飲みます
- 酸味が唾液と胃液の分泌を促します
就寝前は避ける
理由
- ハイビスカスには利尿作用があります
- 夜中にトイレに起きることがあります
- 就寝2時間前までに飲み終えます
1日の適量とカフェインゼロのメリット
1日の適量
目安:2〜3杯(400〜600ml)
- この量で、十分な効果が得られます
- 過剰摂取は避けます
初めて飲む人
- 1日1杯から始めます
- 体の反応を見ます
カフェインゼロのメリット
1. 誰でも飲める
- 妊娠中、授乳中でも安心です
- 子ども、高齢者でも飲めます
- カフェイン過敏症の人でも大丈夫です
2. 夕方でも飲める
- コーヒーや紅茶は、夕方以降は避けるべきですが、ハイビスカスは時間を選びません
- 夜眠れなくなる心配がありません
3. カフェインの副作用がない
- 心拍数の増加、不安感、胃の不快感などがありません
- 体に優しいです
4. 利尿作用が穏やか
- カフェインのような強い利尿作用はありません
- ただし、カリウムによる穏やかな利尿作用はあります
向いている体質・注意が必要な体質|冷え性・胃腸虚弱・低血圧はどう飲む?
冷え性の人は”温め食材”と合わせるのが正解
ハイビスカスと冷え性
ハイビスカスは涼性のため、冷え性の人が飲みすぎると、体を冷やしてしまうことがあります。
冷え性の人の特徴
- 手足が冷たい
- お腹が冷える
- 寒がり
- 体温が低い(36℃以下)
対策:温め食材と組み合わせる
1. 生姜を加える
- 生姜は温性・辛味で、体を温めます
- ハイビスカスティーに生姜のすりおろし(少量)を加えます
- または、生姜のスライスを一緒に煮出します
2. シナモンを加える
- シナモンは熱性・甘味で、体を強く温めます
- ハイビスカスティーにシナモンパウダーを少し加えます
- または、シナモンスティックを一緒に煮出します
3. 黒糖を加える
- 黒糖は温性で、体を温めます
- はちみつより黒糖の方が、冷え性の人に適しています
4. ホットで飲む
- アイスではなく、ホットで飲みます
- 体が温まります
5. 飲む量を控えめにする
1日1杯程度にします
- 夏場に限定して飲むのも良い方法です
冷え性の人におすすめのブレンド
- ハイビスカス+生姜+黒糖
- ハイビスカス+シナモン+はちみつ
- ハイビスカス+ローズ+ナツメ
胃が弱い人は薄め&食後に飲むと安心
ハイビスカスと胃腸への影響
ハイビスカスの酸味は、胃が弱い人には刺激が強いことがあります。
胃が弱い人の特徴
- 胃が痛くなりやすい
- 胃もたれ、胃の不快感
- 空腹時に胃が痛む
- 胃炎、胃潰瘍の既往歴
対策
1. 薄めに淹れる
- ハイビスカスの量を半分にします
- または、お湯の量を2倍にします
- 薄めに淹れても、効果は十分あります
2. 食後に飲む
- 空腹時を避けます
- 食後30分〜1時間後に飲みます
- 胃に食べ物があることで、刺激が和らぎます
3. はちみつを加える
- はちみつが胃の粘膜を保護します
- 酸味も和らぎます
4. 牛乳で割る
- ハイビスカスティーを濃いめに淹れます
- 牛乳で1:1に割ります
- 胃に優しくなります
- ほんのりピンク色で、見た目も可愛いです
5. 飲む量を控える
- 1日1杯程度にします
- 一気に飲まず、少しずつ飲みます
症状が出たら
- 胃痛、胃の不快感が出たら、すぐに飲むのをやめます
- 症状が続く場合は、医師に相談します
低血圧の人が気をつけたいポイント
ハイビスカスと血圧
ハイビスカスには、血圧を下げる効果があることが研究で示されています。これは、高血圧の人には良いことですが、低血圧の人には注意が必要です。
ハイビスカスが血圧を下げるメカニズム
- ACE(アンジオテンシン変換酵素)を阻害します
- 血管を拡張します
- 血圧が下がります
低血圧の人の特徴
- 血圧が90/60mmHg以下
- めまい、立ちくらみ
- 疲れやすい、だるい
- 朝起きられない
対策
1. 飲む量を控える
- 1日1杯以下にします
- 毎日ではなく、週に2〜3回程度にします
2. 食後に飲む
- 空腹時を避けます
- 食後に飲むと、血圧の急激な低下を防げます
3. 一気に飲まない
- ゆっくり、少しずつ飲みます
4. 塩分を適度に摂る
- ハイビスカスティーを飲む日は、塩分を適度に摂ります
- 塩分が血圧を上げます
5. 温め食材と組み合わせる
- 生姜、シナモンなど、血行を良くする食材と組み合わせます
6. 体調を観察する
- めまい、ふらつきが出たら、すぐに飲むのをやめます
血圧の薬を飲んでいる人
- 医師に相談してから飲みます
- ハイビスカスが薬の効果を強めることがあります
もっと知りたい人へ:ローズヒップやレモングラスとの相性と疲労回復ブレンド
酸味をバランス良くするローズヒップブレンド
ローズヒップとは
バラの実(偽果)を乾燥させたものです。「ビタミンCの爆弾」と呼ばれるほど、ビタミンCが豊富です。
ローズヒップの特徴
- 性味:涼性・酸味・甘味
- 帰経:肝・腎
- 働き:美肌、疲労回復、免疫力向上
ハイビスカスとの相性
1. 味の相性
- ローズヒップの甘酸っぱさが、ハイビスカスの酸味を和らげます
- 飲みやすく、美味しいブレンドになります
2. 色の相性
- ハイビスカスの赤とローズヒップのオレンジ色が混ざり、美しいルビーレッドになります
3. 効能の相性
- どちらも疲労回復、美肌効果があります
- 相乗効果で、効果が高まります
4. 栄養の相性
- ハイビスカス:クエン酸、アントシアニン
- ローズヒップ:ビタミンC、ビタミンE、βカロテン
- 抗酸化作用が最強のコンビです
ハイビスカス×ローズヒップブレンドの作り方
材料(1杯分)
- ドライハイビスカス:小さじ1
- ドライローズヒップ:小さじ1
- 熱湯:200ml
- はちみつ:小さじ1(お好みで)
作り方
- ティーポットにハイビスカスとローズヒップを入れます
- 熱湯を注ぎます
- 蓋をして5〜10分蒸らします
- 茶こしで濾してカップに注ぎます
- はちみつを加えます
効果
- 疲労回復
- 美肌効果
- 免疫力向上
- アンチエイジング
飲むタイミング
- 朝、または午後
- 毎日飲み続けると、肌がきれいになります
爽やかさが増すレモングラス・ミントの組み合わせ
レモングラスとは
レモンの香りがするイネ科のハーブです。タイ料理などにも使われます。
レモングラスの特徴
- 性味:涼性・辛味・甘味
- 帰経:脾・胃
- 働き:気を巡らせる、消化を助ける、リフレッシュ
ハイビスカス×レモングラスのブレンド
効果
- 爽やかな香りでリフレッシュします
- 気分転換に最適です
- 消化を助けます
- 疲労回復効果があります
作り方
- ハイビスカス:小さじ1
- レモングラス:小さじ1/2
- 熱湯:200ml
- 5〜7分蒸らします
ミントとは
清涼感のあるハーブです。ペパーミントやスペアミントがあります。
ミントの特徴
- 性味:涼性・辛味
- 帰経:肺・肝
- 働き:清熱、気を巡らせる、リフレッシュ
ハイビスカス×ミントのブレンド
効果
- すっきりとした清涼感があります
- 夏の暑さ疲れに最適です
- 頭がすっきりします
- 消化を助けます
作り方
- ハイビスカス:小さじ1
- ミント:小さじ1/2
- 熱湯:200ml
- 3〜5分蒸らします(ミントは短めに)
ハイビスカス×レモングラス×ミントのトリプルブレンド
夏の爽快ブレンド
- ハイビスカス:小さじ1
- レモングラス:小さじ1/2
- ミント:小さじ1/2
- 熱湯:200ml
- 5分蒸らして、冷やします
- レモンスライスを添えます
効果
- 暑さによるだるさを解消
- 気分をリフレッシュ
- 集中力を回復
疲労回復におすすめの”薬膳ブレンド”例
体質別・疲労回復ブレンド
気虚タイプ(疲れやすい)
ブレンド:ハイビスカス×ナツメ×はちみつ
- ハイビスカス:小さじ1
- ナツメ(乾燥):2〜3個
- 熱湯:200ml
- 10分蒸らして、はちみつを加えます
効果
- 気を補い、疲労を回復します
- ナツメが脾を補い、エネルギーを作ります
- 優しい甘味で飲みやすいです
陰虚タイプ(乾燥しやすい)
ブレンド:ハイビスカス×ローズヒップ×枸杞の実
- ハイビスカス:小さじ1/2
- ローズヒップ:小さじ1
- 枸杞の実:5〜6粒
- 熱湯:200ml
- 10分蒸らします
効果
- 潤いを補いながら、疲労を回復します
- 目の疲れにも効果的です
- 美肌効果もあります
気滞タイプ(ストレスが多い)
ブレンド:ハイビスカス×ローズ×レモングラス
- ハイビスカス:小さじ1
- ローズ(花びら):小さじ1/2
- レモングラス:小さじ1/2
- 熱湯:200ml
- 5分蒸らします
効果
- 気を巡らせ、ストレスを軽減します
- 心を落ち着かせます
- リラックスしながら疲労回復します
瘀血タイプ(血の巡りが悪い)
ブレンド:ハイビスカス×ローズ×サフラン
- ハイビスカス:小さじ1
- ローズ:小さじ1/2
- サフラン:2〜3本
- 熱湯:200ml
- 5分蒸らします
効果
- 血の巡りを良くします
- 生理痛、肩こりを改善します
- 疲労回復と美肌効果があります
運動後の疲労回復ブレンド
ブレンド:ハイビスカス×ローズヒップ×レモン×はちみつ
- ハイビスカス:小さじ1
- ローズヒップ:小さじ1
- レモンスライス:1枚
- 熱湯:200ml
- 10分蒸らして、冷やします
- はちみつを加えます
効果
- クエン酸とビタミンCで疲労回復
- 水分とミネラル補給
- 抗酸化作用で筋肉のダメージ軽減
夏バテ回復ブレンド
ブレンド:ハイビスカス×レモングラス×ミント×黒糖
- ハイビスカス:小さじ1
- レモングラス:小さじ1/2
- ミント:小さじ1/2
- 熱湯:200ml
- 5分蒸らして、冷やします
- 黒糖を加えます
効果
- 暑さによるだるさを解消
- 食欲を増進
- 気分をリフレッシュ
まとめ
ハイビスカスの疲労回復効果は、酸味成分(クエン酸・リンゴ酸・ハイビスカス酸)と抗酸化成分(アントシアニン)によるものです。クエン酸がエネルギー代謝を活性化し、疲労物質の代謝を助け、アントシアニンが活性酸素を除去して細胞のダメージを軽減します。
薬膳では、ハイビスカスは涼性・酸味の性質を持ち、「収斂」と「生津」の作用があります。暑さで汗をかきすぎた時に体の潤いを保ち、涼性の清熱作用で体の火照りやほてりをクールダウンします。夏バテや食欲不振に最適です。
仕事の合間の頭の疲れ、運動後のクエン酸チャージ、暑い日のだるさやむくみに効果的です。カフェインゼロなので時間を選ばず、誰でも安心して飲めます。
酸味が苦手な人は、はちみつ、黒糖、ローズヒップと組み合わせると飲みやすくなります。朝、午後、運動後など目的別に飲むタイミングを選び、1日2〜3杯を目安にします。
冷え性の人は生姜やシナモンなど温め食材と組み合わせ、胃が弱い人は薄めに淹れて食後に飲み、低血圧の人は量を控えめにするなど、体質に合わせた飲み方が大切です。
ローズヒップとのブレンドで美肌効果が高まり、レモングラスやミントとのブレンドで爽やかさが増します。体質別の薬膳ブレンドを活用すれば、疲労回復効果がさらに高まります。
今日から、ハイビスカスティーを日常に取り入れて、酸味の力で疲れを癒し、暑い季節も元気に乗り切りましょう。鮮やかなルビーレッドの色と爽やかな酸味が、あなたの体と心をリフレッシュしてくれます。
