「薬膳って中国料理のイメージがあるけど、和食と組み合わせることはできるの?日本人の体質に合った薬膳の取り入れ方を知りたい!」
薬膳は中国発祥の食事療法ですが、実は和食との相性が抜群に良いことをご存知でしょうか。
日本の気候風土や日本人の体質に合わせた薬膳は、より効果的で続けやすい健康法になるのです。
・薬膳と和食を融合させるメリットが知りたい
・和食で薬膳を実践する具体的な方法を教えてほしい
・日本人に合った薬膳の取り入れ方を知りたい
など、薬膳と和食の融合について知りたいこともあるでしょう。
そういうわけで今回は、『薬膳とは何か』という基本から、『和食との融合によるメリット』、そして『具体的な実践方法』まで詳しくお伝えしていきます。それでは早速みていきましょう!
薬膳とは?基本の考え方を理解しよう

薬膳とは、中医学の理論に基づいた食事療法のことです。
体質や体調、季節に応じて食材を選び、体のバランスを整えることで健康維持や病気予防を目指します。約3000年前に中国で生まれ、長い歴史の中で発展してきた経験医学なのです。
薬膳の基本には「医食同源」という考え方があります。
これは、食べ物と薬の源は同じという意味で、毎日の食事が健康維持や病気予防につながるという思想です。実際、私たちが料理に使う生姜や大根、ネギなども漢方薬の成分として使われています。
また、薬膳では「未病を治す」ことを重視しているのが特徴。
未病とは病気ではないけれど何となく不調を感じる状態のことで、体がだるい、よく眠れない、手足が冷えるといった症状が該当します。薬膳では、この未病の状態を食事によって改善し、病気になる前に健康を維持していくのです。
薬膳の基本理論には、陰陽のバランスや気血水の巡り、五行思想などがあります。
これらの考え方を用いて食材の性質を理解し、体質や季節に合わせて組み合わせていきます。例えば、体を温める食材と冷やす食材を使い分けたり、季節ごとに適した食材を選んだりするのが薬膳の基本なのです!
なぜ薬膳と和食の融合が注目されるのか

薬膳は中国発祥の食事療法ですが、近年、和食との融合が大きく注目されています。
ここでは、なぜ薬膳と和食を組み合わせることが重要なのか、その理由をお伝えしていきます。
日本人の体質に合った薬膳が求められている
薬膳を日本人の生活に取り入れるには、日本人の体質に合わせることが大切です。
同じ人間でも民族によって体質が異なることがわかってきました。日本人は欧米の人より腸が1.2〜1.3倍長く、糖質の分解に関わるインスリンの量も半分しかないのです。
このような体質の違いを考えると、日本人に合った食を摂ることが健康長寿への秘訣といえます。
中国で発展した薬膳は、当然中国の気候や中国人の体質に合わせたもの。そのまま日本に持ち込んでも、必ずしも日本人に最適とは限りません。
そこで注目されているのが、日本の気候風土や日本人の体質に合わせた薬膳なのです。
また、日本には四季がはっきりしており、季節ごとに気候が大きく変化します。
梅雨の湿気や夏の蒸し暑さ、秋の乾燥、冬の寒さなど、日本特有の気候に合わせた食材選びが必要です。和食の食材や調理法は、日本の気候風土の中で長年培われてきたもの。
これを薬膳の考え方と組み合わせることで、より効果的な健康食が生まれるのです!
和食は薬膳と相性が良い
実は、和食の基本的な考え方は薬膳ととても相性が良いのです。
和食では旬の食材を大切にし、素材の味を活かした調理を心がけます。これは薬膳の「食材本来の力を活かす」という考え方と一致しているのです。
また、和食には発酵食品が多く使われています。
味噌、醤油、納豆、漬物などの発酵食品は、腸内環境を整え免疫力を高める効果が期待できるもの。中医学でいう「脾(消化器系)の働きを助ける」食材に該当し、薬膳的にも理にかなっているのです。
さらに、和食の一汁三菜という食事スタイルも薬膳と相性が良いといえます。
主食、主菜、副菜、汁物をバランスよく組み合わせる和食の基本は、様々な食材の効能を取り入れるという薬膳の考え方に通じるもの。だしを活かした繊細な味付けも、食材本来の性質を損なわない薬膳の理念に合致しています。
このように、和食と薬膳は根本的な考え方が似ているため、自然に融合できるのです!
毎日続けやすい親しみやすさ
薬膳と和食の融合が注目される最大の理由は、毎日続けやすいという点にあります。
中国料理としての薬膳は、日本人にとって特別な食事という印象が強く、日常的に取り入れにくいと感じる方も多いでしょう。ですが和食ベースの薬膳なら、普段の食卓に自然に取り入れられます。
例えば、いつもの味噌汁にネギを多めに入れるだけでも薬膳的な工夫になります。
煮物に体を温める根菜類を使ったり、魚料理に大葉を添えたりするのも立派な薬膳実践です。特別な食材や難しい調理技術がなくても、和食の基本に薬膳の知恵を加えるだけで健康効果が高まります。
また、日本人の味覚に合った味付けであることも重要なポイント。
どんなに健康に良くても、味が合わなければ続けられません。和食ベースの薬膳なら、慣れ親しんだ味わいで無理なく続けられるのです。
薬膳を特別なものではなく、日々の食卓の一部として取り入れられることが、和食との融合の大きなメリットといえるでしょう!
和食薬膳の実践方法

ここからは、和食で薬膳を実践する具体的な方法をご紹介していきます。
難しく考える必要はなく、普段の和食にちょっとした工夫を加えるだけで薬膳になるのです。
旬の食材を意識的に選ぶ
和食薬膳を実践する第一歩は、旬の食材を意識的に選ぶことです。
日本には四季があり、季節ごとに旬を迎える食材があります。実は、これらの旬の食材には、その季節に必要な効能が自然と備わっているのです。
春には、たけのこや菜の花、ふきのとうなどの山菜が旬を迎えます。
これらには苦味があり、冬の間に体にたまった老廃物を排出するデトックス効果が期待できます。中医学では春は肝の働きが活発になる季節なので、肝の機能を高める苦味のある食材が適しているのです。
夏には、きゅうりやトマト、なす、スイカなど水分が多く体を冷やす食材が旬を迎えます。
暑い季節に体の熱を取り除き、水分を補給するのに最適な食材ばかり。梅雨時期には、体の余分な水分を排出する小豆やはと麦を取り入れるのも効果的です。
秋には、梨や栗、さつまいも、きのこ類が旬を迎えます。
これらは体に潤いを与え、乾燥から守ってくれる食材です。そして冬には、大根やネギ、ほうれん草、白菜など体を温める食材が豊富に。
このように、地元の市場や物産館で季節の農産物を選ぶだけで、自然と薬膳を実践できているのです!
和食の定番料理に薬膳の知恵を加える
和食の定番料理に薬膳的な工夫を加えることで、より健康効果の高い食事になります。
実は、日本の伝統的な食べ合わせには、すでに薬膳の知恵が活きているものも多いのです。例えば、冷奴に生姜を添える習慣は理にかなった組み合わせ。
豆腐は体を冷やす性質があるため、体を温める生姜を加えることでバランスを取っています。
刺身にわさびと大葉を添えるのも同じ理由です。生の魚は体を冷やしやすいため、体を温め解毒作用のあるわさびと大葉を一緒に食べることで、その作用を和らげられます。
味噌汁も薬膳を取り入れやすい料理の一つ。
味噌自体が発酵食品で消化を助ける働きがあり、具材の組み合わせ次第で様々な効能が期待できます。冷え性の方には、ネギや生姜を多めに入れた味噌汁がおすすめ。
疲れやすい方には、わかめと豆腐の味噌汁で気と血を補えます。
煮物も薬膳の考え方を活かしやすい料理です。
根菜類をたっぷり使った筑前煮は、体を温め気を補う効果が期待できる一品。鶏肉、人参、れんこん、ごぼうなど、どれも薬膳的に優秀な食材ばかり。
このように、和食の定番料理に食材の性質を意識して組み合わせるだけで、薬膳料理になるのです!
和の食材を薬膳的に活用する
日本の伝統的な食材には、薬膳的に優れた効能を持つものが数多くあります。
これらを意識的に取り入れることで、和食薬膳をより効果的に実践できるのです。まず、発酵食品は和食薬膳の強い味方。
味噌は消化を助け、体を温める働きがあります。
醤油も同様に消化を促進し、血行を良くする効果が期待できます。納豆は血液をサラサラにし、免疫力を高める優れた食材です。
これらの発酵食品は、中医学でいう「脾」の働きを助け、気を補う効果があるとされています。
海藻類も和食に欠かせない薬膳食材。
わかめは体の余分な熱を取り除き、むくみを解消する働きがあります。昆布は気を補い、消化を助ける効果が期待できる食材。
ひじきは血を補い、髪や肌の健康を保つのに役立ちます。
きのこ類も和食薬膳に最適な食材です。
しいたけは気を補い、免疫力を高める働きがあります。しめじやえのきは、コレステロールを下げる効果が期待できるもの。
まいたけは血糖値の上昇を抑える働きがあるとされています。
また、梅干しも立派な薬膳食材。
疲労回復を助け、食欲を増進させる効果があります。胃腸の調子が悪いときには、梅干しと生姜を使ったお粥が最適です。
このように、普段から使っている和の食材を薬膳的な視点で活用することが、和食薬膳実践の鍵なのです!
和食薬膳の具体的なレシピ例

ここからは、和食薬膳の具体的なレシピをいくつかご紹介していきます。
どれも普段の食材で作れる、シンプルで美味しい料理ばかりです。
体を温める和風薬膳スープ
冷え性の方におすすめなのが、根菜たっぷりの和風薬膳スープです。
大根、人参、ごぼう、れんこんなどの根菜類は、どれも体を温める性質を持っています。これらを一口大に切り、昆布と鰹節でとった出汁で煮込むだけで完成します。
仕上げに生姜のすりおろしを加えると、さらに温め効果がアップ。
味付けは味噌または醤油でシンプルに。根菜の甘みと出汁の旨味が効いた、体の芯から温まるスープになります。
冬の寒い日や、風邪のひき始めに特におすすめの一品です。
また、鶏肉と長ネギの和風スープもおすすめ。
鶏肉は気を補う働きがあり、長ネギは体を温め風邪予防に効果的な食材です。鶏むね肉を一口大に切り、斜め切りにした長ネギと一緒に出汁で煮込みます。
生姜のスライスも加えて、塩と醤油で味を整えれば完成です。
疲れやすい方や、体力が落ちていると感じるときに食べると良いでしょう!
消化を助ける和風薬膳粥
胃腸が疲れているときには、和風薬膳粥がぴったりです。
お粥は消化に良く、栄養の吸収率も高いため、薬膳では日常的に取り入れるべき健康食とされています。基本の白粥に、体調に合わせた食材をプラスしていきましょう。
梅干しと生姜の和風粥は、食欲不振のときに最適。
お粥を炊くときに千切りにした生姜を入れ、仕上げに梅干しをほぐして混ぜ込みます。梅干しの酸味が食欲を刺激し、生姜が胃腸を温めて消化を助けてくれるのです。
さっぱりとした味わいで、食べやすい一品。
また、わかめと豆腐の和風粥もおすすめです。
わかめは体の余分な熱を取り除き、豆腐は胃腸を潤す働きがあります。お粥が炊き上がったら、わかめと豆腐を加えて温め、塩で味を整えるだけ。
夏バテや体がほてっているときに食べると良いでしょう。
小豆粥も和食薬膳の定番です。
小豆には利尿作用があり、むくみの解消に効果的。お米と小豆を一緒に炊き込み、塩で味付けします。
体の余分な水分を排出したいときや、梅雨時期の湿気対策におすすめの一品です!
血行を促進する和風薬膳おかず
血の巡りを良くする和風薬膳おかずもご紹介していきます。
血行が悪いと、冷えや肩こり、肌荒れなど様々な不調につながります。和食の食材を活用して、血行促進効果のある料理を作りましょう。
ひじきと大豆の煮物は、血を補い巡りを良くする効果が期待できる一品。
ひじきは血を補う働きがあり、大豆は気を補う効果があります。これらを昆布出汁で煮て、醤油とみりんで味付け。
人参や油揚げを加えると、さらに栄養バランスが良くなります。
また、きのこと鶏肉の炒め煮もおすすめです。
しいたけ、しめじ、まいたけなどのきのこ類をたっぷり使い、鶏肉と一緒に炒めてから煮込みます。きのこは免疫力を高め、鶏肉は気を補う働きがあるため、疲労回復にも効果的。
生姜とにんにくを加えれば、血行促進効果がさらに高まります。
さらに、鮭と根菜の蒸し焼きも血行促進に良い料理です。
鮭は血を補い、体を温める効果があります。大根、人参、かぶなどの根菜類と一緒にフライパンで蒸し焼きにし、醤油と酒で味付け。
簡単に作れて栄養バランスも良い、和食薬膳の代表的なおかずといえるでしょう!
和食薬膳を続けるためのポイント

和食薬膳を日常生活に定着させるには、いくつかのポイントがあります。
無理なく続けられる方法を見つけることが、健康維持への近道です。
完璧を目指さず楽しむ気持ちで
和食薬膳を実践する上で最も大切なのは、完璧を目指さないことです。
薬膳の理論をすべて理解してから始めようとすると、ハードルが高く感じられて続きません。まずは、体を温める食材と冷やす食材を意識する、旬の食材を選ぶなど、シンプルなことから始めましょう。
毎食すべてを薬膳にする必要もありません。
1日1食、あるいは週に数回取り入れるだけでも十分効果は期待できます。例えば、朝食は普通の和食、夕食は薬膳を意識したメニューにするなど、自分のペースで無理なく続けられる方法を見つけてください。
また、美味しく食べることも忘れてはいけません。
健康のためといっても、美味しくなければ続けられないもの。和食薬膳の良いところは、日本人の味覚に合った味付けで、美味しく健康を目指せる点です。
楽しみながら食事をすることが、心身の健康につながっていきます!
季節の変化に敏感になる
和食薬膳を実践していく上で、季節の変化に敏感になることも大切です。
日本には四季があり、季節ごとに体調も変化します。春は肝の働きが活発になりストレスを感じやすく、夏は暑さで体力を消耗しやすい季節。
秋は乾燥で肌や呼吸器系のトラブルが起きやすく、冬は冷えから様々な不調が現れがちです。
このような季節特有の変化に合わせて、食材を選んでいくことが大切。スーパーや市場に行ったときは、旬の野菜や魚に注目してみてください。
旬の食材は、その季節にふさわしい性質を持つものが多くあります。
また、自分の体調の変化にも目を向けましょう。
今日は体が冷えているか、疲れているか、ストレスを感じているか。このように自分の状態を意識することで、必要な食材が自然とわかってきます。
日記をつけて、食事と体調の関係を記録してみるのもおすすめです!
家族や周りの人と共有する
和食薬膳を続けるコツとして、家族や周りの人と共有することも効果的です。
一人で実践するよりも、家族全員で取り組んだほうが続けやすく、食事の準備も楽になります。家族それぞれの体質や体調に合わせてメニューを考えることで、薬膳の知識も深まっていくでしょう。
また、和食薬膳の知識を友人と共有するのも良い方法です。
「最近こんな料理を作ってみた」「この食材が体に良いらしい」など、情報交換することで新しい発見があります。一緒に薬膳料理教室に通ったり、レシピを交換したりするのも楽しいはず。
SNSで和食薬膳の記録を発信するのもおすすめです。
作った料理の写真や、感じた効果などを投稿することで、モチベーションの維持につながります。同じように和食薬膳に取り組んでいる人とつながれば、励まし合いながら続けていけるでしょう。
健康は一人で作るものではなく、周りの人と支え合いながら育むもの。
和食薬膳を通じて、家族や友人との絆も深めていけると良いですね!
まとめ

今回は、薬膳とは何か、そして和食との融合についてお伝えしてきました。
薬膳とは中医学の理論に基づいた食事療法で、体質や体調、季節に合わせて食材を選び、健康維持や病気予防を目指すものです。中国発祥の薬膳ですが、日本の気候風土や日本人の体質に合わせた和食との融合が注目されています。
和食薬膳のメリットは、日本人の体質に合い、毎日続けやすいという点にあります。
和食の基本的な考え方は薬膳と相性が良く、旬の食材を大切にし、素材の味を活かした調理を心がける点が共通しているのです。発酵食品や海藻類、きのこ類など、和食に欠かせない食材は薬膳的にも優れた効能を持っています。
実践方法は、旬の食材を意識的に選び、和食の定番料理に薬膳の知恵を加えるだけ。
冷奴に生姜を添える、味噌汁にネギを多めに入れる、煮物に根菜類をたっぷり使うなど、普段の和食にちょっとした工夫を加えるだけで薬膳になります。特別な食材や難しい調理技術は必要ありません。
和食薬膳を続けるコツは、完璧を目指さず楽しむ気持ちで取り組むことです。
季節の変化に敏感になり、自分の体調を観察しながら食材を選んでいきましょう。家族や周りの人と共有することで、より楽しく続けられます。
今日から、普段の和食に薬膳の知恵を少しずつ取り入れてみてください。
旬の食材を選ぶ、体を温める食材を意識する、発酵食品を積極的に摂るなど、小さな工夫から始められます。和食と薬膳の融合によって、日本人に最適な健康食を楽しみながら、心身ともに健やかな毎日を送っていきましょう!



