「薬膳って興味があるけど、四性って何だろう……食材の選び方がよくわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
薬膳には、食材の性質を「温・熱・涼・寒」という4つの視点で捉えるという考え方があります。この四性を理解することで、自分の体調に合わせて食材を選べるようになります。
この記事では、四性の基本的な意味や強さの違い、さらに体の状態や季節に合わせた使い分けまで丁寧にお伝えしていきます。調理のポイントも取り上げるので、ぜひ最後まで読んでみてください!
四性(四気)とは何か?薬膳で考える基本の考え方

薬膳には「食べ物の性質」という考え方があり、その中でも基本的なものとして「四性」があります。
この四性がどんなものかを理解しておくことが、薬膳の入口になっています。まずはこちらの基本から見ていきましょう。
四性とは「寒・涼・温・熱」の4つの性質
四性とは、薬膳や東洋医学の考え方で「食材がどんな性質を持っているか」を表現するためのものです。
具体的には「寒」「涼」「温」「熱」という4つの性質で分けられます。
「寒」や「涼」には体を冷やす方向の性質があり、「温」や「熱」には体を温める方向の性質があります。
つまり、四性は「その食材を食べると体がどうなるか」という視点で分類されたものです。
四性と五性(平性)の違い
実は「四性」だけでなく「五性」という言葉も使われることがあります。
なぜかというと、「寒・涼・温・熱」の4つに加えて「平性」という性質がある食材も存在するからです。
平性とは、温めるでも冷やすでもない「ちょうどよいバランス」の性質のこと。
つまり「五性」は四性に「平性」を加えた5つの分類であり、平性の食材も薬膳では重要な存在です。
薬膳で四性を学ぶ意味
四性を知っておくことで「今の体調に合わせて何を食べればいいのか」がわかりやすくなります。
たとえば冷えを感じているときは温める性質の食材を選んだり、熱がある感覚がある場合は冷やす性質の食材を取り入れたりすることができます。
しかも、特別なものを用意する必要はなく、スーパーで手に入る食材の中にも四性に当てはまるものが多いです。
だからこそ、四性を知っておくことは日常の食事づくりに直結するポイントです。
温・熱・涼・寒の違い|強さと方向性で理解する

四性には「温め側」と「冷やす側」という方向性があり、さらに「強さの違い」もあります。
この強さと方向性を理解しておくと、食材の選び方がグッと分かりやすくなります。それぞれ見ていきましょう。
温と熱の違いは「温める力の強さ」
「温」と「熱」はどちらも体を温める方向の性質ですが、強さが異なります。
「温」には、じわじわと穏やかに体を温める性質があります。
一方で「熱」には、強く体を温める力があるとされています。
たとえば「温性」の食材であれば毎日取り入れても負担が出やすくないのに対し、「熱性」の食材は取り入れすぎると熱の症状が出る可能性があります。
涼と寒の違いは「冷ます力の強さ」
同様に「涼」と「寒」はどちらも体を冷やす方向ですが、強さに違いがあります。
「涼」には、穏やかに体を冷やす性質があり、「寒」には強く体を冷やす力があるとされています。
したがって、「寒性」の食材を冷えやすい体質の人が多く取り入れると、体の冷えが強まることがあります。
この強さの違いを理解しておくことが、食材の選び方の基本になっています。
四性は「冷やす側/温める側」で考える
まとめると、四性は大きく「冷やす側」と「温める側」という2つの方向性で捉えることができます。
冷やす側には「寒」と「涼」があり、温める側には「温」と「熱」があります。
まず「どちらの方向性か」を把握し、次に「強さがどのくらいか」を確認していくのが、四性を理解するための分かりやすい順番です。
四性は体の状態とセットで考える|寒証・熱証の基本

四性の食材を活用するためには「今の自分の体がどんな状態にある」かを把握しておくことが大切です。
ここでは「寒証」と「熱証」という基本的な状態について見ていきましょう。
寒証とはどんな状態か
寒証とは、体の中に「寒」や「冷え」の要素が強く出ている状態のことです。
具体的には、常に手足が冷えやすい、体を温めると体調が楽になりやすい、冷たいものを食べると胃が不調になりやすいといった状態が当てはまります。
さらに「エネルギーが少なめで疲れを感じやすい」という傾向も、寒証の方によく見られます。
熱証とはどんな状態か
熱証とは、体の中に「熱」や「熱がある」という要素が強く出ている状態のことです。
たとえば、顔や上半身がいつも熱い、喉や口が乾きやすい、体の中がむalheat に感じるといった状態がこれに当てはまります。
そのほか「水分をたくさん飲みたくなる」という傾向も、熱証の方によく見られます。
食材の性質と体の状態を合わせて判断する
食材の四性を活用するポイントは「体の状態と合わせて考えること」です。
たとえば「寒証」の方であれば「温」や「熱」の性質を持つ食材を意識的に取り入れると、体の冷えを和らげる方向へ働きます。
逆に「熱証」の方であれば「涼」や「寒」の性質を持つ食材を組み合わせると、熱の感覚を和らげる方向へ向かいます。
このように「体の状態」と「食材の四性」をセットで考えることが、薬膳の基本的なポイントです。
四性別・食材の代表例|まず覚えたい基本リスト

ここまで四性の考え方を見てきました。
次に「実際どんな食材がどの四性に当てはまるのか」という具体的な例を取り上げていきます。ぜひ参考にしてみてください!
寒性・涼性の代表的な食材
まず寒性の食材としては「トマト」「スイカ」「バナナ」「蛋白質が多い豆類」などが代表的です。
一方で涼性の食材としては「キュウリ」「レタス」「豆腐」「梨」などが当てはまります。
どちらも体を冷やす方向の性質を持っているが、寒性の方が冷やす力が強いという違いがあります。
したがって冷えやすい体質の方は、特に寒性の食材には注意が必要です。
温性・熱性の代表的な食材
温性の食材としては「鶏肉」「栗」「ニンジン」「オーツ麦」などが代表的です。
そして熱性の食材としては「ショウガ」「ニンニク」「チリペッパー」「羊肉」などが当てはまります。
温性は穏やかに温めるのに対し、熱性は強く温める力があるため、熱性の食材は少し量を控えめにしてみることが大切です。
平性の食材と、迷ったときの考え方
平性の食材には「お米」「卵」「ポーク」「大豆」「さまざまな野菜類」などがあります。
これらは体を温めるでも冷やすでもない「バランスの良い」性質を持っているため、毎日取り入れやすい食材です。
しかも「今の体調がよくわからない」と感じているときの食事の基盤にもなりやすい食材なので、迷った場合はまず平性の食材を中心にしてみてください!
調理で四性はどう変わる?加熱・生・香味の考え方

実は食材の四性は「調理の仕方」によっても変わることがあります。
この視点を知っておくと、食材の選び方がさらに幅広くなります。一緒に確認していきましょう。
加熱調理で冷やす性質は弱まる
薬膳の考え方では「加熱すると冷やす性質が弱まる」とされています。
たとえば「涼性」の食材であっても、炒めたり煮たりすることで冷やす力が落ちて、温める方向へ変わりやすくなります。
だからこそ冷えやすい体質の方が冷やす性質の食材を食べる場合は「加熱して食べる」という工夫が有効です。
生食・冷たい飲み物が体を冷やしやすい理由
生のままの食材や冷たい飲み物は、体を冷やすインパクトが大きい傾向があります。
なぜかというと「温度そのもの」と「食材の性質」という2つの冷やす要素が重なるからです。
特に冷えやすい体質の方や冬場は「生食や冷たい飲み物の量を減らす」という意識が、体調を整えるためのポイントになります。
香味野菜・香辛料が持つ温める力
ショウガやニンニク、ネギなどの香味野菜や香辛料には「温める力」があるとされています。
これらは少量であっても体を温める効果が出やすいため、食事にさりげなく添えるだけでも、温める方向へ働きやすくなります。
ただし取り入れすぎると「熱」になりすぎる場合もある。そのため少しずつ体の反応を確認しながら使うことが大切です。
体質・季節に合わせた四性の使い分け【次に知りたくなる視点】

最後に「実際にどう使い分ければいいのか」という視点を取り上げていきます。
体質や季節に合わせた考え方を見ていきましょう。
冷えやすい人が四性を使うときの注意点
冷えやすい体質の方が四性を活用する際には「冷やす性質の食材を取り入れすぎない」ことが基本です。
ただし「冷やす食材を一切食べない」のではなく「温める食材と組み合わせて食べる」という考え方が現実的です。
たとえば冷やす性質の野菜を食べる場合は加熱して食べたり、温める食材と一緒に組み合わせたりすることで、バランスを取ることができます。
夏・冬で四性の考え方をどう変えるか
季節によっても「体にとっていい食材」は変わっていきます。
冬は体を温める「温」や「熱」の性質を持つ食材を意識的に取り入れるのが自然です。
一方で夏は「涼」や「寒」の性質を持つ食材を組み合わせることで、体の熱を穏やかに冷やすことができます。
このように季節に合わせて四性の使い分けを変えていくことが、薬膳の自然なポイントです。
四性を使いすぎないためのバランス感覚
四性を意識しすぎて「温めるものばかり」や「冷やすものばかり」になると、逆に体のバランスが崩れる可能性があります。
だからこそ「平性の食材を基本にして、温め側や冷やす側を少しずつ添えていく」という考え方が無理なく続けやすいです。
少しずつ体の反応を見ながら調整していくことが、四性を長期的に活用するためのポイントです。
まとめ

本記事では薬膳の「四性」という考え方を踏まえて、食材の性質や選び方についてお伝えしてきました。
四性には「冷やす側」と「温める側」という方向性があり、さらに強さの違いもある。この視点に「今の体の状態」や「季節」を合わせて考えることで、自分に合う食材の選び方がわかっていきます。
まず「平性の食材を基盤にして、少しずつ四性を添えていく」という手軽なところから始めてみてください。無理せず続けていくことが、薬膳の楽しい入口になっています!




