「薬膳や中医学に興味があるけど、用語がたくさんで何から覚えればいいのかわからない……」と感じている方も多いのではないでしょうか。
薬膳には「陰陽」や「五味」など、独自の用語が多く、最初は難しく感じるのは自然なことです。ただ、これらの用語には「体系」があり、その流れを把握していると理解がグッとしやすくなります。
この記事では、薬膳や中医学の基本キーワードを分類ごとにまとめて紹介していきます。さらに「用語を実際の食事にどう落とし込むか」という視点も取り上げるので、ぜひ気軽に読んでみてください!
薬膳・中医学の用語一覧を読む前に知っておきたい全体像

用語を見ていきの前に、まず薬膳や中医学がどんな考え方の上に成り立っているかを把握しておくと、各用語の意味がつながりやすくなります。
この見出しでは、読み方や全体のポイントも一緒に見ていきます。
中医学・薬膳はどんな考え方で成り立っているか
中医学とは、中国に由来する伝統的な医学の考え方のことです。
その根本には「体は全体としてバランスを保っている」という視点があり、「何かのバランスが崩れると不調になる」という考え方の上で成り立っています。
薬膳はこの中医学の理論を「食事」に組み合わせた考え方であり、「食べ物の性質や味には体への作用がある」という視点を活用しています。
つまり薬膳の用語は、この「バランス」という考え方を具体的に表現するためのものです。
用語を「暗記」ではなく「分類」で理解する重要性
薬膳の用語は数が多いため、一つずつ暗記しようとすると途中で挫折しやすいです。
なぜかというと、用語には「グループ」があり、その中での位置づけを理解してこそ意味がわかるからです。
たとえば「陰」と「陽」は「性質の対立」という1つのグループに属し、「虚」と「実」は「量の多少」という別のグループに属しています。
したがって、「どのグループに属するか」を先に把握してから各用語を見ていくと、理解がスムーズになります。
この記事の使い方(辞書的に読む/順番に読む)
この記事には2つの読み方があります。
1つ目は「気になる用語を検索して読む」という辞書的な使い方です。特定の言葉の意味を確認したいときに役立ちます。
もう1つは「上から順に読んでいく」という読み方で、薬膳の考え方の流れを体系的に理解したいときに適しています。
どちらの読み方でも活用できるように構成されているため、自分に合う方法で読んでみてください!
【基本概念】陰陽・虚実・気血水に関する用語一覧

薬膳や中医学の用語には「基本的な概念」があり、それが他の用語の土台になっています。
ここでは「陰陽」「虚実」「気血水」という3つの基本的な概念に関する用語を見ていきます。
陰陽に関する基本用語(陰・陽・陰証・陽証 など)
「陰」と「陽」は中医学の最も基本的な考え方の1つです。
「陽」には「熱」「活動」「明るさ」という性質があり、「陰」には「冷え」「静止」「暗さ」という性質があるとされています。
さらに「陰証」とは「陰の性質が強く出ている状態」のこと、「陽証」とは「陽の性質が強く出している状態」のことです。
これらの用語は「体の状態がどちらに傾いているか」を捉えるためのポイントです。
虚実に関する基本用語(虚証・実証 など)
「虚」と「実」は「体の中のエネルギーや物質の量」を表現する用語です。
「虚証」とは「何かが足りていない状態」のこと、「実証」とは「何かが過剰にある状態」のことです。
たとえば「気虚」には「気が足りていない」という意味があり、「実証」には「何かが詰まっている」という意味があります。
つまり「足る」か「過剰」かという視点で体の状態を捉えるためのポイントです。
気・血・水(津液)に関する基本用語
中医学では「気」「血」「水(津液)」という3つの要素が体の中を循環しているとされています。
「気」には「エネルギー」や「活動力」のような役割があり、「血」には「栄養や体の中の液体」のような役割があります。
そして「水(津液)」には「体の中の水分やリンパのような液体」のような役割があるとされています。
これらの3つが「体の中の循環の基盤」を作っているとされるため、薬膳の用語の多くがこの3つに関連しています。
中医学の基礎を理解するための押さえどころ
ここまでの「陰陽」「虚実」「気血水」という3つが、中医学の基本的な用語の土台になっています。
これらの組み合わせによって「陰虚」や「気滞」のような応用的な用語が生まれていきます。
したがって、まずこの3つの意味を大きな視点で把握しておくことが、薬膳の用語全体を理解するための最も大切なポイントです。
【体質・証】気虚・気滞・血虚・瘀血・痰湿などの用語一覧

基本概念を踏まえた上で、次に「証」という用語について見ていきます。
「証」には「今の体の状態や体質」を表現するような用語が多いため、一緒に確認していきましょう。
気に関する証(気虚・気滞・気逆 など)
「気」に関する証には「気虚」「気滞」「気逆」などがあります。
「気虚」とは「気が足りていない状態」のこと。疲れやすい・元気が出やすくないような傾向が見られます。
「気滞」とは「気が詰まっている状態」のこと。イライラや体の中がすっきりしない感覚に関連しやすい状態です。
そして「気逆」とは「気が逆に流れている状態」のことで、頭や上半身に症状が出やすい傾向があります。
血に関する証(血虚・瘀血 など)
「血」に関する証には「血虚」や「瘀血」などがあります。
「血虚」とは「血が足りていない状態」のこと。顔色が出やすくない・体が乾きやすいような傾向に関連しやすいです。
一方で「瘀血」とは「血が詰まっている・うまく巡っていない状態」のことで、体の中にスラグが蓄まっているような視点で捉えられています。
この2つは「血の量」と「血の流れ」という異なる視点で理解するのがポイントです。
水に関する証(痰湿・水滞 など)
「水」に関する証には「痰湿」や「水滞」などがあります。
「痰湿」とは「体の中に余分な湿気や痰が蓄まっている状態」のこと。体が重く感じる・すっきりしない感覚に関連しやすい状態です。
「水滞」とは「体の中の水分がうまく巡っていない状態」のことで、むくみや体の重さに関連しやすい傾向があります。
つまり「水の巡り」がうまくいっているかどうかが、これらの証の見分けポイントです。
「証」とは何か?体質との違い
「証」とは「今の体の状態を中医学の視点で捉えた表現」のことです。
体質には「もともとの傾向」があるのに対し、証には「今現在の状態」という意味が強く込められています。
たとえば「気虚の体質」であっても「今は気が充実している」という証になることもあります。
このように「証」は「今の体」を読んでみるためのポイントであり、固定されたものではありません。
【五行・五臓】五行説と臓腑に関する中医学用語一覧

続いて「五行」と「五臓」という用語について見ていきます。
これらは中医学の「体の仕組み」を捉えるためのポイントで、薬膳にもつながっていきます。
五行(木・火・土・金・水)に関する用語
「五行」とは「木・火・土・金・水」という5つの要素で、宇宙や体の中のすべてを分類するためのものです。
それぞれの要素には「季節」や「臓器」「色」「味」などが対応されており、体の仕組みを見る際にも活用されています。
たとえば「木」には「春」や「肝」が対応し、「火」には「夏」や「心」が対応するように、組み合わせのパターンがあります。
この組み合わせを把握しておくと、五行に関連する他の用語もつながりやすくなります。
五臓(肝・心・脾・肺・腎)と六腑の基本用語
「五臓」とは「肝・心・脾・肺・腎」という5つの臓器のことです。
中医学では、これらの臓器それぞれが体の中で独自の役割を担っているとされています。
さらに「六腑」には「胃・大腸・小腸・膀胱・胆・三焦」という6つの臓器があり、五臓と組み合わせて捉えるのが基本です。
つまり「五臓六腑」という表現は「体の中の臓器全体」を指す言葉です。
五行と五臓の関係をどう理解すればよいか
五行と五臓には「対応関係」があり、「木=肝」「火=心」「土=脾」「金=肺」「水=腎」のように組み合わせられています。
この対応関係は「絶対に正確」というよりも「体の仕組みを考えるためのヒント」として理解しておくのが自然です。
ただし「五味」や「四性」など他の薬膳の用語とも組み合わせて使われるため、大きな組み合わせの流れを覚えておくことは、薬膳を深く理解するためのポイントです。
【薬膳理論】五味・五性・帰経・弁証施膳などの用語一覧

ここまでの基本概念を踏まえた上で、今度は「薬膳に特有の理論」に関する用語を見ていきます。
これらは実際の食事づくりに直結するポイントです。
五味(酸・苦・甘・辛・鹹)に関する用語
「五味」とは「食材の体への作用」を「酸・苦・甘・辛・鹹」という5つで分類するためのものです。
それぞれに「体への独自の作用」があり、さらに「五臓」との対応関係もあります。
たとえば「甘」には「補う」という作用があり「脾」に対応し、「辛」には「巡らせる」という作用があり「肺」に対応しています。
つまり五味は「食材の味」と「体の臓器」をつなぐ視点です。
五性(寒・涼・平・温・熱)に関する用語
「五性」とは「食材が体を温めるか冷やすか」という性質を5つに分類するためのものです。
「寒」と「涼」には体を冷やす方向の性質があり、「温」と「熱」には体を温める方向の性質があります。
そして「平」には「温めるでも冷やすでもない」バランスの取れた性質があるとされています。
この五性は「四性」に「平性」を加えた分類であり、薬膳の食材選びの基本になっています。
帰経とは何か?どこに作用するかの考え方
「帰経」とは「その食材がどの臓器や経絡に働きかけるか」を表現するためのものです。
たとえば「肝に帰経する食材」には「肝の働きに関係する」という意味があります。
これによって「食材をただ食べる」のではなく「体のどこに向けて食べているのか」という視点が加わります。
つまり帰経は「食材の狙いをより具体的にする」ためのポイントです。
弁証施膳とは?薬膳での使われ方
「弁証施膳」とは「証を見極めて、それに合わせた薬膳の食事を組み立てる」という考え方のことです。
つまり「今の体の状態(証)」を把握し「それに対応する食材や組み合わせを選んで食べる」という流れを表現した言葉です。
薬膳の実践には「闘いの無い」感覚で「今の体に合わせて食べていく」という視点があり、弁証施膳はその具体的な方法論です。
したがって弁証施膳は、薬膳を実践していくためのポイントの1つです。
用語を理解したあと、どう活かせばいいか【次に知りたくなる視点】

ここまで薬膳や中医学の基本キーワードを見てきました。
最後に「これらの用語を実際にどう使っていくか」という視点を取り上げていきます。
自分の体質や不調を用語でどう読み解くか
薬膳の用語を活用するためのポイントは「自分の体の状態を用語で捉えていくこと」です。
たとえば「常に体が冷えている」と感じる場合は「陽虚」や「寒証」という用語が当てはまりやすい。
さらに「体がすっきりしない」という感覚があれば「痰湿」や「気滞」という用語も確認してみる価値があります。
このように「今の体の状態」と「用語の意味」を合わせていくことで、自分の体の読み解き方がわかっていきます。
用語を食事・献立に落とし込む考え方
用語を理解した次のステップとして「食事の組み立て方」に活かすことが大切です。
たとえば「気虚」と感じる場合は「甘」の食材や「補う」性質を持つ食材を意識的に添えていくことが自然です。
さらに「五性」や「帰経」の視点も組み合わせると「体のどこに何を食べているのか」がより見えてきます。
つまり用語は「食事の根拠」になるポイントであり、献立づくりの幹になっていきます。
次に読むと理解が深まるテーマ(体質別・季節養生など)
薬膳の用語を把握した上で、次に深めていくと理解がさらに広がるテーマがあります。
たとえば「体質別の養生」には「今の自分の証に合わせた食事の組み合わせ」という視点があり、「季節養生」には「季節に合わせて体の調整をする」という視点があります。
これらのテーマを少しずつ取り入れていくことで、薬膳の理解がより体系的になっていきます。
用語の意味をある程度把握した上で、ぜひ次のステップとして興味のあるテーマを読んでみてください!
まとめ

本記事では薬膳や中医学の基本キーワードを「陰陽・虚実・気血水」「証」「五行・五臓」「薬膳理論」という分類に沿って紹介してきました。
これらの用語には「体の状態を捉える視点」や「食材と体のつながりを理解するポイント」がある。その体系を把握しておくことで、各用語の意味がつながりやすくなっていきます。
まず「気になる用語を1つ」から読んでみる手軽なところから始めてみてください。少しずつ理解を積み重ねていくことが、薬膳や中医学の楽しい入口になっています!


