「なんだかいつも疲れやすい……これって気虚なのかな、それとも血虚?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
薬膳や中医学には「気虚」と「血虚」という2つの状態があり、どちらも「エネルギーや栄養が足りていない」という共通点がありますが、実際の症状や対策は異なります。
この記事では、気虚と血虚の違いや見分け方、さらに薬膳での整え方や日常でできる工夫まで丁寧にお伝えしていきます。食材の選び方や生活のポイントも取り上げるので、ぜひ最後まで読んでみてください!
気虚・血虚とは?まずは違いと特徴を整理する

気虚と血虚は「何かが足りていない状態」という点では似ていますが、足りないものが異なります。
まずはそれぞれの特徴を整理して、違いを見ていきましょう。
気虚とはどんな状態か|エネルギー不足のサイン
気虚とは「気が足りていない状態」のことです。
気には「体を動かすエネルギー」や「活動する力」のような役割があり、それが不足すると疲れやすさや元気が出やすくないような症状が出てきます。
たとえば「朝起きてもだるい」「少し動いただけで疲れる」「声に力が入らない」といった状態が気虚に当てはまりやすい。
つまり気虚は「体のエネルギータンクが空に近づいている」という視点で捉えるとわかりやすいです。
血虚とはどんな状態か|栄養と潤い不足のサイン
血虚とは「血が足りていない状態」のことです。
血には「栄養を体の隅々まで届ける」や「体を潤す」という役割があり、それが不足すると乾きや栄養不足のような症状が出やすくなります。
たとえば「顔色が出やすくない」「肌や髪が乾きやすい」「目が疲れやすい」「眠りが浅い」といった状態が血虚に当てはまりやすい。
したがって血虚は「体の栄養と潤いが足りていない」という視点で捉えるのがポイントです。
気虚と血虚が混在しやすい理由
実は気虚と血虚は「混在しやすい」という特徴があります。
なぜかというと、気には「血を作る」という役割もあり、気が不足すると血も作られにくくなるからです。
逆に血が不足すると「栄養が体に届かない」ため、気を作るための土台が崩れてしまうこともあります。
このように気と血は「相互に影響し合っている」ため、どちらか一方だけの問題として捉えるよりも「両方に目を向ける」ことが大切です。
「疲れやすさ」と「血の不足」はどう見分ける?
気虚と血虚は「疲れやすい」という症状が共通するため、見分けが難しいと感じる方も多いです。
ただし「疲れ方の質」に注目すると、違いが見えてきます。
気虚の場合は「動く気力がない」「エネルギーが出ない」という疲れ方が多く、血虚の場合は「栄養が届いていない感じ」や「乾きや冷えを伴う疲れ」が多い。
つまり「どんな疲れ方か」を観察してみることが、見分けるためのポイントです。
あなたはどっち?気虚・血虚のセルフチェック

ここまで気虚と血虚の違いを見てきました。
次に「自分はどちらに当てはまるか」を確認できるセルフチェックを紹介していきます。参考にしてみてください!
気虚に多いチェック項目
気虚に当てはまりやすいチェック項目として、以下のようなものがあります。
「疲れやすい」「朝起きてもだるい」「声が小さくなりやすい」「息切れしやすい」「汗をかきやすい」「風邪をひきやすい」「胃腸が弱い」といった症状です。
さらに「食欲が出やすくない」や「体を動かす気力が湧かない」という傾向も、気虚の方によく見られます。
これらの項目に多く当てはまる場合は、気虚の可能性が高いです。
血虚に多いチェック項目
血虚に当てはまりやすいチェック項目には、以下のようなものがあります。
「顔色が出やすくない」「唇や爪の色が薄い」「肌や髪が乾きやすい」「目が疲れやすい」「眠りが浅い」「めまいやふらつきがある」「手足がしびれやすい」といった症状です。
そのほか「月経の量が少ない」や「月経周期が不安定」という傾向も、血虚の方に見られやすい。
これらの項目に多く当てはまる場合は、血虚の可能性が高いです。
両方当てはまる場合の考え方
セルフチェックをしていると「気虚にも血虚にも当てはまる」と感じる方もいます。
これは珍しいことではなく、実際に気虚と血虚が混在しているケースも多いです。
その場合は「どちらの症状がより強く出ているか」を観察してみると、優先順位が見えてきます。
無理にどちらか1つに決めるのではなく「今の体に合わせて両方を意識していく」という考え方が、薬膳の自然なポイントです。
まず優先して整えたいタイプの見つけ方
両方に当てはまる場合でも「まず何から取り組むか」を決めておくと、対策がスムーズになります。
一般的には「気虚が強い場合は気を優先的に補う」ことが推奨されています。なぜかというと、気には「血を作る」役割もあるからです。
ただし「月経に関連する症状が強い」や「乾きが特に目立つ」という場合は、血虚を優先的に整えていく方向も有効です。
まず「今一番困っている症状」を基準にして、優先順位を決めてみてください!
気虚・血虚はなぜ起こる?原因と生活習慣の関係

気虚や血虚が起こる背景には、日常の生活習慣が大きく関係しています。
ここでは、どんな要因が気虚や血虚を招きやすいのかを見ていきましょう。
気を消耗しやすい生活習慣とは
気を消耗しやすい生活習慣には「無理な活動」や「ストレス過多」といったものがあります。
たとえば「休む時間を取らずに働き続ける」や「常に緊張している状態が続く」といった生活は、気を大きく消耗させます。
さらに「不規則な食事」や「胃腸に負担がかかる食べ方」も、気を作る土台を崩しやすい要因です。
このように「気を使いすぎる」や「気を作れない」という状態が続くと、気虚になりやすくなります。
血が不足しやすくなる要因(食事・睡眠・月経など)
血が不足しやすくなる要因には「栄養不足」や「睡眠不足」といったものがあります。
たとえば「食事の量が少ない」や「栄養バランスが偏っている」という状態では、血を作るための材料が足りなくなります。
さらに「睡眠時間が短い」や「夜更かしが続く」という生活も、血を作る時間が確保できないため血虚につながりやすい。
そのほか「月経による血の消耗」も、血虚の大きな要因の1つです。
胃腸の弱さが気虚・血虚を招く理由
実は「胃腸の弱さ」が、気虚や血虚を招く根本的な原因になることがあります。
なぜかというと、中医学では「気も血も、胃腸で食べ物から作られる」とされているからです。
したがって胃腸が弱いと「食べ物をうまく消化できない」ため、気や血を作る材料が吸収されにくくなります。
このように「胃腸の働き」が気虚や血虚の土台になっているため、胃腸を整えることが最も基本的なポイントです。
冷えやストレスが与える影響
冷えやストレスも、気虚や血虚を悪化させやすい要因です。
冷えがあると「体の巡りが悪くなる」ため、気や血がうまく届かなくなります。
さらにストレスがあると「気の流れが詰まる」ため、気虚や血虚の症状がより強く出やすくなります。
つまり「冷えとストレス」は、気虚や血虚の「悪化要因」として捉えておくことが大切です。
薬膳でできる基本対策|気虚・血虚の整え方の原則

気虚や血虚の原因を見てきました。
次に「薬膳でどう整えていくか」という基本的な考え方を見ていきます。一緒に確認していきましょう。
補う前に大切な「脾胃(胃腸)を整える」考え方
気虚や血虚を整えるときに、まず大切なのが「脾胃(胃腸)を整える」ことです。
なぜかというと、胃腸が弱いまま補う食材を食べても、うまく吸収されないからです。
したがって「補う食材を取り入れる前に、胃腸の調子を整えておく」という順番が、薬膳の基本的な考え方です。
具体的には「消化しやすい食事を心がける」や「冷たいものを避ける」といった工夫が有効です。
気虚対策の基本|無理に動かさず温める
気虚を整えるための基本的な方針は「無理に動かさず、温めて補う」ことです。
気が不足している状態で激しい活動をすると、さらに気を消耗してしまいます。
したがって「休む時間を確保する」や「体を温める食材を取り入れる」という方向が、気虚を整えるためのポイントです。
そのうえで「気を補う食材」を少しずつ取り入れていくことが、自然な流れです。
血虚対策の基本|作る・巡らせる・消耗させない
血虚を整えるための基本的な方針は「作る・巡らせる・消耗させない」という3つです。
まず「血を作るための栄養を取り入れる」ことが大切で、次に「血がうまく巡るように冷えを防ぐ」ことも重要です。
さらに「血を消耗しすぎないように、無理な活動を避ける」という視点も必要になります。
この3つをバランスよく意識していくことが、血虚を整えるためのポイントです。
気虚と血虚が重なる場合の優先順位
気虚と血虚が重なっている場合は「どちらを優先するか」を考えておくとスムーズです。
一般的には「気を優先的に補う」ことが推奨されています。なぜかというと、気が充実すれば血も作られやすくなるからです。
ただし「血虚の症状が特に強い」という場合は、血を補う食材も並行して取り入れていく方向が有効です。
どちらか1つに決めるのではなく「両方を意識しながら、今の症状に合わせて調整していく」ことが大切です。
今日からできる!気虚・血虚を整える食材・食べ方

薬膳の基本的な考え方を踏まえた上で、今度は「具体的にどんな食材を食べればいいか」を見ていきます。
日常で取り入れやすい食材と食べ方を紹介していきます!
気を補う代表的な食材と食べ方
気を補う代表的な食材には「米」「山芋」「サツマイモ」「かぼちゃ」「鶏肉」「卵」「大豆」「きのこ類」などがあります。
これらは「消化しやすく、エネルギーを作る力がある」とされているため、気虚の方に適しています。
食べ方としては「温かい状態で食べる」や「よく噛んで食べる」といった工夫が、胃腸への負担を減らすためのポイントです。
さらに「一度にたくさん食べるのではなく、少しずつ分けて食べる」ことも、気虚の方には有効です。
血を補う代表的な食材と食べ方
血を補う代表的な食材には「レバー」「赤身の肉」「黒ごま」「ほうれん草」「ブロッコリー」「人参」「ナツメ」「クコの実」などがあります。
これらは「血を作る栄養が豊富」や「体を潤す性質がある」とされているため、血虚の方に適しています。
食べ方としては「冷やさずに食べる」や「油を適度に使って吸収を高める」といった工夫が有効です。
そのほか「鉄分やビタミンB群が豊富な食材を意識する」ことも、血を補うためのポイントです。
両方に配慮した食事の組み立て方
気虚と血虚の両方に配慮した食事を組み立てる場合は「気を補う食材」と「血を補う食材」を組み合わせていきます。
たとえば「米に黒ごまをかけて食べる」や「鶏肉とほうれん草を一緒に炒める」といった組み合わせが、両方を意識した食事です。
さらに「胃腸に負担がかからないように、消化しやすい調理法を選ぶ」ことも大切です。
このように「両方の視点を持ちながら、無理なく続けられる組み合わせ」を見つけていくことがポイントです。
忙しい人でも続けやすい簡単な工夫
忙しい日常の中でも、気虚や血虚を整える工夫はできます。
たとえば「朝ごはんにおにぎりとみそ汁を食べる」や「間食にナツメやクコの実を取り入れる」といった手軽な方法があります。
さらに「コンビニで卵や鶏肉を選ぶ」や「外食では温かいメニューを優先する」といった選択も、気虚や血虚を意識した工夫です。
完璧を目指すのではなく「少しずつ、できる範囲で」取り入れていくことが、長く続けるためのポイントです。
気虚・血虚が改善しないときの考え方【次に知りたくなる視点】

ここまで気虚や血虚の整え方を見てきましたが「なかなか改善しない」と感じる場合もあります。
最後に、そんなときに見直したいポイントを取り上げていきます。
寒熱のズレが影響しているケース
気虚や血虚を整えようとしても改善しない場合、「寒熱のバランス」がズレている可能性があります。
たとえば「体に熱がこもっている状態」で温める食材ばかり食べると、逆に不調が悪化することがあります。
逆に「体が冷えている状態」で冷やす食材を取り入れすぎると、気や血が作られにくくなります。
したがって「今の体が温めるべきか、冷ますべきか」という視点も合わせて確認してみることが大切です。
補いすぎ・刺激しすぎの注意点
気虚や血虚を整えようとして「補う食材」を取り入れすぎると、逆に胃腸に負担がかかることがあります。
なぜかというと、胃腸が弱い状態で補う食材を大量に食べても、うまく消化できないからです。
さらに「辛い食材」や「刺激の強い食材」を取り入れすぎると、気や血を消耗させてしまうこともあります。
つまり「補う量」や「刺激の強さ」にも注意を払いながら、少しずつ調整していくことが重要です。
食事以外で見直したい生活ポイント
気虚や血虚を整えるためには、食事だけでなく「生活習慣全体」を見直すことも大切です。
たとえば「睡眠時間を確保する」や「ストレスを減らす工夫をする」といった視点が、気や血を作るための土台になります。
さらに「無理な運動を避ける」や「冷えを防ぐために温かい服装を心がける」といった工夫も有効です。
食事と生活習慣の両方を意識していくことが、気虚や血虚を根本から整えるためのポイントです。
専門家に相談した方がよいサイン
気虚や血虚の対策を続けても改善しない場合や、症状が悪化している場合は、専門家に相談することも選択肢の1つです。
たとえば「極端な疲労感が続く」や「日常生活に支障が出ている」といった状態は、医療機関や漢方専門の薬局で相談する価値があります。
さらに「月経に関連する症状が強い」という場合も、婦人科や漢方医に相談してみることが有効です。
無理せず、必要なときには専門家の力を借りてみることも大切です!
まとめ

本記事では「気虚」と「血虚」という2つの状態について、違いや見分け方、そして薬膳での整え方をお伝えしてきました。
気虚には「エネルギー不足」、血虚には「栄養と潤い不足」という特徴がある。どちらも「胃腸を整える」ことが土台になり、そのうえで「補う食材」を少しずつ取り入れていくことが基本です。
まず「今の自分がどちらに当てはまるか」をセルフチェックで確認してみてください。そして無理せず、できる範囲で食事や生活習慣を調整していくことが、気虚や血虚を整えるための自然な入口になっています!
