「薬膳の寒熱って、結局どう使えばいいの?」
そんな疑問を抱いている方は少なくありません。薬膳では、食材を寒性・涼性・平性・温性・熱性という5つの性質に分類し、体調や季節に合わせて組み合わせることを大切にしています。
この記事では、寒熱の基本から組み合わせ方のルール、体調・季節別の具体例までお伝えしていきます。食材の性質を理解し、自分に合った食事を組み立てていきましょう!
薬膳でいう「寒熱」とは?食材の性質を理解する基本

薬膳における寒熱とは、食材が体に与える温度的な影響を表す概念です。
この考え方を理解することで、体を冷やしすぎたり温めすぎたりすることなく、バランスを保てるようになります。
ここでは、寒熱の5つの分類と、食材の性質がどう決まるのかをお話ししていきます!
寒性・涼性・平性・温性・熱性の違い
薬膳では、食材を寒性・涼性・平性・温性・熱性という5つの性質に分類します。
寒性の食材は、体を強く冷やす性質を持ちます。ゴーヤや緑豆、昆布などが該当し、体に熱がこもっているときや炎症があるときに効果的です。
涼性の食材は、体を穏やかに冷やす性質を持ちます。トマトやキュウリ、豆腐、緑茶などが代表例で、夏場や軽いほてりがあるときに適しているでしょう。
平性の食材は、体を極端に冷やしも温めもしない中立的な性質。米や卵、豚肉、キャベツなどが該当し、どんな体質の人でも取り入れやすいのです。
温性の食材は、体を穏やかに温める性質を持ちます。ネギやニラ、鶏肉、生姜などが代表例で、軽い冷えがあるときや秋冬に適しているでしょう。
熱性の食材は、体を強く温める性質を持ちます。羊肉やシナモン、唐辛子などが該当し、強い冷えがあるときや真冬に効果的です。
これらの分類は、食材が体に入った後、体をどう変化させるかを表したもの。温度そのものではなく、体に与える影響を示している点が重要といえるでしょう!
「体を冷やす・温める」はどう決まるのか
食材の寒熱は、長年の経験と観察によって決められてきました。
古代中国の医師たちは、食材を摂った後の体の反応を丁寧に観察し、どの食材がどんな影響を与えるかを記録してきたのです。たとえば、西瓜を食べると体が涼しくなる、生姜を食べると体が温まるといった経験が積み重ねられました。
また、食材の育つ環境や見た目も寒熱の判断材料になります。暑い地域で育つ食材は寒性や涼性になりやすく、寒い地域で育つ食材は温性や熱性になりやすい傾向があるのです。
色も一つの目安。赤やオレンジ、黄色といった暖色系の食材は温性になりやすく、緑や白、黒といった寒色系の食材は涼性や寒性になりやすいでしょう。
味も関連します。辛味は温める性質が強く、苦味は冷やす性質が強い傾向があります。甘味は平性が多く、酸味や鹹味(塩辛い味)は寒性や涼性が多いのです。
ただし、これらはあくまで傾向であり、例外も多く存在します。最終的には、長年の薬膳理論に基づいた分類を参考にすることが確実といえるでしょう!
食材の寒熱は体質や調理法で変わるのか
食材の基本的な寒熱は変わりませんが、調理法によって性質が変化することがあります。
加熱することで、食材の性質は温める方向に傾きます。たとえば、生のトマトは涼性ですが、加熱すると涼性の性質がやや弱まるのです。なぜなら、火を通すことで温める要素が加わるから。
逆に、生で食べると冷やす性質が強まります。キュウリやレタスなどは、もともと涼性ですが、生で食べることでさらに体を冷やす効果が強くなるでしょう。
また、香辛料や薬味を加えることでも性質は調整できます。涼性の食材に生姜やネギを加えれば、冷やす性質が和らぐのです。逆に温性の食材に酢や柑橘類を加えれば、温める性質が穏やかになります。
調理法では、煮込み料理や蒸し料理は体を温める方向に働きやすく、冷やして食べるサラダや和え物は冷やす方向に働きやすいでしょう。
ちなみに、体質によって食材の影響の受け方も異なります。冷え性の人が涼性の食材を食べると強く冷えを感じますが、ほてりやすい人が同じものを食べても心地よく感じるのです。
調理法や組み合わせを工夫することで、食材の寒熱を調整できる点も薬膳の魅力といえるでしょう!
なぜ寒熱の「組み合わせ」が重要なのか|体を整える考え方

薬膳では、単一の食材ではなく、組み合わせによってバランスを取ることを大切にします。
寒熱の組み合わせが適切であれば、体は自然と整いやすくなるのです。
ここでは、なぜ組み合わせが重要なのか、そして薬膳が目指す「中庸」という考え方をお伝えしていきます!
一方に偏ると起こりやすい不調
寒性や涼性の食材ばかりを摂ると、体が冷えすぎてしまいます。
冷えが進むと、手足が冷たくなる、お腹が冷える、下痢しやすくなるといった症状が現れるのです。なぜなら、体を温めるエネルギーである陽が消耗されるから。
さらに冷えが進むと、疲れやすくなる、やる気が出ない、顔色が悪くなるといった症状も出てきます。消化機能も弱まり、食欲不振や胃もたれを引き起こすでしょう。
逆に、温性や熱性の食材ばかりを摂ると、体に熱がこもりすぎます。のぼせる、ほてる、口が渇く、便秘になるといった症状が特徴的です。
さらに熱がこもると、イライラしやすくなる、口内炎ができる、ニキビや吹き出物が出やすくなるといった症状も現れます。体を潤す陰が消耗され、乾燥やほてりが悪化するのです。
このように、どちらか一方に偏った食事は、体のバランスを崩す原因になります。バランスを保つためには、寒熱の組み合わせを意識することが欠かせないといえるでしょう!
薬膳で大切にされる「中庸」という考え方
薬膳が目指すのは、極端に冷やすことでも極端に温めることでもなく、「中庸」という穏やかなバランスです。
中庸とは、どちらにも偏らない中立的な状態のこと。体が冷えすぎず温まりすぎず、自然な状態を保つことが健康の土台とされています。
なぜなら、体は本来、自分でバランスを取る力を持っているから。極端に冷やしたり温めたりすると、この自己調整機能が乱れてしまうのです。
中庸を保つためには、平性の食材を中心に、少しだけ温性や涼性の食材を加えるといった食事が理想的。たとえば、米(平性)を主食に、鶏肉(温性)と豆腐(涼性)を組み合わせた定食のようなイメージです。
また、季節や体調に応じて、温める方向や冷やす方向に少しだけ傾けることも中庸の考え方に含まれます。夏は涼性をやや多めに、冬は温性をやや多めにすることで、体が季節に適応しやすくなるでしょう。
中庸は「何もしない」ことではなく、「過不足なく調整する」こと。この視点を持つことが、薬膳を効果的に活用する鍵といえるでしょう!
寒熱を組み合わせて調整するという発想
薬膳では、寒熱を組み合わせることで、食事全体のバランスを調整します。
たとえば、体を強く冷やすゴーヤを食べるときは、温性の豚肉や生姜と一緒に炒めることで、冷やしすぎを防げるのです。逆に、温性の鶏肉を食べるときは、涼性の大根やキュウリを添えることで、温めすぎを避けられます。
この発想は、単一の食材の性質だけでなく、食事全体でバランスを取るという考え方。一つの料理が温める方向に傾いていても、他の料理で冷やす方向に調整すれば良いのです。
また、主菜・副菜・汁物という献立構成の中で、寒熱を分散させることも効果的でしょう。主菜が温性なら、副菜は涼性、汁物は平性といった具合に配置すれば、自然とバランスが整います。
さらに、調味料や薬味を使った微調整も可能。温める料理に酢やレモンを加えれば温めすぎを防げ、冷やす料理に生姜やネギを加えれば冷やしすぎを避けられます。
このように、寒熱の組み合わせは柔軟で実践的な方法。完璧を目指すのではなく、大きく偏らないよう調整することが大切といえるでしょう!
寒熱を調整する基本ルール|組み合わせの判断基準

寒熱を組み合わせる際には、いくつかの基本ルールがあります。
これらのルールを知ることで、日々の食事で迷わず寒熱を調整できるようになるのです。
ここでは、反対の性質を組み合わせる方法と、今の体調を基準に考えるポイントをお伝えしていきます!
反対の性質をどう組み合わせるか
寒熱を調整する最も基本的な方法は、反対の性質を組み合わせることです。
寒性や涼性の食材を使うときは、温性や熱性の食材を少し加えます。たとえば、涼性のキュウリを食べるときは、温性のネギや生姜と一緒に和えることで、冷やしすぎを防げるのです。
逆に、温性や熱性の食材を使うときは、寒性や涼性の食材を添えます。温性の鶏肉を煮込むときに、涼性のトマトを加えることで、温めすぎを避けられるでしょう。
ただし、反対の性質を組み合わせる際は、バランスに注意が必要。寒性の食材に少量の温性食材を加えるのは効果的ですが、同量を加えると性質が相殺されすぎて効果が薄れます。
基本は、主となる食材の性質を残しつつ、やや穏やかにする程度の組み合わせ。たとえば、涼性のトマトが主役なら、温性の生姜は薬味程度に加えるといった具合です。
また、極端に反対の性質を組み合わせるのも避けたいところ。寒性のゴーヤと熱性の唐辛子を大量に使うと、体が混乱してしまいます。涼性と温性、または寒性と温性といった、やや穏やかな組み合わせから始めることをおすすめします!
平性の食材を軸にする理由
寒熱の調整で迷ったときは、平性の食材を軸にすることが効果的です。
平性の食材は、体を極端に冷やしも温めもしないため、どんな体質の人にも合いやすいのです。なぜなら、平性は中庸に最も近い性質だから。
米や卵、豚肉、キャベツ、じゃがいも、人参といった平性の食材を主体にし、体調や季節に応じて温性や涼性の食材を少しずつ加えるという方法が、最もバランスを取りやすいでしょう。
たとえば、主食を米(平性)にし、主菜に豚肉(平性)、副菜にキャベツ(平性)と人参(平性)を使った料理を基本とします。そこに、冷えがあるときは生姜(温性)を加え、ほてりがあるときはキュウリ(涼性)を添えるといった調整です。
また、平性の食材は消化にも優しいため、胃腸が弱っているときにも適しています。体調が不安定なときや、どの体質か分からないときは、まず平性の食材を中心にした食事から始めてみると良いでしょう。
平性の食材を軸にすることで、大きく偏ることなく、穏やかに体を整えられます。薬膳初心者の方にも、この方法は特におすすめです!
「今の体調」を基準に考えるポイント
寒熱の組み合わせを考える際、最も重要なのは「今の体調」を基準にすることです。
体調は季節や環境、生活習慣によって日々変化します。昨日は冷えていても、今日はほてっているかもしれません。なぜなら、体は常に外からの影響を受けて変化しているから。
今の体調を見極めるには、いくつかのサインに注目します。まず、体温の感じ方。冷えを感じるなら温性を多めに、暑さやほてりを感じるなら涼性を多めにするのです。
次に、好みの温度。冷たい飲み物を欲するなら体に熱がこもっているサイン、温かい飲み物を欲するなら冷えているサインでしょう。
消化の状態も重要な手がかりです。下痢しやすいなら体が冷えている可能性が高く、便秘がちなら熱がこもっているかもしれません。
また、肌の状態や舌の色も参考になります。肌が乾燥して舌が赤いなら熱がこもっており、顔色が青白く舌が淡いなら冷えている可能性が高いのです。
これらのサインを総合的に判断し、今の体が求めている寒熱のバランスを見極めること。体の声を聞きながら、柔軟に調整することが薬膳の基本といえるでしょう!
体調・体質別に見る寒熱食材の組み合わせ例

寒熱の組み合わせは、体調や体質によって変える必要があります。
ここでは、冷えやすい人、ほてりやすい人、胃腸が弱い人向けの具体的な組み合わせ例をお伝えしていきます。
自分の体調に合った組み合わせを見つけてみてください!
冷えやすい人向けの寒熱バランス
冷えやすい人は、温性や熱性の食材を中心に、平性を組み合わせることが基本です。
主菜には、温性の鶏肉や鮭、エビなどを選びます。さらに温めたいときは、熱性の羊肉を取り入れるのも効果的でしょう。
副菜には、温性のニラやネギ、カボチャ、生姜などを使った料理を添えます。ただし、温性ばかりだと体に熱がこもりすぎる可能性があるため、平性の人参やキャベツも一緒に取り入れることが大切です。
主食は、平性の米を基本にしますが、もち米(温性)にすることで、さらに温める効果を高められます。汁物には、生姜やネギをたっぷり入れた味噌汁(平性の味噌)が適しているでしょう。
涼性や寒性の食材を使う場合は、必ず温性の食材と組み合わせます。たとえば、涼性の豆腐を使うなら、温性のネギや生姜を薬味に加えるといった工夫です。
また、調理法も重要。煮込み料理や鍋料理、温かいスープなど、加熱することで温める効果が高まります。生野菜や冷たい飲み物は控えめにすることをおすすめします!
ほてり・のぼせが出やすい人向けの組み合わせ
ほてりやのぼせが出やすい人は、涼性や寒性の食材を中心に、平性を組み合わせることが基本です。
主菜には、平性の豚肉や涼性の豆腐、白身魚などを選びます。鴨肉も涼性で、体の熱を冷ましながら栄養を補えるでしょう。
副菜には、涼性のトマトやキュウリ、ナス、セロリなどを使った料理を添えます。ただし、涼性ばかりだと体が冷えすぎる可能性があるため、平性のキャベツや人参も一緒に取り入れることが大切です。
主食は、平性の米を基本にし、涼性の小麦を使ったうどんやパスタを選ぶのも良いでしょう。汁物には、涼性のわかめや豆腐を使った味噌汁が適しています。
温性や熱性の食材を使う場合は、必ず涼性の食材と組み合わせます。たとえば、温性の鶏肉を使うなら、涼性のトマトと一緒に煮込むといった工夫です。
また、調理法も工夫が必要。蒸し料理やさっと炒めた料理、サラダなど、加熱しすぎない方法が適しています。辛い香辛料や揚げ物は控えめにし、酢やレモンを使った味付けを取り入れることをおすすめします!
胃腸が弱いときに意識したい寒熱調整
胃腸が弱っているときは、平性の食材を中心に、極端な寒熱を避けることが基本です。
なぜなら、胃腸が弱っているときに寒性や熱性の食材を摂ると、消化機能に負担がかかるから。まずは消化しやすい平性の食材で胃腸を整えることが優先されます。
主菜には、平性の豚肉や卵、白身魚などを選びます。調理法は、煮る・蒸すといった優しい方法が適しているでしょう。
副菜には、平性のキャベツや人参、じゃがいもなどを柔らかく煮た料理を添えます。温性のカボチャも消化に優しく、胃腸を温めて機能を助けてくれるのです。
主食は、平性の米を基本にし、お粥にすることでさらに消化しやすくなります。温性のもち米を使ったお粥も、胃腸を温めながら栄養を補えるでしょう。
避けたいのは、寒性のゴーヤや緑豆、熱性の唐辛子やシナモンといった極端な性質の食材。また、生野菜や冷たい飲み物も胃腸に負担をかけるため、控えめにすることが大切です。
温かく消化の良い料理を中心に、穏やかな寒熱バランスを保つこと。胃腸が整ってきたら、少しずつ温性や涼性の食材を取り入れていくと良いでしょう!
季節で変える寒熱の組み合わせ|一年を通した整え方

季節によって、体が必要とする寒熱のバランスは変わります。
一年を通して体調を整えるには、季節に合わせた寒熱の組み合わせを意識することが大切です。
ここでは、夏・冬・梅雨や季節の変わり目における寒熱調整の考え方をお伝えしていきます!
夏に冷やしすぎないための組み合わせ
夏は暑さで体に熱がこもりやすいため、涼性の食材を取り入れたくなります。
しかし、涼性ばかりを摂ると、かえって体が冷えすぎてしまうことがあるのです。なぜなら、夏は冷房や冷たい飲み物によって、体の内側が冷えていることが多いから。
夏の寒熱調整では、涼性の食材を中心にしつつ、平性や少量の温性を組み合わせることが効果的。たとえば、涼性のトマトやキュウリのサラダに、温性のネギや生姜を薬味として加えるといった工夫です。
また、夏野菜は涼性が多いですが、加熱することで冷やしすぎを防げます。涼性のナスを温性の生姜と一緒に炒めたり、涼性のズッキーニを煮込み料理に使ったりすることで、穏やかな涼しさを保てるでしょう。
冷たい飲み物ばかりではなく、温かいお茶や常温の飲み物も取り入れることが大切。特に冷房の効いた部屋で過ごすことが多い人は、体の内側を温める意識を持つことが重要です。
夏だからといって冷やしすぎず、外の暑さと内側の冷えのバランスを取ることが、夏の寒熱調整の鍵といえるでしょう!
冬に温めすぎないための考え方
冬は寒さで体が冷えるため、温性や熱性の食材を取り入れたくなります。
しかし、温性ばかりを摂ると、暖房の効いた部屋では体に熱がこもりすぎることがあるのです。特に現代は、暖房設備が整っているため、昔ほど極端に体を温める必要はありません。
冬の寒熱調整では、温性の食材を中心にしつつ、平性や少量の涼性を組み合わせることが効果的。たとえば、温性の鶏肉の鍋に、涼性の白菜や豆腐を加えることで、温めすぎを防げます。
また、冬野菜には平性や温性が多いため、これらを基本にしつつ、根菜類を中心に取り入れると良いでしょう。温性の生姜やネギは薬味程度に使い、主菜や副菜では平性の食材も意識的に取り入れます。
暖房の効いた室内で過ごすことが多い人は、温性の食材を控えめにし、平性を中心にした食事がおすすめ。逆に、外仕事が多く寒さに晒される人は、温性をしっかり取り入れることが大切です。
冬だからといって温めすぎず、自分の生活環境に合わせて寒熱を調整することが、冬の寒熱調整の鍵といえるでしょう!
梅雨・季節の変わり目に意識したい寒熱調整
梅雨や季節の変わり目は、気温や湿度が不安定で、体調を崩しやすい時期です。
梅雨時期は湿度が高く、体内に余分な水分が溜まりやすくなります。この時期は、水分代謝を整える食材を中心に、寒熱は平性を基本とすることが効果的でしょう。
ハトムギや小豆、冬瓜といった利水作用のある食材を取り入れつつ、温性の生姜や平性の米を組み合わせます。湿気で体が重だるいときは、温性の食材で体を温めて代謝を促すことも大切です。
季節の変わり目は、気温の変動が激しく、体がどちらの寒熱を必要としているか判断が難しい時期。この時期は、平性の食材を中心にし、日々の体調に合わせて温性や涼性を少しずつ加える柔軟な対応が求められます。
春から夏への変わり目では、少しずつ涼性を増やし、秋から冬への変わり目では、少しずつ温性を増やすといった調整です。急激に切り替えるのではなく、徐々にシフトすることで、体が季節の変化に適応しやすくなるでしょう。
また、季節の変わり目は気の巡りが乱れやすいため、気を巡らせる柑橘類やシソなどを取り入れることもおすすめ。寒熱だけでなく、気血水のバランスも意識することが、この時期の体調管理の鍵といえるでしょう!
寒熱の組み合わせで注意したいポイントとよくある誤解

寒熱の組み合わせを実践する際、いくつか注意したいポイントがあります。
また、よくある誤解を解いておくことで、より効果的に薬膳を活用できるのです。
ここでは、寒熱の組み合わせで陥りやすい誤解と、無理なく続けるための考え方をお伝えしていきます!
「温めれば良い」「冷やせば良い」という誤解
寒熱の考え方で最も多い誤解が、「冷え性だから温めれば良い」「ほてるから冷やせば良い」というシンプルすぎる判断です。
実際には、冷え性の人でも体の一部に熱がこもっていることがあり、ほてりやすい人でも内臓が冷えていることがあります。なぜなら、体は部位によって寒熱のバランスが異なるから。
たとえば、手足は冷たいのに顔がほてるという「上熱下寒」の状態。この場合、単純に温めると顔のほてりが悪化し、単純に冷やすと手足の冷えが悪化してしまいます。
このような状態では、温性と涼性の両方を組み合わせ、全体のバランスを整えることが大切。下半身を温める食材(ニラやクルミ)と、上半身の熱を冷ます食材(セロリやキュウリ)を同時に取り入れるといった工夫が必要です。
また、「冷え性だから温性ばかり摂る」という極端な対応も逆効果。温めすぎると体に熱がこもり、かえって不調を招くことがあります。
大切なのは、体全体のバランスを見て、偏りすぎない組み合わせを心がけること。単純に温める・冷やすではなく、中庸を目指す視点が重要といえるでしょう!
組み合わせが合わないときのサイン
寒熱の組み合わせが体に合っていないときは、いくつかのサインが現れます。
冷やしすぎている場合、下痢や腹痛、手足の冷え、疲れやすさといった症状が出やすくなります。食欲が落ちる、消化不良が起こるといったサインも、冷えすぎのサインです。
逆に温めすぎている場合、のぼせや口の渇き、便秘、イライラといった症状が現れやすくなります。口内炎やニキビができやすくなる、肌が乾燥するといったサインも、熱がこもりすぎているサインでしょう。
これらのサインが出たときは、すぐに寒熱の組み合わせを見直すことが大切。冷やしすぎていると感じたら、涼性の食材を減らして平性や温性を増やします。温めすぎていると感じたら、温性の食材を減らして平性や涼性を増やすのです。
また、体調が不安定なときは、平性の食材を中心にした食事に戻すことをおすすめします。平性は体を極端に変化させないため、リセットするのに最適です。
体のサインを見逃さず、柔軟に調整することが、寒熱の組み合わせを上手に活用する秘訣といえるでしょう!
無理なく続けるための薬膳の考え方
薬膳の寒熱を完璧に実践しようとすると、かえってストレスになることがあります。
大切なのは、完璧を目指すのではなく、大きく偏らないよう意識すること。毎食すべての寒熱を計算する必要はなく、1日単位、または1週間単位でバランスを取れば十分です。
たとえば、朝食で涼性の食材を多く摂ったなら、昼食や夕食で温性を少し多めに取り入れるといった調整。または、平日は忙しくてバランスを取れなくても、週末にゆっくり調整すれば良いのです。
また、寒熱の知識がなくても、体の声を聞くことが最も重要。冷たいものが欲しいときは体が熱がこもっているサイン、温かいものが欲しいときは体が冷えているサインです。
難しく考えすぎず、「今日は少し冷えているから温かいものを食べよう」「昨日は温める料理が多かったから、今日は涼しげなサラダにしよう」といった、ゆるやかな意識で十分。
薬膳は楽しみながら続けることが何より大切。無理なく、自分のペースで寒熱の組み合わせを取り入れてみてください!
まとめ

薬膳における寒熱とは、食材が体に与える温度的な影響を表す概念で、寒性・涼性・平性・温性・熱性の5つに分類されます。
寒熱の組み合わせが重要なのは、一方に偏ると体のバランスが崩れるから。薬膳が目指すのは、極端に冷やすことでも温めることでもなく、中庸という穏やかなバランスです。
組み合わせの基本ルールは、反対の性質を組み合わせる、平性を軸にする、今の体調を基準に考えること。体質や季節に合わせて寒熱を調整することで、体は自然と整いやすくなります。
ただし、「温めれば良い」「冷やせば良い」という単純な判断は避け、体全体のバランスを見ることが大切。組み合わせが合わないときは、体のサインを見逃さず柔軟に調整しましょう。
まずは平性の食材を中心にした食事から始め、少しずつ温性や涼性を組み合わせてみてください!





