薬膳で見るみかんと陳皮の効能|理気・健脾・化痰の働きと正しい使い方を徹底解説

「胃もたれが続いている」「体がなんとなく重だるい」「喉に痰が絡んで咳が止まらない」「ストレスで胸がつかえる感じがする」そんな悩みはありませんか?

これらの症状は、薬膳でいう「気滞(きたい)」「脾虚(ひきょ)」「痰湿(たんしつ)」が原因かもしれません。そして、これらを同時に改善できる優秀な食材が、私たちの身近にある「みかんの皮」、薬膳では「陳皮(ちんぴ)」と呼ばれる食材なのです。

普段捨ててしまいがちなみかんの皮が、実は果肉よりも薬効が高いとされており、薬膳や漢方の世界では古くから重宝されてきました。この記事では、陳皮とは何か、その効能、症状別の活用法、家庭での作り方、体質別の注意点、そしてみかん果肉との使い分けまで、徹底的にお伝えしていきます!

みかんの皮を捨てずに活用して、気血の巡りを整えた快適な毎日を手に入れていきましょう!

陳皮とは?みかんの皮が薬膳で重宝される理由

まずは、陳皮の基本を理解しましょう。

陳皮の五性・五味・帰経(辛温・脾胃肺)

陳皮の薬膳的性質を整理します。

五性:温性
→体を穏やかに温める。陽虚や気虚の人に適している

五味:辛味・苦味
→辛味は発散させ気を巡らせる。苦味は熱を冷まし燥湿(余分な湿を取り除く)する

帰経:脾、胃、肺
→脾(消化器系)、胃(消化器系)、肺(呼吸器系)に働きかける

主な働き

  • 理気(りき):気を巡らせ、滞りを解消する
  • 健脾(けんぴ):脾の働きを高め、消化吸収を改善する
  • 燥湿(そうしつ):余分な湿(水分・痰)を取り除く
  • 化痰(かたん):痰を取り除き、咳を改善する

性味の組み合わせの特徴

辛温+苦味という組み合わせが、陳皮の独特の効能を生み出します。

  • 辛味が気を巡らせ→滞りを解消
  • 温性が体を温め→湿を乾燥させる
  • 苦味が余分な湿を取り除く→痰を化する

陳皮は、気を巡らせながら湿を取り除く、二重の効能を持つ食材です!

生みかんと陳皮の違い|乾燥熟成で変わる性質

「陳皮」の「陳」とは「古い、熟成した」という意味。みかんの皮を乾燥・熟成させることで、性質が変化します。

生みかんの皮の性質

  • 「青皮(せいひ)」と呼ばれる(未熟な皮)
  • 性質:温性が強く、辛味が鋭い
  • 働き:理気作用が強いが、胃への刺激が大きい
  • 適している人:体力がある人、実証の人

陳皮(乾燥・熟成した皮)の性質

  • 熟したみかんの皮を乾燥・熟成させたもの
  • 性質:温性が穏やかになり、辛味が和らぐ
  • 働き:理気・健脾・燥湿・化痰が均衡良く発揮される
  • 適している人:体力が弱い人でも使いやすい

乾燥・熟成による主な変化

  • 辛味成分が揮発・変化→刺激が和らぐ
  • 苦味成分(ヘスペリジンなど)が凝縮→燥湿・化痰効果が高まる
  • 香気成分が変化→より深い香りになる
  • 水分が抜ける→成分が凝縮される

熟成期間と効果

  • 1〜2年:基本的な陳皮。日常使いに適している
  • 3〜5年:効能が安定し、使いやすくなる
  • 10年以上:最高品質の陳皮。希少で効能が最大化

家庭で作る場合は1〜2年の乾燥熟成で十分効果があります!

なぜ「皮」に薬効が集まるのか

みかんの果肉よりも皮の方が、薬効が高いとされる理由を見ていきます。

皮に集まる有効成分

  • ヘスペリジン(ビタミンP):毛細血管を強化し、血流を改善。抗炎症・抗酸化作用
  • リモネン:精油成分。気を巡らせる、リラックス効果、消化促進
  • フラボノイド:抗酸化作用、抗炎症作用、免疫力アップ
  • ペクチン:食物繊維。整腸作用
  • 精油(エッセンシャルオイル):リモネン、αピネンなど。気を巡らせる、抗菌作用

なぜ皮に集まるのか

  • 果実の表面を守るため:外敵(虫、菌、紫外線)から身を守るため、防御物質が皮に集中
  • 香り成分は揮発性:皮の精油腺に香気成分が詰まっている
  • フラボノイドは皮に多い:光合成に関係するため、外側に多く存在

薬膳的な説明

中医学では、植物の外側(皮・殻)は「散らす・巡らせる」作用があるとされています。

  • 皮は植物が外と内をつなぐ部分→気の出入りを調整
  • 香気が強い→気を巡らせる辛味の特徴と一致
  • 外敵から守る成分→体の防衛機能(衛気)を強化

皮には、果肉には含まれない多くの有効成分が凝縮されています!

陳皮の効能をわかりやすく解説|理気・健脾・燥湿・化痰とは

陳皮の4つの主要な効能を詳しく解説します。

理気とは?気の巡りを整える働き

「理気(りき)」とは、気の流れを整え、滞りを解消することです。

気滞が起こる原因

  • ストレス、感情の抑圧
  • 食べ過ぎ、飲みすぎ
  • 運動不足
  • 冷えや湿の影響

気滞の症状

  • お腹や脇腹の張り
  • ゲップやおならが多い
  • 胸のつかえ感
  • 喉に何か詰まった感じ(梅核気)
  • イライラ、気分の落ち込み
  • 生理前の乳房の張り(女性)

陳皮の理気作用

  • 辛味と芳香成分が気を動かす
  • 滞った気を上から下へ、または外へ散らす
  • 消化管のガスを排出する
  • 横隔膜の緊張を和らげる

特に、陳皮は「降気(こうき)」、つまり逆上した気を降ろす作用が特徴的。胃の気が上逆するゲップや吐き気にも効果的です。

理気は、陳皮の最も代表的な効能です!

健脾とは?胃腸を立て直す作用

「健脾(けんぴ)」とは、脾の働きを活性化させること。陳皮は、りんごや山芋とは異なるアプローチで脾を整えます。

陳皮が健脾に効く仕組み

  • 理気作用で消化管の滞りを解消→食べ物がスムーズに流れる
  • 温性で脾胃を温める→冷えによる消化機能低下を改善
  • 燥湿作用で余分な湿を取り除く→脾虚湿盛(湿が多い脾虚)に効果的

陳皮の健脾が向いている症状

  • 食欲不振(特に湿が原因の食欲不振)
  • 食後のお腹の張り
  • 消化不良
  • 下痢(湿が原因)
  • 吐き気

注意点

陳皮の健脾は、「補う(栄養を補充する)」タイプではなく、「整える(滞りを解消する)」タイプです。

  • 補うタイプの健脾食材:山芋、さつまいも、鶏肉、もち米
  • 整えるタイプの健脾食材:陳皮、大根、みかん

両方を組み合わせることで、より効果的な健脾ができます!

燥湿とは?余分な水分をさばく意味

「燥湿(そうしつ)」とは、余分な湿(水分・老廃物)を乾燥させ、取り除くことです。

痰湿が溜まる原因

  • 冷たい物の摂りすぎ
  • 甘い物、脂っこい物の食べ過ぎ
  • 胃腸の機能低下
  • 運動不足
  • 湿度の高い環境

痰湿の症状

  • 体が重だるい
  • むくみやすい
  • 痰が多い
  • 頭が重い、ぼーっとする
  • お腹がポッコリ
  • 舌苔が厚く白い

陳皮の燥湿作用

  • 温性が余分な湿を蒸発させる
  • 苦味が湿を乾燥させる
  • 脾を整えることで、水分代謝が改善される
  • 気を巡らせることで、滞った水分が動き出す

燥湿は、体の重だるさやむくみに悩む人に特に重要な効能です!

化痰とは?痰や粘りを取り除く働き

「化痰(かたん)」とは、痰(たん)を取り除くこと。薬膳でいう「痰」は、喉の痰だけでなく、体内の余分な粘り気のある物質全体を指します。

薬膳でいう「痰」とは

  • 有形の痰:喉や気管支に絡む実際の痰
  • 無形の痰:脂肪の蓄積、動脈硬化、結節、老廃物など

痰が生じる原因:

  • 燥湿ができていない→湿が溜まり、痰になる
  • 体が冷える→水分が滞り、痰になる
  • 気滞→水分代謝が滞り、痰になる

陳皮の化痰作用

  • 辛味が気を巡らせ→痰を動かす
  • 燥湿作用で湿を取り除く→痰の原因を断つ
  • 理気作用で気の流れを回復→痰の停滞を解消

化痰が向いている症状

  • 喉に痰が絡む
  • 咳が続く
  • 胸が重い
  • 食後に吐き気がする
  • 口の中が粘る

陳皮は、理気・健脾・燥湿・化痰の4つが連携して効果を発揮します!

どんな不調に向いている?症状別に見る陳皮の使いどころ

陳皮が効果的な症状別に、具体的な活用法をお伝えします。

胃もたれ・食欲不振がある場合

胃もたれや食欲不振は、気滞・脾虚・湿が原因のことが多く、陳皮が最も活躍する場面です。

おすすめの活用法

  • 陳皮茶を食前に飲む:理気作用が胃の働きを活性化し、食欲を増進
  • 食後に陳皮茶を飲む:消化を助け、胃もたれを解消
  • 料理に陳皮を加える:スープ、煮物、炒め物に少量入れる

組み合わせると良い食材

  • 生姜:胃を温め、消化を助ける。陳皮と生姜のお茶が定番
  • 大根:消化酵素が豊富。気を巡らせる
  • 山芋:脾を補い、消化を助ける
  • 梅干し:気を巡らせ、食欲を増進

陳皮と生姜のお茶レシピ

材料

  • 陳皮3〜5g
  • 生姜(薄切り)2〜3枚
  • 水300ml
  • 黒糖またははちみつ(お好みで)

作り方

  • 鍋に水、陳皮、生姜を入れて10〜15分煮出します
  • 黒糖またははちみつで甘みをつけて完成
  • 食前または食後に温かいうちに飲みます

胃もたれ・食欲不振には、陳皮茶が特効薬です!

むくみ・体の重だるさがある場合

むくみや体の重だるさは、痰湿が原因です。陳皮の燥湿・理気作用が効果的です。

おすすめの活用法

  • 陳皮茶を毎日飲む:燥湿・理気作用が余分な湿を取り除く
  • 食事に陳皮を加える:料理に少量入れることで、食事全体の燥湿効果が高まる
  • 陳皮と利水食材を組み合わせる:とうもろこし、小豆、冬瓜など

組み合わせると良い食材

  • とうもろこし(ひげも含む):利水効果が高い
  • 小豆:利水・補血
  • 冬瓜:利水・清熱
  • はとむぎ:燥湿・利水

陳皮ととうもろこしのひげ茶レシピ:

材料

  • 陳皮3g
  • とうもろこしのひげ(乾燥)5g
  • 水500ml

作り方

  • 鍋に水、陳皮、とうもろこしのひげを入れて10〜15分煮出します
  • こして飲みます
  • 1日2〜3回飲みましょう

むくみ・重だるさには、陳皮+利水食材のお茶がおすすめです!

咳・痰が絡むとき

咳や痰には、陳皮の化痰・理気作用が効果的です。

おすすめの活用法

  • 陳皮と梨のお茶:化痰しながら肺を潤す
  • 陳皮と生姜のスープ:温めながら痰を取り除く
  • 陳皮とはちみつのお湯割り:肺を潤しながら痰を取り除く

組み合わせると良い食材

  • 梨:潤肺・化痰。陳皮と梨のお茶が効果的
  • 大根:化痰・消食。陳皮と大根のスープ
  • はちみつ:潤肺・止咳。陳皮茶にはちみつを加える
  • 生姜:温肺・化痰。陳皮と生姜を一緒に煮出す

陳皮と梨のお茶レシピ

材料

  • 陳皮3g
  • 梨1/2個(薄切り)
  • はちみつ(お好みで)
  • 水300ml

作り方

  • 鍋に水、陳皮、梨を入れて10〜15分煮出します
  • はちみつで甘みをつけて完成
  • 温かいうちに飲みます

咳・痰には、陳皮+梨の組み合わせがおすすめです!

ストレスで胸や喉がつかえる感覚があるとき

ストレスで胸や喉がつかえる感覚は、「梅核気(ばいかくき)」と呼ばれる気滞の症状です。陳皮の理気作用が効果的です。

おすすめの活用法

  • 陳皮茶をゆっくり飲む:芳香成分がリラックスを促し、気の巡りを改善
  • 陳皮と香味野菜の料理:セロリ、春菊、三つ葉など、気を巡らせる食材と組み合わせる
  • 陳皮入りのお風呂:陳皮を布袋に入れてお風呂に入れると、芳香成分が気の巡りを助ける

組み合わせると良い食材

  • セロリ:気を巡らせる
  • 玉ねぎ:気を巡らせる
  • 柑橘類:気を巡らせる
  • 薔薇の花(ローズバッド):気を巡らせ、心を落ち着ける

陳皮とローズのブレンドティー:

材料

  • 陳皮3g
  • ローズバッド3〜5個
  • 水300ml

作り方

  • ポットに陳皮とローズバッドを入れ、熱湯を注ぎます
  • 5分蒸らして完成
  • ゆっくりと飲みましょう

ストレスで胸がつかえる時は、陳皮の芳香が気の流れを整えます!

陳皮の作り方と正しい使い方|量・タイミング・活用法

家庭でできる陳皮の作り方と活用法をお伝えします。

家庭でできる陳皮の作り方(洗浄・乾燥・保存)

自家製の陳皮を作る手順をご紹介します。

材料・道具

  • みかん(できれば無農薬または国産)の皮
  • 野菜洗い用の塩または重曹
  • 清潔なザル、乾燥ネット
  • 保存容器(蓋つき)

手順

洗浄(農薬除去):

  • みかんを流水でよく洗います
  • 塩または重曹を少量使い、皮の表面をやさしくこすります
  • 再度流水でよく洗い流します
  • 農薬が気になる場合は、重曹水(水1リットルに重曹大さじ1)に5分浸してから洗います

皮をむく

  • みかんの皮をむきます
  • 白い綿の部分(内果皮)は、苦みの原因になります。少し残してもOKですが、多すぎると苦みが強くなります

乾燥

  • 皮を清潔なザルや乾燥ネットに広げます
  • 日当たりが良く風通しの良い場所で、天日干しします
  • 夜は室内に取り込み、雨や湿気を避けます
  • 3〜7日程度で完全に乾燥します(カラカラになるまで)
  • 時間がない場合は、オーブン70℃で1〜2時間乾燥させる方法もあります

保存

  • 完全に乾燥したことを確認してから保存します
  • 密閉容器や保存袋に入れます
  • 冷暗所で保存:半年〜1年で使い切るのが目安
  • できれば毎年作り足して、古いものから使いましょう

ポイント

  • 完全に乾燥させないとカビが生えます
  • 農薬が気になる場合は、必ず国産または無農薬のみかんを使いましょう
  • 毎年冬にまとめて作ると便利です

自家製陳皮は、みかんの旬の冬に仕込んでおきましょう!

陳皮茶の基本レシピと目安量

最もシンプルな陳皮の活用法、陳皮茶の作り方をお伝えします。

基本の陳皮茶

材料

  • 陳皮3〜5g(乾燥状態で)
  • 水300〜500ml

作り方

  • 鍋に水と陳皮を入れます
  • 沸騰したら弱火にして10〜15分煮出します
  • こして飲みます
  • 温かいうちに飲みましょう

簡単なお湯出し法

  • マグカップに陳皮3gを入れます
  • 熱湯200mlを注ぎます
  • 蓋をして5〜10分蒸らします
  • そのまま(または茶こしでこして)飲みます

1日の目安量

  • 一般的な目安:3〜6g/日
  • 胃腸が弱い人:3g/日から始める
  • 体力がある人:5〜10g/日まで
  • 子ども:1〜2g/日

注意点

  • 摂りすぎると、胃への刺激や気の消耗が起こることがあります
  • 最初は少量(3g)から始め、様子を見ながら増やしましょう

陳皮茶は、毎日の習慣にするのがおすすめです!

スープ・煮物・デザートへの活用法

陳皮は、お茶だけでなく様々な料理に活用できます。

スープへの活用

  • 陳皮と鶏肉のスープ:陳皮3g+鶏肉+生姜+ねぎ。気を補いながら理気する
  • 陳皮と大根のスープ:陳皮3g+大根+生姜。胃もたれ解消に効果的
  • 陳皮と山芋のスープ:陳皮3g+山芋+なつめ。健脾補気に最適

煮物への活用

  • 陳皮を煮物の隠し味に:1〜2枚入れるだけで、料理全体に理気効果が加わる
  • 角煮やスペアリブに:陳皮を加えることで、脂っこさを和らげ、消化を助ける
  • 魚の煮付けに:臭みを取り除き、消化を助ける

陳皮と豚肉の角煮レシピ:

材料

  • 豚バラ肉500g
  • 陳皮5g
  • 生姜(スライス)
  • 醤油、酒、砂糖、水

作り方

  • 豚肉を一口大に切り、湯通しします
  • 鍋に豚肉、陳皮、生姜、調味料を入れて煮込みます
  • 1〜1.5時間煮込んで完成
  • 陳皮が脂っこさを和らげ、消化を助けます

デザートへの活用

  • 陳皮と白きくらげのデザートスープ:陳皮3g+白きくらげ+なつめ+はちみつ。潤しながら理気
  • 陳皮ゼリー:陳皮茶でゼリーを作る。夏のデザートに
  • 陳皮チョコレート:刻んだ陳皮をチョコレートに混ぜる

料理の幅を広げながら、陳皮の効能を日常的に取り入れましょう!

摂取するタイミング(食前・食後・就寝前)

陳皮を摂るタイミングによって、効果が変わります。

食前(30分前)

効果

  • 食欲を増進する
  • 消化を準備する
  • 気を巡らせ、胃腸を活性化

向いている症状

  • 食欲不振
  • 胃腸の動きが悪い

食後(30分〜1時間後):

効果

  • 消化を助ける
  • 胃もたれを解消する
  • ゲップやお腹の張りを改善

向いている症状

  • 胃もたれ
  • 食後のお腹の張り
  • ゲップが多い

就寝前(1〜2時間前):

効果

  • 一日のストレスや気の滞りを解消
  • リラックスして眠りやすくなる

向いている症状

  • ストレスが多い
  • 胸がつかえる
  • 眠れない

注意点

  • 陳皮は温性で、夜に飲みすぎると興奮して眠れなくなることがあります
  • 就寝前は少量(2〜3g)にとどめましょう
  • 空腹時に大量に飲むと、胃を刺激することがあります

症状に合わせて、摂取タイミングを選びましょう!

辛温性に注意?体質別の向き不向きと安全な取り入れ方

陳皮は優秀ですが、体質によって注意点があります。

熱証タイプ・胃酸過多の人の注意点

熱証タイプ(体に熱がこもっている)や胃酸過多の人は、陳皮に注意が必要です。

熱証タイプの症状

  • 顔が赤い、ほてる
  • 口が渇く
  • 便秘がち
  • イライラしやすい
  • 舌が赤く、舌苔が黄色い

なぜ注意が必要か:

陳皮は温性で、体をさらに温めてしまう可能性があります。また、辛味が胃を刺激し、胃酸の分泌を促すため、胃酸過多の症状が悪化することがあります。

対処法

  • 少量にする:1日2〜3g以下
  • 清熱食材と組み合わせる:梨、菊花、薄荷(ミント)など
  • 冷やしてから飲む:常温または軽く冷ましたお茶で
  • ほてりが悪化したらやめる

胃酸過多の人の場合

  • 食後に飲む:空腹時は避ける
  • 少量から試す:1〜2g/日から
  • 胃が荒れたらすぐにやめる

熱証・胃酸過多の人は、少量から慎重に試してみましょう!

乾燥体質・陰虚タイプへの配慮

陰虚(体を潤す成分が不足している)タイプの人は、陳皮の燥湿作用に注意が必要です。

陰虚の症状

  • 肌や喉が乾燥する
  • 手足がほてる
  • 寝汗をかく
  • 口や喉が渇く
  • 便秘がち

なぜ注意が必要か

陳皮の「燥湿」作用は、余分な湿を取り除く効能です。しかし、陰虚の人はすでに体液(陰液)が不足しているため、さらに燥湿すると乾燥が悪化する可能性があります。

対処法

  • 少量にする:1日2〜3g以下
  • 潤す食材と組み合わせる:白きくらげ、梨、はちみつ、豆乳など
  • 水分を十分に摂る:陳皮茶を飲む量を増やす(お茶自体が水分補給になる)
  • 乾燥症状が悪化したらやめる

おすすめの組み合わせ

  • 陳皮+はちみつ:理気しながら潤す
  • 陳皮+梨:化痰しながら潤肺
  • 陳皮+白きくらげ:理気しながら滋陰

陰虚タイプは、潤す食材と組み合わせて陳皮を使いましょう!

子ども・高齢者が使う場合の目安

子どもと高齢者は、量と使い方に注意が必要です。

子どもの場合

  • 1日1〜2g程度から始める
  • 薄めのお茶を少量飲む
  • お茶に少量の陳皮を入れる程度(料理の香り付けレベル)
  • 苦みが苦手な場合は、はちみつを加えて飲みやすくする
  • 胃腸の不調時(食欲不振、胃もたれ)に限って使うのが安心

高齢者の場合

  • 1日3〜5g程度が目安
  • 温かいお茶として飲む
  • 食後に少量飲む:消化を助け、胃もたれを予防
  • 薬を服用している場合は、医師や薬剤師に相談
  • 陳皮は消化を助けるため、高齢者の食欲不振に効果的

注意点

  • 子どもも高齢者も、最初は少量から試す
  • 体調の変化を観察する
  • 不調が出たらすぐにやめる

子ども・高齢者は、少量から慎重に使ってみましょう!

みかん本体との違いは?果肉と皮をどう使い分けるべきか

同じみかんでも、果肉と皮(陳皮)では性質が異なります。

みかん果肉の効能(甘味・生津作用)

みかん果肉の薬膳的性質

五性:涼性(温性という説もある、産地や品種による)
五味:甘味・酸味
帰経:脾、胃、肺

主な効能

  • 生津止渇(せいしんしかつ):体液を補い、喉の渇きを止める
  • 理気和胃(りきわい):気を巡らせ、胃を整える(皮には及ばないが)
  • 潤肺(じゅんぱい):肺を潤し、乾燥を改善する
  • 化痰(かたん):軽度の化痰作用がある
  • 補充ビタミンC:免疫力アップ、美肌

みかん果肉が向いている症状

  • 喉が渇く
  • 口内炎がある
  • 乾いた咳がある
  • 肌の乾燥
  • 軽度の気滞(軽い胃もたれ、軽い食欲不振)

果肉の注意点

  • 食べ過ぎると、痰湿を増やす可能性があります
  • 1日3〜5個が目安
  • 冷え性の人は食べ過ぎない

みかん果肉は、潤しながら軽く気を巡らせる穏やかな食材です!

陳皮との作用バランス

果肉と陳皮の作用を比較します。

項目 みかん果肉 陳皮(乾燥皮)
五性 涼性 温性
理気作用 弱い 強い
健脾作用 弱い 強い
燥湿作用 ない 強い
化痰作用 弱い 強い
生津作用 強い 弱い
潤肺作用 ある 弱い
向いている人 乾燥・喉の渇き 気滞・痰湿・湿

果肉と陳皮は、まったく異なる方向性の食材だといえます。

  • 果肉:潤す、補う方向性
  • 陳皮:巡らせる、取り除く方向性

この違いを理解した上で使い分けることが重要です。

果肉と皮を組み合わせるメリット

果肉と陳皮を組み合わせることで、相乗効果が生まれます。

組み合わせのメリット

  • 補う(果肉)+巡らせる(陳皮)=補いながら巡らせる理想的な組み合わせ
  • 潤す(果肉)+燥湿(陳皮)=バランスよく水分を調整
  • 涼性(果肉)+温性(陳皮)=平性に近い、穏やかな作用

果肉+陳皮が向いているケース

  • 気虚+気滞(疲れているのに気が滞っている)
  • 陰虚+痰湿(乾燥しているのに痰が絡む)
  • 乾燥+胃もたれ(喉は乾燥しているのに胃は重い)

具体的な組み合わせ方

  • みかんを食べながら、陳皮茶を飲む
  • みかんのスムージーに、少量の陳皮粉末を加える
  • みかんゼリーを陳皮茶で作る

「みかんは捨てるところがない」果肉も皮も、薬膳的に価値ある食材なのです!

まとめ

陳皮は、みかんの皮を乾燥・熟成させた薬膳食材で、温性・辛苦味の性質が脾・胃・肺に作用します。理気(気を巡らせる)・健脾(脾を整える)・燥湿(余分な湿を取り除く)・化痰(痰を取り除く)の4つの効能が、胃もたれ、食欲不振、むくみ、咳・痰、ストレスによる胸のつかえなど、幅広い症状に対応します。

家庭でも簡単に作れる陳皮は、1日3〜6gを目安に、陳皮茶として飲むのが最も手軽な活用法。食前に飲めば食欲を増進し、食後に飲めば消化を助け、就寝前に飲めばリラックス効果があります。スープ、煮物、デザートにも幅広く活用できます。

熱証・胃酸過多の人は少量から慎重に、陰虚タイプは潤す食材と組み合わせて使いましょう。

みかん果肉は「潤す・補う」方向性で、陳皮は「巡らせる・取り除く」方向性という違いを理解し、体質と症状に合わせて使い分けることが大切です。

みかんの旬である冬に皮を乾燥させて陳皮を作り、一年中活用していきましょう!