「胃もたれが続いている」「体がなんとなく重だるい」「喉に痰が絡んで咳が止まらない」「ストレスで胸がつかえる感じがする」そんな悩みはありませんか?
これらの症状は、薬膳でいう「気滞(きたい)」「脾虚(ひきょ)」「痰湿(たんしつ)」が原因かもしれません。そして、これらを同時に改善できる優秀な食材が、私たちの身近にある「みかんの皮」、薬膳では「陳皮(ちんぴ)」と呼ばれる食材なのです。
普段捨ててしまいがちなみかんの皮が、実は果肉よりも薬効が高いとされており、薬膳や漢方の世界では古くから重宝されてきました。この記事では、陳皮とは何か、その効能、症状別の活用法、家庭での作り方、体質別の注意点、そしてみかん果肉との使い分けまで、徹底的にお伝えしていきます!
みかんの皮を捨てずに活用して、気血の巡りを整えた快適な毎日を手に入れていきましょう!
陳皮とは?みかんの皮が薬膳で重宝される理由

まずは、陳皮の基本を理解しましょう。
陳皮の五性・五味・帰経(辛温・脾胃肺)
陳皮の薬膳的性質を整理します。
五性:温性
→体を穏やかに温める。陽虚や気虚の人に適している
五味:辛味・苦味
→辛味は発散させ気を巡らせる。苦味は熱を冷まし燥湿(余分な湿を取り除く)する
帰経:脾、胃、肺
→脾(消化器系)、胃(消化器系)、肺(呼吸器系)に働きかける
主な働き
- 理気(りき):気を巡らせ、滞りを解消する
- 健脾(けんぴ):脾の働きを高め、消化吸収を改善する
- 燥湿(そうしつ):余分な湿(水分・痰)を取り除く
- 化痰(かたん):痰を取り除き、咳を改善する
性味の組み合わせの特徴
辛温+苦味という組み合わせが、陳皮の独特の効能を生み出します。
- 辛味が気を巡らせ→滞りを解消
- 温性が体を温め→湿を乾燥させる
- 苦味が余分な湿を取り除く→痰を化する
陳皮は、気を巡らせながら湿を取り除く、二重の効能を持つ食材です!
生みかんと陳皮の違い|乾燥熟成で変わる性質
「陳皮」の「陳」とは「古い、熟成した」という意味。みかんの皮を乾燥・熟成させることで、性質が変化します。
生みかんの皮の性質
- 「青皮(せいひ)」と呼ばれる(未熟な皮)
- 性質:温性が強く、辛味が鋭い
- 働き:理気作用が強いが、胃への刺激が大きい
- 適している人:体力がある人、実証の人
陳皮(乾燥・熟成した皮)の性質
- 熟したみかんの皮を乾燥・熟成させたもの
- 性質:温性が穏やかになり、辛味が和らぐ
- 働き:理気・健脾・燥湿・化痰が均衡良く発揮される
- 適している人:体力が弱い人でも使いやすい
乾燥・熟成による主な変化
- 辛味成分が揮発・変化→刺激が和らぐ
- 苦味成分(ヘスペリジンなど)が凝縮→燥湿・化痰効果が高まる
- 香気成分が変化→より深い香りになる
- 水分が抜ける→成分が凝縮される
熟成期間と効果
- 1〜2年:基本的な陳皮。日常使いに適している
- 3〜5年:効能が安定し、使いやすくなる
- 10年以上:最高品質の陳皮。希少で効能が最大化
家庭で作る場合は1〜2年の乾燥熟成で十分効果があります!
なぜ「皮」に薬効が集まるのか
みかんの果肉よりも皮の方が、薬効が高いとされる理由を見ていきます。
皮に集まる有効成分
- ヘスペリジン(ビタミンP):毛細血管を強化し、血流を改善。抗炎症・抗酸化作用
- リモネン:精油成分。気を巡らせる、リラックス効果、消化促進
- フラボノイド:抗酸化作用、抗炎症作用、免疫力アップ
- ペクチン:食物繊維。整腸作用
- 精油(エッセンシャルオイル):リモネン、αピネンなど。気を巡らせる、抗菌作用
なぜ皮に集まるのか
- 果実の表面を守るため:外敵(虫、菌、紫外線)から身を守るため、防御物質が皮に集中
- 香り成分は揮発性:皮の精油腺に香気成分が詰まっている
- フラボノイドは皮に多い:光合成に関係するため、外側に多く存在
薬膳的な説明
中医学では、植物の外側(皮・殻)は「散らす・巡らせる」作用があるとされています。
- 皮は植物が外と内をつなぐ部分→気の出入りを調整
- 香気が強い→気を巡らせる辛味の特徴と一致
- 外敵から守る成分→体の防衛機能(衛気)を強化
皮には、果肉には含まれない多くの有効成分が凝縮されています!
陳皮の効能をわかりやすく解説|理気・健脾・燥湿・化痰とは

陳皮の4つの主要な効能を詳しく解説します。
理気とは?気の巡りを整える働き
「理気(りき)」とは、気の流れを整え、滞りを解消することです。
気滞が起こる原因
- ストレス、感情の抑圧
- 食べ過ぎ、飲みすぎ
- 運動不足
- 冷えや湿の影響
気滞の症状
- お腹や脇腹の張り
- ゲップやおならが多い
- 胸のつかえ感
- 喉に何か詰まった感じ(梅核気)
- イライラ、気分の落ち込み
- 生理前の乳房の張り(女性)
陳皮の理気作用
- 辛味と芳香成分が気を動かす
- 滞った気を上から下へ、または外へ散らす
- 消化管のガスを排出する
- 横隔膜の緊張を和らげる
特に、陳皮は「降気(こうき)」、つまり逆上した気を降ろす作用が特徴的。胃の気が上逆するゲップや吐き気にも効果的です。
理気は、陳皮の最も代表的な効能です!
健脾とは?胃腸を立て直す作用
「健脾(けんぴ)」とは、脾の働きを活性化させること。陳皮は、りんごや山芋とは異なるアプローチで脾を整えます。
陳皮が健脾に効く仕組み
- 理気作用で消化管の滞りを解消→食べ物がスムーズに流れる
- 温性で脾胃を温める→冷えによる消化機能低下を改善
- 燥湿作用で余分な湿を取り除く→脾虚湿盛(湿が多い脾虚)に効果的
陳皮の健脾が向いている症状
- 食欲不振(特に湿が原因の食欲不振)
- 食後のお腹の張り
- 消化不良
- 下痢(湿が原因)
- 吐き気
注意点
陳皮の健脾は、「補う(栄養を補充する)」タイプではなく、「整える(滞りを解消する)」タイプです。
- 補うタイプの健脾食材:山芋、さつまいも、鶏肉、もち米
- 整えるタイプの健脾食材:陳皮、大根、みかん
両方を組み合わせることで、より効果的な健脾ができます!
燥湿とは?余分な水分をさばく意味
「燥湿(そうしつ)」とは、余分な湿(水分・老廃物)を乾燥させ、取り除くことです。
痰湿が溜まる原因
- 冷たい物の摂りすぎ
- 甘い物、脂っこい物の食べ過ぎ
- 胃腸の機能低下
- 運動不足
- 湿度の高い環境
痰湿の症状
- 体が重だるい
- むくみやすい
- 痰が多い
- 頭が重い、ぼーっとする
- お腹がポッコリ
- 舌苔が厚く白い
陳皮の燥湿作用
- 温性が余分な湿を蒸発させる
- 苦味が湿を乾燥させる
- 脾を整えることで、水分代謝が改善される
- 気を巡らせることで、滞った水分が動き出す
燥湿は、体の重だるさやむくみに悩む人に特に重要な効能です!
化痰とは?痰や粘りを取り除く働き
「化痰(かたん)」とは、痰(たん)を取り除くこと。薬膳でいう「痰」は、喉の痰だけでなく、体内の余分な粘り気のある物質全体を指します。
薬膳でいう「痰」とは
- 有形の痰:喉や気管支に絡む実際の痰
- 無形の痰:脂肪の蓄積、動脈硬化、結節、老廃物など
痰が生じる原因:
- 燥湿ができていない→湿が溜まり、痰になる
- 体が冷える→水分が滞り、痰になる
- 気滞→水分代謝が滞り、痰になる
陳皮の化痰作用
- 辛味が気を巡らせ→痰を動かす
- 燥湿作用で湿を取り除く→痰の原因を断つ
- 理気作用で気の流れを回復→痰の停滞を解消
化痰が向いている症状
- 喉に痰が絡む
- 咳が続く
- 胸が重い
- 食後に吐き気がする
- 口の中が粘る
陳皮は、理気・健脾・燥湿・化痰の4つが連携して効果を発揮します!
どんな不調に向いている?症状別に見る陳皮の使いどころ

陳皮が効果的な症状別に、具体的な活用法をお伝えします。
胃もたれ・食欲不振がある場合
胃もたれや食欲不振は、気滞・脾虚・湿が原因のことが多く、陳皮が最も活躍する場面です。
おすすめの活用法
- 陳皮茶を食前に飲む:理気作用が胃の働きを活性化し、食欲を増進
- 食後に陳皮茶を飲む:消化を助け、胃もたれを解消
- 料理に陳皮を加える:スープ、煮物、炒め物に少量入れる
組み合わせると良い食材
- 生姜:胃を温め、消化を助ける。陳皮と生姜のお茶が定番
- 大根:消化酵素が豊富。気を巡らせる
- 山芋:脾を補い、消化を助ける
- 梅干し:気を巡らせ、食欲を増進
陳皮と生姜のお茶レシピ
材料
- 陳皮3〜5g
- 生姜(薄切り)2〜3枚
- 水300ml
- 黒糖またははちみつ(お好みで)
作り方
- 鍋に水、陳皮、生姜を入れて10〜15分煮出します
- 黒糖またははちみつで甘みをつけて完成
- 食前または食後に温かいうちに飲みます
胃もたれ・食欲不振には、陳皮茶が特効薬です!
むくみ・体の重だるさがある場合
むくみや体の重だるさは、痰湿が原因です。陳皮の燥湿・理気作用が効果的です。
おすすめの活用法
- 陳皮茶を毎日飲む:燥湿・理気作用が余分な湿を取り除く
- 食事に陳皮を加える:料理に少量入れることで、食事全体の燥湿効果が高まる
- 陳皮と利水食材を組み合わせる:とうもろこし、小豆、冬瓜など
組み合わせると良い食材
- とうもろこし(ひげも含む):利水効果が高い
- 小豆:利水・補血
- 冬瓜:利水・清熱
- はとむぎ:燥湿・利水
陳皮ととうもろこしのひげ茶レシピ:
材料
- 陳皮3g
- とうもろこしのひげ(乾燥)5g
- 水500ml
作り方
- 鍋に水、陳皮、とうもろこしのひげを入れて10〜15分煮出します
- こして飲みます
- 1日2〜3回飲みましょう
むくみ・重だるさには、陳皮+利水食材のお茶がおすすめです!
咳・痰が絡むとき
咳や痰には、陳皮の化痰・理気作用が効果的です。
おすすめの活用法
- 陳皮と梨のお茶:化痰しながら肺を潤す
- 陳皮と生姜のスープ:温めながら痰を取り除く
- 陳皮とはちみつのお湯割り:肺を潤しながら痰を取り除く
組み合わせると良い食材
- 梨:潤肺・化痰。陳皮と梨のお茶が効果的
- 大根:化痰・消食。陳皮と大根のスープ
- はちみつ:潤肺・止咳。陳皮茶にはちみつを加える
- 生姜:温肺・化痰。陳皮と生姜を一緒に煮出す
陳皮と梨のお茶レシピ
材料
- 陳皮3g
- 梨1/2個(薄切り)
- はちみつ(お好みで)
- 水300ml
作り方
- 鍋に水、陳皮、梨を入れて10〜15分煮出します
- はちみつで甘みをつけて完成
- 温かいうちに飲みます
咳・痰には、陳皮+梨の組み合わせがおすすめです!
ストレスで胸や喉がつかえる感覚があるとき
ストレスで胸や喉がつかえる感覚は、「梅核気(ばいかくき)」と呼ばれる気滞の症状です。陳皮の理気作用が効果的です。
おすすめの活用法
- 陳皮茶をゆっくり飲む:芳香成分がリラックスを促し、気の巡りを改善
- 陳皮と香味野菜の料理:セロリ、春菊、三つ葉など、気を巡らせる食材と組み合わせる
- 陳皮入りのお風呂:陳皮を布袋に入れてお風呂に入れると、芳香成分が気の巡りを助ける
組み合わせると良い食材
- セロリ:気を巡らせる
- 玉ねぎ:気を巡らせる
- 柑橘類:気を巡らせる
- 薔薇の花(ローズバッド):気を巡らせ、心を落ち着ける
陳皮とローズのブレンドティー:
材料
- 陳皮3g
- ローズバッド3〜5個
- 水300ml
作り方
- ポットに陳皮とローズバッドを入れ、熱湯を注ぎます
- 5分蒸らして完成
- ゆっくりと飲みましょう
ストレスで胸がつかえる時は、陳皮の芳香が気の流れを整えます!
陳皮の作り方と正しい使い方|量・タイミング・活用法

家庭でできる陳皮の作り方と活用法をお伝えします。
家庭でできる陳皮の作り方(洗浄・乾燥・保存)
自家製の陳皮を作る手順をご紹介します。
材料・道具
- みかん(できれば無農薬または国産)の皮
- 野菜洗い用の塩または重曹
- 清潔なザル、乾燥ネット
- 保存容器(蓋つき)
手順
洗浄(農薬除去):
- みかんを流水でよく洗います
- 塩または重曹を少量使い、皮の表面をやさしくこすります
- 再度流水でよく洗い流します
- 農薬が気になる場合は、重曹水(水1リットルに重曹大さじ1)に5分浸してから洗います
皮をむく
- みかんの皮をむきます
- 白い綿の部分(内果皮)は、苦みの原因になります。少し残してもOKですが、多すぎると苦みが強くなります
乾燥
- 皮を清潔なザルや乾燥ネットに広げます
- 日当たりが良く風通しの良い場所で、天日干しします
- 夜は室内に取り込み、雨や湿気を避けます
- 3〜7日程度で完全に乾燥します(カラカラになるまで)
- 時間がない場合は、オーブン70℃で1〜2時間乾燥させる方法もあります
保存
- 完全に乾燥したことを確認してから保存します
- 密閉容器や保存袋に入れます
- 冷暗所で保存:半年〜1年で使い切るのが目安
- できれば毎年作り足して、古いものから使いましょう
ポイント
- 完全に乾燥させないとカビが生えます
- 農薬が気になる場合は、必ず国産または無農薬のみかんを使いましょう
- 毎年冬にまとめて作ると便利です
自家製陳皮は、みかんの旬の冬に仕込んでおきましょう!
陳皮茶の基本レシピと目安量
最もシンプルな陳皮の活用法、陳皮茶の作り方をお伝えします。
基本の陳皮茶
材料
- 陳皮3〜5g(乾燥状態で)
- 水300〜500ml
作り方
- 鍋に水と陳皮を入れます
- 沸騰したら弱火にして10〜15分煮出します
- こして飲みます
- 温かいうちに飲みましょう
簡単なお湯出し法
- マグカップに陳皮3gを入れます
- 熱湯200mlを注ぎます
- 蓋をして5〜10分蒸らします
- そのまま(または茶こしでこして)飲みます
1日の目安量
- 一般的な目安:3〜6g/日
- 胃腸が弱い人:3g/日から始める
- 体力がある人:5〜10g/日まで
- 子ども:1〜2g/日
注意点
- 摂りすぎると、胃への刺激や気の消耗が起こることがあります
- 最初は少量(3g)から始め、様子を見ながら増やしましょう
陳皮茶は、毎日の習慣にするのがおすすめです!
スープ・煮物・デザートへの活用法
陳皮は、お茶だけでなく様々な料理に活用できます。
スープへの活用
- 陳皮と鶏肉のスープ:陳皮3g+鶏肉+生姜+ねぎ。気を補いながら理気する
- 陳皮と大根のスープ:陳皮3g+大根+生姜。胃もたれ解消に効果的
- 陳皮と山芋のスープ:陳皮3g+山芋+なつめ。健脾補気に最適
煮物への活用
- 陳皮を煮物の隠し味に:1〜2枚入れるだけで、料理全体に理気効果が加わる
- 角煮やスペアリブに:陳皮を加えることで、脂っこさを和らげ、消化を助ける
- 魚の煮付けに:臭みを取り除き、消化を助ける
陳皮と豚肉の角煮レシピ:
材料
- 豚バラ肉500g
- 陳皮5g
- 生姜(スライス)
- 醤油、酒、砂糖、水
作り方
- 豚肉を一口大に切り、湯通しします
- 鍋に豚肉、陳皮、生姜、調味料を入れて煮込みます
- 1〜1.5時間煮込んで完成
- 陳皮が脂っこさを和らげ、消化を助けます
デザートへの活用
- 陳皮と白きくらげのデザートスープ:陳皮3g+白きくらげ+なつめ+はちみつ。潤しながら理気
- 陳皮ゼリー:陳皮茶でゼリーを作る。夏のデザートに
- 陳皮チョコレート:刻んだ陳皮をチョコレートに混ぜる
料理の幅を広げながら、陳皮の効能を日常的に取り入れましょう!
摂取するタイミング(食前・食後・就寝前)
陳皮を摂るタイミングによって、効果が変わります。
食前(30分前)
効果
- 食欲を増進する
- 消化を準備する
- 気を巡らせ、胃腸を活性化
向いている症状
- 食欲不振
- 胃腸の動きが悪い
食後(30分〜1時間後):
効果
- 消化を助ける
- 胃もたれを解消する
- ゲップやお腹の張りを改善
向いている症状
- 胃もたれ
- 食後のお腹の張り
- ゲップが多い
就寝前(1〜2時間前):
効果
- 一日のストレスや気の滞りを解消
- リラックスして眠りやすくなる
向いている症状
- ストレスが多い
- 胸がつかえる
- 眠れない
注意点
- 陳皮は温性で、夜に飲みすぎると興奮して眠れなくなることがあります
- 就寝前は少量(2〜3g)にとどめましょう
- 空腹時に大量に飲むと、胃を刺激することがあります
症状に合わせて、摂取タイミングを選びましょう!
辛温性に注意?体質別の向き不向きと安全な取り入れ方

陳皮は優秀ですが、体質によって注意点があります。
熱証タイプ・胃酸過多の人の注意点
熱証タイプ(体に熱がこもっている)や胃酸過多の人は、陳皮に注意が必要です。
熱証タイプの症状
- 顔が赤い、ほてる
- 口が渇く
- 便秘がち
- イライラしやすい
- 舌が赤く、舌苔が黄色い
なぜ注意が必要か:
陳皮は温性で、体をさらに温めてしまう可能性があります。また、辛味が胃を刺激し、胃酸の分泌を促すため、胃酸過多の症状が悪化することがあります。
対処法
- 少量にする:1日2〜3g以下
- 清熱食材と組み合わせる:梨、菊花、薄荷(ミント)など
- 冷やしてから飲む:常温または軽く冷ましたお茶で
- ほてりが悪化したらやめる
胃酸過多の人の場合
- 食後に飲む:空腹時は避ける
- 少量から試す:1〜2g/日から
- 胃が荒れたらすぐにやめる
熱証・胃酸過多の人は、少量から慎重に試してみましょう!
乾燥体質・陰虚タイプへの配慮
陰虚(体を潤す成分が不足している)タイプの人は、陳皮の燥湿作用に注意が必要です。
陰虚の症状
- 肌や喉が乾燥する
- 手足がほてる
- 寝汗をかく
- 口や喉が渇く
- 便秘がち
なぜ注意が必要か
陳皮の「燥湿」作用は、余分な湿を取り除く効能です。しかし、陰虚の人はすでに体液(陰液)が不足しているため、さらに燥湿すると乾燥が悪化する可能性があります。
対処法
- 少量にする:1日2〜3g以下
- 潤す食材と組み合わせる:白きくらげ、梨、はちみつ、豆乳など
- 水分を十分に摂る:陳皮茶を飲む量を増やす(お茶自体が水分補給になる)
- 乾燥症状が悪化したらやめる
おすすめの組み合わせ
- 陳皮+はちみつ:理気しながら潤す
- 陳皮+梨:化痰しながら潤肺
- 陳皮+白きくらげ:理気しながら滋陰
陰虚タイプは、潤す食材と組み合わせて陳皮を使いましょう!
子ども・高齢者が使う場合の目安
子どもと高齢者は、量と使い方に注意が必要です。
子どもの場合
- 1日1〜2g程度から始める
- 薄めのお茶を少量飲む
- お茶に少量の陳皮を入れる程度(料理の香り付けレベル)
- 苦みが苦手な場合は、はちみつを加えて飲みやすくする
- 胃腸の不調時(食欲不振、胃もたれ)に限って使うのが安心
高齢者の場合
- 1日3〜5g程度が目安
- 温かいお茶として飲む
- 食後に少量飲む:消化を助け、胃もたれを予防
- 薬を服用している場合は、医師や薬剤師に相談
- 陳皮は消化を助けるため、高齢者の食欲不振に効果的
注意点
- 子どもも高齢者も、最初は少量から試す
- 体調の変化を観察する
- 不調が出たらすぐにやめる
子ども・高齢者は、少量から慎重に使ってみましょう!
みかん本体との違いは?果肉と皮をどう使い分けるべきか

同じみかんでも、果肉と皮(陳皮)では性質が異なります。
みかん果肉の効能(甘味・生津作用)
みかん果肉の薬膳的性質
五性:涼性(温性という説もある、産地や品種による)
五味:甘味・酸味
帰経:脾、胃、肺
主な効能
- 生津止渇(せいしんしかつ):体液を補い、喉の渇きを止める
- 理気和胃(りきわい):気を巡らせ、胃を整える(皮には及ばないが)
- 潤肺(じゅんぱい):肺を潤し、乾燥を改善する
- 化痰(かたん):軽度の化痰作用がある
- 補充ビタミンC:免疫力アップ、美肌
みかん果肉が向いている症状
- 喉が渇く
- 口内炎がある
- 乾いた咳がある
- 肌の乾燥
- 軽度の気滞(軽い胃もたれ、軽い食欲不振)
果肉の注意点
- 食べ過ぎると、痰湿を増やす可能性があります
- 1日3〜5個が目安
- 冷え性の人は食べ過ぎない
みかん果肉は、潤しながら軽く気を巡らせる穏やかな食材です!
陳皮との作用バランス
果肉と陳皮の作用を比較します。
| 項目 | みかん果肉 | 陳皮(乾燥皮) |
|---|---|---|
| 五性 | 涼性 | 温性 |
| 理気作用 | 弱い | 強い |
| 健脾作用 | 弱い | 強い |
| 燥湿作用 | ない | 強い |
| 化痰作用 | 弱い | 強い |
| 生津作用 | 強い | 弱い |
| 潤肺作用 | ある | 弱い |
| 向いている人 | 乾燥・喉の渇き | 気滞・痰湿・湿 |
果肉と陳皮は、まったく異なる方向性の食材だといえます。
- 果肉:潤す、補う方向性
- 陳皮:巡らせる、取り除く方向性
この違いを理解した上で使い分けることが重要です。
果肉と皮を組み合わせるメリット
果肉と陳皮を組み合わせることで、相乗効果が生まれます。
組み合わせのメリット
- 補う(果肉)+巡らせる(陳皮)=補いながら巡らせる理想的な組み合わせ
- 潤す(果肉)+燥湿(陳皮)=バランスよく水分を調整
- 涼性(果肉)+温性(陳皮)=平性に近い、穏やかな作用
果肉+陳皮が向いているケース
- 気虚+気滞(疲れているのに気が滞っている)
- 陰虚+痰湿(乾燥しているのに痰が絡む)
- 乾燥+胃もたれ(喉は乾燥しているのに胃は重い)
具体的な組み合わせ方
- みかんを食べながら、陳皮茶を飲む
- みかんのスムージーに、少量の陳皮粉末を加える
- みかんゼリーを陳皮茶で作る
「みかんは捨てるところがない」果肉も皮も、薬膳的に価値ある食材なのです!
まとめ

陳皮は、みかんの皮を乾燥・熟成させた薬膳食材で、温性・辛苦味の性質が脾・胃・肺に作用します。理気(気を巡らせる)・健脾(脾を整える)・燥湿(余分な湿を取り除く)・化痰(痰を取り除く)の4つの効能が、胃もたれ、食欲不振、むくみ、咳・痰、ストレスによる胸のつかえなど、幅広い症状に対応します。
家庭でも簡単に作れる陳皮は、1日3〜6gを目安に、陳皮茶として飲むのが最も手軽な活用法。食前に飲めば食欲を増進し、食後に飲めば消化を助け、就寝前に飲めばリラックス効果があります。スープ、煮物、デザートにも幅広く活用できます。
熱証・胃酸過多の人は少量から慎重に、陰虚タイプは潤す食材と組み合わせて使いましょう。
みかん果肉は「潤す・補う」方向性で、陳皮は「巡らせる・取り除く」方向性という違いを理解し、体質と症状に合わせて使い分けることが大切です。
みかんの旬である冬に皮を乾燥させて陳皮を作り、一年中活用していきましょう!
