「もち米って体を温めるって聞いたけど、本当なの?」
そんな疑問を持ちながら、お赤飯やおこわを食べている方も多いのではないでしょうか。
薬膳の考え方では、食材にはそれぞれ体への作用があるとされており、もち米も例外ではありません。
ただ、「温める食材だから積極的に食べた方がいい」と一概に言えるわけではなく、体質や食べ方によっても変わってきます。
この記事では、薬膳の視点からもち米の性質や体への働きをお伝えしていきます。
向いている人・控えた方がいい人の違いや、日常への取り入れ方まで幅広くご紹介していくので、ぜひ最後まで読んでみてください!
もち米は本当に体を温める?薬膳での結論

薬膳では、もち米は「体を温める食材」に分類されています。
ここでは、その理由と体への具体的な働きについてお伝えしていきます。
もち米は温性で体を内側から温める主食
薬膳の分野において、もち米は「温性(おんせい)」に分類される食材です。
温性とは、体を内側から温め、血液の巡りをよくする性質のこと。
冷えが気になる季節や、体のだるさを感じるときに取り入れると、内側からじんわりと温まる感覚を得やすい食材といわれています。
また、薬膳では「気(き)を補う」食材としても位置づけられており、エネルギー不足が気になる方との相性がよいとされています。
つまり、体の冷えや疲れに寄り添いやすい食材として、古くから活用されてきた主食のひとつです。
冷えや疲れがあるときに取り入れやすい食材
もち米が特に向いているのは、「冷えやすい」「疲れが抜けない」という状態のときです。
薬膳では、冷えや疲れは「気」や「陽気(ようき)」が不足しているサインと考えます。
そのような状態のとき、温性で気を補うもち米は、体のバランスを整えるうえで取り入れやすい食材といえます。
ただし、毎日大量に食べれば効果が高まるという性質のものではありません。
あくまでも「日々の食事の中に自然に取り入れる」という感覚で活用することが大切です。
食べ方によって体への影響は変わる
もち米は温性という性質を持ちますが、食べ方によって体への影響が変わる点にも注目してみてください。
たとえば、大量に食べると消化に負担がかかりやすく、逆に胃腸の疲れを招くこともあります。
一方で、白米に少量混ぜたり、消化を助ける食材と組み合わせたりすることで、体への負担を抑えながら温める作用を活かせます。
このように、もち米は「何を、どれくらい、何と一緒に食べるか」によって、体への作用が変わってくる食材です。
食べ方の工夫については、後半でさらに詳しくお伝えしていきます!
もち米が温める食材とされる理由|薬膳の考え方

薬膳には「五性(ごせい)」という考え方があり、食材ごとに体への作用が分類されています。
もち米がなぜ温める食材とされているのか、その理由をひとつずつお伝えしていきます。
五性では温性に分類される理由
薬膳における「五性」とは、食材が体に与える温度的な影響をあらわす概念のことです。
具体的には「熱・温・平・涼・寒」の5段階に分類されており、もち米は「温」に位置づけられています。
温性に分類される食材には、体の内部を温め、冷えからくる不調を和らげる働きがあるとされています。
もち米は米類の中でも、特に温める力が強いとされる食材のひとつです。
同じ米類でも、白米は「平性(へいせい)」に分類され、体を温めも冷やしもしない中立的な性質を持ちます。
このことからも、もち米が白米よりも温める力を持つ食材として区別されていることがわかります。
脾胃を温めて気を補う働き
薬膳では、消化器系全体を「脾胃(ひい)」と表現し、体のエネルギー源を作り出す重要な器官として捉えています。
もち米には、この脾胃を温め、その働きを助ける作用があるとされています。
脾胃が温まることで消化・吸収がスムーズになり、体全体に栄養とエネルギーが行き渡りやすくなります。
さらに、もち米は「補気(ほき)」の食材としても知られており、気(エネルギー)を補う効果があるとされています。
気が不足した状態では、疲れやすくなったり、免疫力が低下したりするとも考えられているため、補気食材を意識的に取り入れることは薬膳の基本的な考え方のひとつです。
エネルギーを補い体を支える主食としての役割
もち米はカロリーが高く、白米と比べてエネルギーの吸収が緩やかなのも特徴です。
薬膳では、このような特性が「体を持続的に支える主食」としての役割につながると考えられています。
特に、体力を消耗しやすい時期や、体を休めたいときの食事に向いているとされています。
また、日本でも昔から「お赤飯はハレの日の食事」として大切にされてきた背景があります。
これは単なる慣習ではなく、もち米が体を養う力を持つ食材として経験的に認識されてきたことを示しているといえます。
こうした文化的な背景も、薬膳的な観点と重なる部分が多いといえるでしょう!
もち米が向いている人|冷え・疲れ・胃腸との関係

薬膳的な観点から見ると、もち米には特に相性のよい体質や体調があります。
どのような方に向いているのかを、具体的にお伝えしていきます。
冷えやすく体温が上がりにくい人
手足が冷えやすい、冬になると特に体が冷える、という方には、もち米が向いているといわれています。
薬膳では、このような冷えは体内の「陽気(ようき)」の不足によって生じると考えられています。
温性のもち米を食事に取り入れることで、陽気を補い、体の内側から冷えにアプローチしやすくなります。
ただし、冷えの原因は体質によってさまざまです。
食事だけで完結させようとせず、生活習慣全体を整えることを前提としながら、もち米を上手に活用していくことが大切です。
疲れやすくエネルギー不足を感じる人
「なんとなくだるい」「疲れが取れない」という状態が続く方にも、もち米は適しているといわれています。
薬膳では、こうした慢性的な疲労感は「気虚(ききょ)」と呼ばれる、気(エネルギー)が不足した状態として捉えられています。
もち米は補気食材のひとつとして、気を養い、体力を回復させる助けになるとされています。
とはいえ、疲労の背景にある原因はさまざまです。
あくまでも食事の一部として上手に取り入れながら、休養や睡眠とあわせてケアしていくことをオススメします。
食欲が落ちているときや胃腸が弱っているとき
食欲がわかない、胃が重く感じる、消化が悪い、といったときにも、もち米が助けになる場合があります。
薬膳では、胃腸が弱っている状態を「脾虚(ひきょ)」と表現し、脾胃の機能が低下した状態と考えます。
もち米には脾胃を温めて働きを高める作用があるとされており、このような状態に対して適した食材といわれています。
ただし、胃腸が弱いときにもち米を大量に食べると、消化の負担になる場合もあります。
少量から取り入れ、体の反応を確認しながら食べる量を調整していくことが大切です。
もち米を控えたほうがいい人|体質と注意点

温める作用のあるもち米は、体質によっては向かない場合もあります。
どのような方が注意すべきか、具体的にお伝えしていきます。
体に熱がこもりやすい人やのぼせやすい人
顔が赤くなりやすい、のぼせる、体が常にほてっている、という方は、もち米の摂りすぎに注意が必要です。
薬膳では、このような状態を「熱証(ねっしょう)」と呼び、体内に熱がこもりすぎた状態として捉えます。
温性のもち米をさらに加えると、体の熱が増してしまい、不調を悪化させる可能性があります。
そのような体質の方は、もち米よりも平性の白米や、涼性・寒性の食材を中心に取り入れることが薬膳的には適しています。
自分の体質をよく知ったうえで、食材を選んでいくことが大切です。
消化が弱く食べ過ぎると負担になる人
もち米はもちもちとした粘り気が強く、白米に比べて消化に時間がかかる食材です。
胃腸の動きが弱い方や、普段から消化不良を起こしやすい方は、もち米を食べ過ぎると胃に負担がかかることがあります。
また、消化器系に疾患がある方は、食事の内容について医師や専門家に相談することを優先してみてください。
薬膳の観点では「体を温める」効果があるとされるもち米ですが、いくら体によい食材でも、食べすぎは逆効果になることがあります。
適量を意識することが、薬膳的な食事の基本です。
食べる量やタイミングに注意が必要なケース
もち米は消化に時間がかかるため、食べるタイミングにも気をつけることが大切です。
特に、夜遅い時間帯の食事や、運動量が少ない日に大量に食べると、消化しきれずに胃もたれを起こしやすくなります。
また、発熱しているときや、炎症がある状態では温性食材の摂取は控えることをオススメします。
このように、もち米は「誰にでも、いつでも向いている」食材ではありません。
体の状態や生活リズムに合わせて、食べる量とタイミングを意識することが重要です!
もち米を健康的に取り入れる方法|食べ方と組み合わせ

もち米の性質を理解したうえで、日常の食事に上手に取り入れる方法をご紹介していきます。
無理なく続けられる食べ方を見つけてみてください!
白米に混ぜてバランスよく取り入れる
もっとも取り入れやすい方法のひとつが、白米ともち米を混ぜて炊くことです。
たとえば、白米3合に対してもち米を1割程度加えるだけで、ほどよい粘りとやさしい甘みが出て食べやすくなります。
消化への負担も純粋なもち米だけの場合より少なくなるため、胃腸が弱めの方にも取り入れやすい方法です。
また、もち米の割合を少量にすることで、温める作用を穏やかに活かせるのもメリット。
まずはこの方法から試してみることをオススメします。
おこわや炊き込みご飯で日常に取り入れる
おこわや炊き込みご飯は、もち米を日常食として取り入れるのに適した料理です。
薬膳的に相性のよい食材と組み合わせることで、食事全体としてのバランスが高まります。
たとえば、気を補うとされる山芋や、温める作用のある鶏肉と組み合わせると、相乗効果が期待できます。
また、旬の食材を加えることでさらに体に合った食事になります。
季節に応じた食材を意識して選ぶことも、薬膳の大切な考え方のひとつです。
大根おろしなどと組み合わせてバランスを取る
もち米を食べる際は、消化を助ける食材と組み合わせることで、体への負担を軽減できます。
大根おろしには消化酵素が豊富に含まれており、もち米の消化をサポートする働きが期待できます。
薬膳的にも、大根は「消食(しょうしょく)」の食材として知られており、食べ物の消化・吸収を助ける作用があるとされています。
そのほか、生姜や長ねぎといった温性で消化を助ける食材との組み合わせもおすすめです。
もち米単体で食べるよりも、こうした食材と一緒に取り入れることで、薬膳的なバランスが整いやすくなります!
もち米と白米の違い|どちらを選ぶとよい?

日常的に食べているご飯の主役である白米と、もち米にはどのような違いがあるのでしょうか。
体質や体調に合わせた使い分けの基本をお伝えしていきます。
もち米は体を温めたいときに向く
薬膳的な観点から見ると、もち米は冷えを感じるときや、体を温めたい場面に向いている食材です。
温性の性質を持ち、気を補う力もあることから、体力を回復させたいとき・寒い季節・冷えやすい体質の方にとって頼りになる選択肢になります。
ただし、前述のとおり、体に熱がこもりやすい方や消化が弱い方は摂りすぎに注意が必要です。
あくまでも「温めたいとき」のための食材として位置づけ、常食よりも体の状態に合わせて活用していくのが基本的な考え方です。
白米は消化しやすく日常使いしやすい
一方、白米は「平性(へいせい)」に分類される食材で、体を温めも冷やしもしない中立的な性質を持ちます。
消化のしやすさという点では白米の方が優れており、毎日食べる主食としての適応力が高いといえます。
また、どのような体質の方にも比較的合いやすいため、薬膳的に迷ったときは白米を基本とする考え方も参考にしてみてください。
もち米に比べてもちもち感は控えめですが、その分消化器への負担が少ないというメリットがあります。
胃腸が弱い方や、体に熱がこもりがちな方は、白米を中心にした食事が体に合いやすいことが多いです。
体調に合わせて使い分けるのが基本
もち米と白米のどちらが優れているということではなく、体の状態に合わせて使い分けることが大切です。
冷えや疲れを感じているときはもち米を少量取り入れ、体調が安定しているときは白米を中心に食べる、という使い分けが薬膳的なアプローチとして理にかなっています。
また、季節によっても使い分けるとよく、寒い冬場はもち米を活用しやすい時期といえます。
つまり、どちらか一方に偏るのではなく、体の声に耳を傾けながら食事を選ぶことが薬膳の基本的な考え方です。
まずは自分の体質を知るところからはじめてみてください!
まとめ

この記事では、薬膳の観点から見たもち米の性質と、体への働きについてお伝えしてきました。
薬膳における結論として、もち米は「温性(おんせい)」に分類される食材であり、体を内側から温め、気(エネルギー)を補う働きがあるとされています。
冷えやすい体質の方や、疲れが抜けにくいと感じている方、胃腸の働きが落ちているときに取り入れやすい食材です。
一方で、体に熱がこもりやすい方や消化が弱い方は、摂りすぎに注意が必要です。
白米と混ぜたり、大根おろしや生姜など消化を助ける食材と組み合わせたりしながら、自分の体質に合わせた食べ方を見つけていくことが大切です。
薬膳は「特別な食材を大量に摂る」ものではなく、「日々の食事を体に合わせて整える」考え方です。
まずは白米に少量のもち米を加えることから、気軽に試してみてください!


