「青魚が血液サラサラにいいって聞くけど、なんで?DHA・EPAって何が違うの?」
そんな疑問を持ちながら、健康のために青魚を意識的に食べようと考えている方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、青魚に豊富に含まれるEPA・DHAは**血液の流れを整え血栓を防ぎやすくする不飽和脂肪酸**で、薬膳的にも「血の巡りをよくする(活血)」の効能を持つ食材として古くから評価されてきました。
正しい摂り方を知ることで、この効能を最大限に日常の食養生として活かすことができます。
この記事では、青魚が血液サラサラと言われる本当の理由・DHA・EPAの違いと役割・薬膳的な見方・血流が悪い人のサイン・効果を高める食べ方・どの青魚を選べばよいかまで、幅広くお伝えしていきます。
「青魚を食養生として上手に活用したい」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください!
青魚が「血液サラサラ」と言われる本当の理由とは?

まずは「血液サラサラ」という表現の意味と、青魚がそれに関わる理由を整理していきます。
血液サラサラとは何を意味しているのか
「血液サラサラ」という言葉は医学的な専門用語ではなく、血液が正常な流動性を保ち血管内をスムーズに流れている状態を表す一般的な表現です。
具体的には以下のような状態を指しています。
- 赤血球が変形しやすく、細い毛細血管を通り抜けやすい状態
- 血小板が過剰に凝集せず、不必要な血栓が形成されにくい状態
- 白血球や血小板の粘着性が正常な範囲に保たれた状態
- 血中の中性脂肪・LDLコレステロールが適正な範囲に維持された状態
この「サラサラ」な血液の状態が保たれることで、全身への酸素・栄養の供給が効率よく行われ、心臓病・脳梗塞・動脈硬化などのリスクが低下すると考えられています。
血流が悪くなる原因(ドロドロ血の正体)
血液の流動性が低下した「ドロドロ血」の状態は、いくつかの要因から引き起こされます。
- 高脂肪食・糖質過多の食生活:血中の中性脂肪・LDLコレステロールが増加し、血液の粘度が上がりやすくなる
- 運動不足:血流を促進する筋肉ポンプの機能が低下し、血液が滞りやすくなる
- 慢性的なストレス:ストレスホルモン(コルチゾール)の増加が血管の収縮・血小板の活性化につながりやすい
- 喫煙:血管内皮を傷つけ、血栓形成リスクを高める代表的な要因
- 脱水・水分不足:血液の水分量が減少し、血液が濃縮して流れにくくなる
薬膳では血流が滞った状態を「瘀血(おけつ)」と呼び、頭痛・肩こり・顔色の暗さ・月経痛・冷えなどの不調として現れるとされています。
青魚に含まれる脂質が血流に与える影響
青魚の脂質が血流に良い影響を与える最大の理由は、含まれる「多価不飽和脂肪酸」——特にEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)——の働きにあります。
EPAは血小板の凝集を抑制し血栓が形成されにくい状態を作ること・中性脂肪の合成を抑制すること・血管の炎症を抑えることによって血液の流動性を高める方向に働きます。
また、DHAは赤血球の細胞膜に取り込まれて赤血球の柔軟性(変形能)を高め、細い毛細血管を通りやすくする効果が期待されています。
これらの働きが組み合わさることで、青魚を継続的に食べることが血液の流れを整える「血液サラサラ効果」として表現されるようになりました。
DHAとEPAの違い|血流に影響するのはどっち?

DHA・EPAはどちらも青魚に含まれるn-3系(オメガ3)脂肪酸ですが、それぞれ異なる役割を持っています。
違いを正確に理解することで、自分の体の状態に合った青魚の選び方ができます。
DHAの役割|脳や神経だけじゃない働き
DHA(ドコサヘキサエン酸)は脳・神経への働きで有名ですが、血流への影響も持つ重要な脂肪酸です。
DHAが多く含まれる場所は「細胞膜」であり、特に脳・網膜・心臓・精子の細胞膜に高濃度で存在します。
DHAが細胞膜に取り込まれることで細胞の流動性が高まり、赤血球が変形しながら細い毛細血管を通り抜けやすくなります。
これが「DHAが血流改善に貢献する」という仕組みです。
また、DHAには抗炎症作用もあり、血管内皮の炎症を抑えることで動脈硬化のリスクを低減する可能性が研究されています。
EPAの役割|血液サラサラの主役成分
EPA(エイコサペンタエン酸)は血液の流れを整えるという目的においては、DHAより直接的に血液・血管に働きかける成分として位置づけられています。
EPAの主な血流への働きとしては以下のものが挙げられます。
- 血小板凝集の抑制:血小板が過剰に集まって血栓を形成するのを抑制する。これが血液サラサラと表現される最も直接的な作用
- 中性脂肪の低下:肝臓での中性脂肪の合成を抑制し、血中中性脂肪値の低下に貢献する
- 血管の拡張促進:プロスタサイクリンの生成を促し、血管を拡張して血流を改善する
- 抗炎症作用:炎症性サイトカインの産生を抑え、血管内皮の炎症を和らげる
DHAとEPAはどちらを意識すべきか
DHA・EPAはどちらか一方だけを意識するより、**両方をバランスよく摂ることが最も効果的**です。
なぜなら、両者は体内で相互に転換・補完し合いながら働くため、どちらが欠けても効果が十分に発揮されないからです。
また、体内でDHAとEPAは一部相互変換が起こりますが、変換効率は低いため、食事からの直接摂取が最も確実な補給方法です。
血流の改善という観点ではEPAの直接的な作用が中心になりますが、脳機能・目の健康・細胞全体の健康という観点ではDHAの役割も非常に重要です。
「血液サラサラのため」という目的であっても、EPAとDHAが両方豊富な青魚を選ぶことが最も理にかなっています。
薬膳の視点で見る青魚|「血の巡り」を整える仕組み

現代栄養学の観点に続き、薬膳的な観点から青魚が血の巡りに与える影響をお伝えしていきます。
薬膳における「血」と「巡り」の考え方
薬膳・中医学における「血(けつ)」は、全身を循環しながら臓腑・筋肉・皮膚・脳・神経に栄養と潤いを届ける液体成分の総称です。
血が正常に巡っている状態では体のすべての組織に十分な栄養・酸素・潤いが届き、体の機能が正常に維持されます。
一方、血の巡りが滞ると「瘀血(おけつ)」という状態になり、体のさまざまな部位で不調として現れます。
薬膳では「活血(かっけつ)——血の巡りをよくする——」という効能を持つ食材を積極的に取り入れることが、瘀血改善の食養生として重要とされています。
青魚はこの活血効能を持つ食材として薬膳的に評価されており、これが現代栄養学のEPAによる血小板凝集抑制・血流改善という働きと見事に一致しています。
青魚はどんな体質に合う食材なのか
薬膳的に青魚が特に向いているのは以下のような体質・体調の方です。
- 瘀血体質(血の巡りが悪いタイプ):顔色が暗い・唇や爪の色が紫がかっている・肩こりや頭痛が続く・月経痛が強い・刺すような痛みがある方
- 心の働きが低下している方:青魚は「心・肝」の経絡に作用するとされており、動悸・不整脈・睡眠の乱れなどが気になる方に向く側面もある
- 血流が低下しやすい冬や運動不足の方:青魚の「温性・活血」の効能が冬の冷えによる血の滞りに対して働きかける
「瘀血(おけつ)」と青魚の関係
薬膳で「瘀血」とは、血の流れが滞ってある部位に血が溜まったり留まったりする状態のことを指します。
瘀血の代表的なサインとしては以下のものが挙げられます。
- 顔色が暗い・くすんでいる・唇が紫がかっている
- 肩こり・頭痛・関節の痛みが慢性化している
- 刺すような痛み(一定の場所に固定した痛み)がある
- 月経痛が強い・月経血に血塊が混じる・月経の色が暗い
- 皮膚に静脈瘤・毛細血管の目立ちが増えてきた
- 舌の色が暗紫色・舌の裏の静脈が太くなっている
青魚の「活血」の効能は、この瘀血の状態に対して血の流れを促進し滞りを解消する方向に働きかけます。
現代栄養学で言うEPAによる血小板凝集抑制・中性脂肪低下・血管炎症抑制という作用が、まさにこの「活血」の効能を支える科学的な根拠になっています。
青魚が必要な人の特徴|血流が悪い人のサインとは

青魚を特に意識して摂るべき体の状態と生活習慣上のリスク要因をお伝えしていきます。
血流が悪い人に多い症状チェック
以下のサインが複数当てはまる方は、青魚を積極的に取り入れることを検討してみてください。
- 手足が冷えやすく、特に末端が温まりにくい
- 肩こり・首こりが慢性化している
- 頭痛が頻繁に起こる
- 顔色がくすんでいる・目の下にクマができやすい
- 月経痛が強い・血塊が混じる
- 血中の中性脂肪値・LDLコレステロール値が高い
- 座り仕事が多く運動をほとんどしない
- 魚を週1回以下しか食べない食生活
生活習慣で血が滞るパターン
血流が悪化しやすい生活習慣のパターンを知っておくことで、青魚が必要な状態かどうかをより正確に判断できます。
薬膳的に瘀血を招きやすい生活習慣として以下のものが挙げられます。
- 同じ姿勢を長時間続ける:デスクワーク・長時間のドライブ・立ちっぱなしの仕事など
- 冷たいものを多く摂る食生活:薬膳では「冷えは血の流れを滞らせる」とされており、冷たい飲み物・食事の習慣が瘀血を招きやすい
- 慢性的なストレス・感情の抑圧:薬膳では「気が滞ると血も滞る」という「気滞血瘀(きたいけつお)」の関係があり、ストレスが血流悪化につながりやすい
- 動物性脂肪・精製糖質の過剰摂取:血中の中性脂肪・コレステロールが増加して血液の粘度が上がりやすくなる
青魚を意識して摂るべき人の特徴
以下に当てはまる方は、青魚を週2〜3回を目安に積極的に取り入れることをオススメします。
- 魚を週1回以下しか食べていない方
- 血中の中性脂肪値・LDLコレステロール値が高めと指摘されている方
- 慢性的な肩こり・頭痛・末端冷えがある方
- 月経痛が毎回強い方
- デスクワーク中心で運動量が少ない方
- 心臓・血管系の疾患リスクが家族歴としてある方
ただし、抗凝固薬(ワーファリンなど)を服用中の方はEPA・DHAが血小板凝集を抑制するため、摂取量について必ずかかりつけの医師に相談することが大切です。
効果を高める青魚の食べ方|DHA・EPAを無駄にしないコツ

青魚のDHA・EPAを最大限に体に届けるための正しい食べ方をお伝えしていきます。
加熱で失われる?DHA・EPAの正しい知識
「加熱するとDHA・EPAが壊れる」という話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
これについて正確な情報をお伝えします。
DHA・EPAは熱に弱い性質を持ちますが、通常の調理温度(100〜200℃程度)での加熱によって完全に失われるわけではありません。
ただし、高温での揚げ物調理(160〜200℃以上の油での長時間加熱)では酸化が進みやすく、DHA・EPAが変質する可能性が高まります。
最も気をつけるべきは加熱による損失より「加熱後に出る油ごと食べているかどうか」です。
焼き魚・煮魚では加熱の過程でDHA・EPAを含む魚の油が落ちたり汁に溶け出したりします。
この落ちた油・汁も一緒に摂ることで、DHA・EPAをより効率よく摂取できます。
刺身・焼き・缶詰どれがベストか
DHA・EPA摂取の効率という観点で各調理法を比較すると以下のようになります。
- 刺身(生):加熱による損失がないため最も効率的にDHA・EPAを摂取できる。ただし鮮度管理が重要で、薬膳的には生魚は消化への負担がやや大きい場合がある
- 蒸す・煮る:汁ごと食べることでDHA・EPAが流れ出た汁も含めて摂取できる。消化への負担が少なく、生姜・ねぎなど薬膳的な活血食材と組み合わせやすい
- 焼く:高温の直火でも適度な焼き加減であればDHA・EPA量の大幅な損失は起こりにくい。皮の旨味も楽しめる身近な調理法
- 缶詰:製造過程で加熱処理されているが、汁ごと食べることでDHA・EPAを効率よく摂取できる。長期保存が可能で手軽に継続しやすい点が最大のメリット
- 揚げ物:高温の油での長時間加熱はDHA・EPAの酸化リスクが高く、血流改善という目的では最も不向きな調理法
継続できる摂取頻度の目安
DHA・EPAの血流改善効果を得るためには、継続的な摂取が最も重要です。
一般的にDHA・EPAの目標摂取量として1日1g程度が目安とされており、これを食事から摂取するためには以下の頻度が参考になります。
- さばの塩焼き1切れ(100g程度)でDHA・EPA合計約3〜4g
- いわしの蒲焼き(100g)でDHA・EPA合計約3〜5g
- さんまの塩焼き1尾(可食部約100g)でDHA・EPA合計約4〜5g
これを踏まえると、**週2〜3回・1回あたり1切れ(100g程度)の青魚を食べる習慣**が最も現実的で継続しやすい摂取頻度の目安です。
毎日食べることが理想的ですが、「完璧に毎日」より「週2〜3回を長期継続すること」が食養生として最も効果的なアプローチです。
どの青魚を選べばいい?DHA・EPAが多い魚ランキングと選び方

実際にどの青魚を選べばよいか、DHA・EPA含有量と日常の選び方をお伝えしていきます。
DHA・EPAが多い代表的な青魚一覧
主要な青魚のDHA・EPA含有量の目安(100gあたり)を以下に整理します。
- さんま(秋):DHA約2700mg・EPA約1500mg。秋に最も脂が乗り旬のさんまはDHA・EPAの含有量が特に高くなる
- さば(真さば):DHA約1800〜2500mg・EPA約700〜1600mg。通年安価で入手しやすく継続的な摂取に最も向いた青魚
- いわし(真いわし):DHA約1800mg・EPA約1200mg。小さな一尾でも豊富なDHA・EPAを含み、丸ごと食べることでカルシウムも同時に摂取できる
- ぶり:DHA約1700〜2000mg・EPA約700〜1000mg。冬に旬を迎え、脂が乗った時期はDHA・EPA含有量が増える。食べ応えがありメインのおかずとして使いやすい
- あじ(真あじ):DHA約1200mg・EPA約500mg。さば・さんまよりDHA・EPA量は少ないが、年間を通じて入手しやすく淡白な味わいで食べやすい
スーパーでの選び方と見分け方
スーパーで青魚を選ぶ際の鮮度の見分け方と選び方をお伝えします。
鮮度が高い青魚の選び方
- 目が澄んでいる:鮮度が落ちると目が白く濁ってくる。透明感のある目が鮮度のサイン
- えらが鮮やかな赤色:鮮度が落ちるとえらが褐色・灰色に変色する
- 身にハリがある:鮮度が良い魚は触れると弾力があり、身がしっかりしている
- 光沢・銀色の輝きがある:青魚特有の銀色の輝きが失われているものは鮮度が落ちている可能性がある
DHA・EPAは不飽和脂肪酸であるため、鮮度が落ちると酸化が進みやすくなります。
鮮度の良いものを選ぶことが、DHA・EPAをより良い状態で摂取するうえで重要です。
手軽に摂るなら缶詰や加工品でもOK?
忙しい毎日の中で青魚を週2〜3回調理することが難しい方には、缶詰の活用は非常に現実的な選択肢です。
さば缶・いわし缶・さんま缶はDHA・EPAを豊富に含んでおり、特に「汁ごと食べる」ことでDHA・EPAが溶け出した汁も無駄なく摂取できます。
薬膳的にも温かいスープや煮物に缶詰を使うことで、活血食材(生姜・ねぎ・ニラ)と組み合わせやすく食養生として活用しやすい形態です。
ただし、缶詰は塩分が多い製品もあるため、塩分を気にする方は「食塩不使用」「減塩」タイプを選ぶことをオススメします。
また、みそ煮・蒲焼きなど味付きの缶詰は糖分・塩分が加わるため、水煮缶をシンプルな調理の素材として使うほうが健康的な活用方法と言えます。
缶詰・刺身・焼き魚・煮魚などの形態を組み合わせながら「週2〜3回・継続すること」を最優先の目標に、自分に合った青魚の食養生を始めてみてください!
まとめ

この記事では、青魚が血液サラサラと言われる理由・DHA・EPAの違いと役割・薬膳的な活血の視点・血流が悪い人のサイン・効果を高める食べ方・青魚の選び方まで、幅広くお伝えしてきました。
青魚が「血液サラサラ」と言われる根拠は、EPA・DHAという多価不飽和脂肪酸が血小板の凝集抑制・中性脂肪の低下・血管の炎症抑制・赤血球の柔軟性向上という複合的な働きを持つからです。
薬膳的にも「活血(血の巡りをよくする)」の効能として古くから評価されており、瘀血体質——肩こり・頭痛・月経痛・顔色のくすみ——が気になる方に特に向いた食材として位置づけられています。
効果を最大限に引き出すためには、週2〜3回・蒸す・煮る・刺身などの調理法を選び・揚げ物は避け・生姜・ねぎなど活血薬味と合わせて温かく食べることが大切なポイントです。
継続できないときはさば缶・いわし缶を汁ごと活用することが最も手軽な食養生の実践方法になります。
「今日の昼食にさば缶を一缶」——そこから血の巡りを整える食養生を始めてみてください!




